麻生副総理に言いたいー行動制限は、感染対策の基本だ。
2021年 09月 21日
データを元に現実を直視したい。
最初に、4つのステージと6つの指標の表をYahooニュースから拝借し再確認。
yahooニュースの該当記事
ステージ3は「感染急増」レベルであり、ステージ4は「感染爆発」状態である。
病床使用率を厚労省の特設サイトから確認し、9月15日までの表を作成。
厚労省特設サイトの該当ページ
20%以上がステージ3でオレンジ色。50%以上はステージ4で赤。
すべての地域で、緩和傾向にある。
ステージ2になったのが、秋田(23→7)、長野(30→18)、島根(30→19)、愛媛(26→19)の四つの県。
減ったとはいえ、いまだにステージ4なのが、埼玉、千葉、神奈川、愛知、滋賀、大阪、兵庫、奈良、沖縄の九つの地域。
三十四の都道府県は、ステージ3である。
自宅療養者の人数の多さを考えると、潜在的に入院が必要な人が多いわけで、この数値の減少のみで医療現場が危機を出しつつあるとは、私には思えない。
次に10万人当たり一週間合計の感染者数を朝日新聞の特設サイトで確認し、9月19日までの表を作成。
朝日新聞の特設サイト
15人以上がステージ3でオレンジ色。25人以上はステージ4で、赤。
全ての地域で、減少傾向にはある。
とはいえ、いまだにステージ4なのが、茨城、埼玉、千葉、東京、神奈川、愛知、京都、大阪、兵庫、奈良、福岡、沖縄の十二の都府県。
ステージ3は、8地域、ステージ2以下が27地域となった。
次に今後の傾向はどうなのか、東洋経済オンラインの特設サイトから、9月19日時点の実効再生産数を確認。
東洋経済オンラインの特設サイト
47都道府県の数値をグラフ化した。
長野のみ1を超えているが、その他は今後の減少を期待させる数値ではある。
しかし、シルバーウィークの人出などを考えると、また悪化する恐れは十分にあると思う。
麻生財務相が、行動制限の効果に疑問を呈する発言をしているが、この人はまったく分かっていない。
東京新聞から引用する。
東京新聞の該当記事
麻生財務相「外で飯食うな、本当に効果あったのか」 コロナ行動制限に苦言
2021年9月21日 16時45分
麻生太郎財務相は21日の閣議後の記者会見で、新型コロナウイルスの感染症対策について、「外で飯を食うな、人に会うな等々、制限をいつまでされるおつもりなのか、その根拠は何なのか、本当にそれが必要で効果があったものなのか」と述べた。政府がこれまで国民に求めてきた行動制限の議論に、副総理が疑問を投げかけた形となる。
記者から、新型コロナによる緊急事態宣言が今月末での解除が検討されていることを問われると、「これは医者に聞かなくっちゃねえ」としつつ「医者のいう話もころころ変わってよくわからん」と、感染症対策に取り組む専門家を批判。
「感染症の大家と称する方々をいろいろ集めて話を聞いているが、大家の人の話だと45万人亡くなると新聞に書いてあった。今、(死者が)1万6千人くらいだと思いますんで、だいぶ外れてるんじゃないか」と述べた。厚生労働省のクラスター対策班が昨年4月、感染防止策を何も行わなかった場合、流行が終わるまでに国内で約42万人が死亡するとの推計を出していたことを指すとみられる。
さらに、「人の流れが多いとかなんとかいう話だったが、今、人の流れがこれだけ多くて患者は減っているんじゃないの?あの話は全くうそだったという話になるんですかね。外で飯を食うな、人に会うな等々、制限をいつまでされるおつもりなのか、その根拠は何なのか、本当にそれが必要で効果があったものなのか。私どもはなんとなくちょっと違うんじゃないかなという感じはします」と発言。
最後に「プロと言われる方々は、もう少し正確な情報を出していただけることを期待してます」と述べた。
そして、移動を控え、密にならないこと。
飲食において、マスクを外して話すことが、もっとも危険。
そういう、感染予防のイロハを、この人は分かっていない。
早い話が、馴染みの店で、血税で早く飲み食いしたいだけなのではないか。
今は更新が止まっている兄弟ブログ「幸兵衛の小言」の2018年12月5日の記事で、この人がとんでもないことをしていることをLITERAの記事から紹介した。
2018年12月5日の「幸兵衛の小言」
彼の資金管理団体「素淮会」の収支報告書によると、愛人として週刊誌で報じられた女性がママをつとめる六本木の会員制サロンを経営する有限会社に対して、2017年だけで年間合計792万円も支払っているのだ。原資の一部は政党交付金、つまり国民の血税である。
馴染みの店のママに泣きつかれたからの発言か、と思いたくなる。
この人の行動制限の効果を疑う話を、都合よく解釈する人もいるだろう。
天下の副総理が言っているのだから。
この発言は、自粛疲れなんて言葉を使い、感染対策を怠り、周囲に迷惑をかけることを煽ることにつながる。
私は、先日、ある中華料理店に久しぶりに行ったが、緊急事態宣言の出ている地域にもかかわらず、昼間から酒を出している。
近くのテーブルで、30歳代と思しき男二人が大声で話しながら、生ビールを飲んでいたので、早々に退散した。
また、各地域で、久しぶりに感染者数がxxx人を下回る、などの報道も目立つが、実に危うい報道だ。
そもそも、とんでもない水準で、病床使用率も、感染者数も多かったのであり、まだまだ、危険水域を脱していないのだ。
朝日の特設サイトで確認すると、一年前の9月19日、全国の感染者数は、591名、死者数は、4名だった。
くどいようだが、全国合計である。
そして、緊急事態宣言も出されぬまま、その後、年末に向けて人出も増え、年明けに第四波となり、緊急事態宣言発出となった。
今、気を抜いたら、乾燥し換気のしにくい冬、第六の波は、必ずやって来るだろう。
一年前と現在の、10万人当たり一週間合計の感染者数(左)、病床使用率(右)も並べてみる。
文字通り、桁が違うのである。
今ようやく緩和傾向にある第五波は、きわめて深刻な状況だったのが、ワクチン効果や自粛効果も重なって、なんとか、危機的状況を脱出しかけているのだと思うが、行動制限緩和を急ぐと、また、元の木阿弥だと思う。
昨年の秋、全国で1000人にも達しない感染者数だったのに、年明けには第四波が襲ってきた理由は何か。
麻生副総理のような、感染対策の基本を認識しない人が多かったからと、私には思われてならない。