青山透子著『日航123便墜落 疑惑のはじまりー天空の星たちへー』(河出文庫)より(9)
2021年 08月 28日

青山透子著『日航123便墜落 疑惑のはじまりー天空の星たちへー』
7月に発行された、青山透子さんの第一作の文庫版『日航123便墜落 疑惑のはじまりー天空の星たちへー』から九回目。
本書は、最初マガジンランドから2010年に『天空の星たちへー日航123便 あの日の記憶』として発行され、2018年に河出書房新社から復刻版が単行本として発行されていた。
引き続き、「第二部 エマージェンシー 墜落か不時着か」の「第四章 プロフェッショナルとはなにか」から。
運輸省の事故調査委員会による第二次中間報告で、九月六日付に突然発表されたニューヨーク・タイムズ紙によるボーイング社の隔壁修理ミス説を主力として公開された後のこと。
これを受けて各新聞や雑誌では、
「ボーイング社は、世界中を飛んでいるたくさんのジャンボジェットの構造にミスがあるのではなく、悪いのはあの修理ミスを行った一機のみであるとしたくて発表したのだろう」
とか、「わざわざ弱いところを作るような修理をしたとは、信じられない。あれほどひどい修理をよく日航はだまって通したと思いますよ」という意見があり、さらに、
「事故調にお願いしたいのは、単なるつじつま合わせではなく、事故原因を突き詰めてもらいたい。今後に役立つようにしてほしいということだ」
などの声が上がった。
後部圧力隔壁ー。
毎日、昼夜を問わず世界中の空でフライトしている私を含めた乗務員たちの目にも、お客様の目にも、直接見えない場所にそれがある。さすがに私もそのものを見たことはなく、通常の整備中にものぞいて見えるものでもない。
新聞写真では、むき出しの圧力隔壁が四方八方にひび割れている姿であった。
事故現場で生存者救出の際や遺体を収容するためにカッターで切った部分も、激突した時にひび割れたであろう部分も、金属疲労でひび割れたという部分も、すべてごちゃごちゃの状態で、ビリビリに割れている無残な姿が、「これが原因だ!」というように写っていた。
墜落事故から約二年後の1987年6月19日、最終事故調査報告書が、橋本龍太郎運輸大臣に提出された。
やはり、事故機が1978年6月2日に大阪空港で胴体後尾部を滑走路にこすった際にボーイング社が修理し、その修理ミスを起因とした後部圧力隔壁が、疲労亀裂となって破壊されて急減圧が生じ、垂直尾翼を突風が吹き飛ばしたというものであった。
日航側もその修理ミスを見逃したということで責任を指摘された。
報告書のほとんどは修理の際にミスをした断面図や隔壁の状況説明である。
国土交通省サイト内の運輸安全委員会「日本航空123便の御巣鷹山墜落事故に係る航空事故調査報告書についての解説」のページから、事故報告書や付図、写真などをダウンロードできる。
運輸安全委員会「日本航空123便の御巣鷹山墜落事故に係る航空事故調査報告書についての解説」ページ
報告書に添付された最初の八枚の隔壁写真がこれだ。


ネットで隔壁の写真を捜した。
時事ドットコムに、「日航機事故 写真特集」があり、復元された圧力隔壁、という写真もあったので、借用した。
時事ドットコムの該当記事

写真のキャプションも引用したい。
復元された事故機の与圧隔壁(東京都三鷹市・科学技術庁航空宇宙技術研究所分室)。
1985年8月12日午後6時12分に羽田空港を離陸した大阪行き日本航空123便が同24分ごろから操縦不能に陥り、約32分間の迷走の末、同56分、群馬県上野村の山中に墜落した。乗客509人、乗員15人のうち4人は救出されたが、520人が死亡、単独機の事故では世界最多の死者となった。運輸省(当時)航空事故調査委員会は、墜落より7年前に発生した尻もち事故の際、ボーイング社が行った修理にミスがあり、それが原因で客室と機体尾部を隔てる後部圧力隔壁が破壊され、事故が起きたと認定した(1985年09月18日) 【時事通信社】
この写真、キャプションの使用は、時事通信社の許諾を得ていない。
時事ドットコムでは、「著作権・免責」について、こう記載している。
著作権・免責
著作権について
時事通信社が時事ドットコムなどインターネット上などで提供しているすべての記事、写真、データ、グラフィックス、資料等のコンテンツは著作権法上の著作物に当たるほか、ページ全体(レイアウトやデザインなど)も同法により編集著作物として保護されています。
これらの著作権(編集著作権)は時事通信社または外部の情報提供者に帰属しており、著作権者の許諾なしに、各ページやそのコンテンツの全部または一部を複製、翻訳、翻案、引用、公衆送信、放送、蓄積、頒布、販売などをすることはできません。
著作権法は、「私的利用のための複製」および「引用」を認めています。ただし、その場合の私的利用とは、家庭内に準ずる限られた範囲内を指し、企業その他の団体で業務上利用するために著作物を複製することはできません。引用も、報道、批評、研究などの正当な目的のために、正当な範囲内で行うことが求められており、引用する必然性に加え、質的にも引用先が「主」、引用部分が「従」でなければならないなど、いくつかの条件を満たす必要があります。これらの範囲を超える複製、引用は著作権者の許諾が必要です。
他のホームページへの転用のほか、多数を対象に電子メールで送信することは公衆送信に当たり、著作権者の許諾なしに行うことはできません。非営利目的、個人の行為であっても例外ではありません。
記事内容の要約も著作権法上の翻案に当たる場合があり、著作権者の許諾が必要です。
果たして、拙ブログでの引用が、著作権法で認める「私的利用のための複製」に該当するかどうか、私には分からない。
しかし、この記事での引用に必然性があり、決して、販売などの不正な目的ではないことは断っておきたい。
隔壁は、生存者救出と遺体の収容のため、カッターで分断されていた。
破断されている部分がカッターによるものか、墜落の衝撃かも分からない。
この隔壁の写真から、破裂した痕跡が分かるのだろうか。
そして、青山さんがフライトレコーダーやボイスレコーダーから、急減圧のための緊急降下がなかったことへの疑問を提起しているが、そのことは、まったく振り返られていない。
生存者の方に鼓膜の異常もなければ、突風で物が飛び散ったという証言もない。
やはり、事故調査委員会の結論には、いくつもの疑問がつきまとう。
