棋聖戦第二局に感じた、藤井聡太二冠、王者の風格。
2021年 06月 20日
一昨日18日、将棋棋聖戦の第二局があった。
Abemaテレビで、後半を観ていたが、藤井二冠の貫禄とでも言える強さを感じさせる一局だった。
結果は広く伝わっているが、日刊スポーツから引用。
日刊スポーツの該当記事
藤井聡太棋聖“魔王”に連勝、持ち時間5分から最善手連発で逆転
[2021年6月18日20時45分]
将棋の最年少タイトルホルダー、藤井聡太棋聖(王位=18)が現役最強とされる渡辺明名人(棋王・王将=37)の挑戦を受ける、「第92期ヒューリック杯棋聖戦5番勝負第2局」が18日、兵庫県洲本市の「ホテルニューアワジ」で行われ、先手の藤井が171手で渡辺を破り、2連勝で史上最年少防衛と史上最年少九段に王手をかけた。第3局は7月3日、静岡県沼津市「沼津御用邸東付属邸第1学問所」で行われる。
◇ ◇ ◇
終盤に入り、藤井の持ち時間は残り5分。一方の渡辺は残り40分。ここから藤井が最善手を連発。一気に形勢を逆転させた。現役最強と言われる渡辺が、何度も首をかしげ、扇子をあおぐ。最後は持ち前の終盤力で大熱戦を制した。
大舞台でも真っ向勝負を挑んだ。先手番の藤井が選んだのは第1局と同じ飛車先の歩を突き合う相掛かり。序盤に交換した角を5六角と「筋違い角」を放った。終局後、藤井は「あまり類型がない形の将棋でバランスを取るのが難しかった。そこが課題だったかなと思います」と振り返った。 序盤から激しく駒がぶつかった第1局とは異なり、中盤戦はじりじりした「神経戦」が繰り広げられた。持ち時間各4時間。藤井は中盤に入るまで3時間以上、惜しみなく時間を使った。一時は渡辺との持ち時間で1時間以上の差が開く。“魔王”と呼ばれる渡辺の巧みな戦術を駆使し、ミスを引き出す「時間攻め」にも屈しなかった。
残り5分から、一分以内に指していたため、藤井の残り時間は減らなかった。
これが、76手までの藤井二冠残り5分の状態。渡辺名人は、38分残している。
AIの勝敗予想は、まったくの互角。
渡辺名人の矢倉と比べ、藤井棋聖の王は、最初の5九の位置から動いていない。
居玉と言って、これは、将棋を少しでも知っている人なら、居玉は相手の攻めに弱く避けるべき、というのがほぼ常識。
周囲の守りも、なんとも心細く見えるのだが、それは素人の何とやら。
次が、91手目までだが、ご覧のように、藤井棋聖の残り時間は、5分から変わっていないのだ。
藤井棋聖が優位になり、渡辺名人が、時間を使っていることが、明白。
この後も、最善手を打ちながら渡辺名人の持ち時間を削らせ、私も驚いた123手目の、5四銀だ。
AIも、大盤解説者も、気が付かなかった手。
この手で、頭をひねった渡辺名人の姿が、印象深い。
残り時間は、ほぼ同じになっている。
この後、藤井棋聖が優位に進め、155手目の7六角で、大勢はほぼ決した。
藤井棋聖の残り時間は、あと2分から、なかなか減らなかったのに対して、渡辺名人は、一分将棋になってしまった。
さて、167手目の、懐かしい(?)3一銀。
藤井棋聖の二手後2二金で渡辺名人が投了。
五番勝負の棋聖戦は、昨年、立場の違う同じ二人によって争われた。
挑戦者だった藤井聡太が二連勝のあと、一つ返されたが、第四局で決着をつけた。
今年の日程と対局場所を、日本将棋連盟サイトから拝借。
日本将棋連盟サイトの棋聖戦のページ
第一局の圧勝、そして、第二局の長期戦の両方を勝利した藤井棋聖に、スキが見えない。
現役最強と言える渡辺三冠に対し、堂々の連勝には、王者の風格すら感じた。
沼津で決着がつくこともありえる、そんな強さを感じた一局だった。