Number 1018「藤井聡太と将棋の冒険。」より(9)
2021年 01月 30日
Abemaから拝借した投了の映像。
Abematテレビの該当番組

竜王戦は、1組から6組までに分かれたランキング戦の勝者が、各組に割り当てられた人数だけ決勝トーナメントに進出する方式になっていて、藤井二冠は現在2組に位置する。
現在所属の2組のトーナメント表を日本将棋連盟サイトから拝借。
日本将棋連盟サイトの該当ページ

次の対局は広瀬八段。
この組には、渡辺名人もいるのだ。
竜王戦の仕組みを、Wikipedia「竜王戦」から拝借。
Wikipedia「竜王戦」

藤井二冠は、この6組から3組までを四期連続で優勝し、決勝トーナメントに出場してきた。
五期連続優勝となるかどうか、興味深い。
さて、そんな藤井二冠のことを、あの雑誌から。

「Number 1018」の将棋特集からの9回目。
やはり、この人のことを取り上げないわけにはいかない。
「証言で振り返る一年 18歳の大志。」の章から、藤井聡太二冠について。
書き手は『将棋世界』編集者の大川慎太郎。
大見出しの後、こう書かれている。
どこまでいっても頂点ということはありませんー。
棋界が生んだ若き英雄は、二冠を奪取したのち、こう言った。
熱狂の一年は未踏の高みへの第一歩に過ぎないのかもしれない。
彼が大舞台で見せた異次元の戦いを、棋士たちの言葉で回想する。
ということで、昨年の棋聖戦、王位戦についての他の棋士の言葉を中心にこの章は構成されている。
言葉を選ぶ数秒は、あの夏の出来事を反芻するための時間だったのかもしれない。
2020年の夏、藤井聡太が史上最年少二冠を達成した2つのタイトル戦について棋士たちに尋ねると、最初の言葉を発するまでに、必ず少しの間があった。
棋聖戦では渡辺明、王位戦では木村一基というトップ棋士2人を相手に、合わせて7勝1敗。しまも8戦とも、棋士の目から見ても驚異的かつ劇的な内容だった。
ということで、まず、棋聖戦で立会人を務めた深浦康市の言葉が紹介されている。
棋聖戦第一局の、あの一手を深浦の言葉とともに振り返る。
93手目、盤上に閃光が走った。
▲1三飛成ー。
藤井は玉の次に大事な飛車を捨てて敵玉に迫ったのだ。
「いくらなんでも指しすぎだろう」
盤を挟んでいた渡辺も藤井の信じ難い踏み込みに疑念を抱いたが、心中の黒雲はすぐに消えた。自玉はあっという間に包囲されたのだ。盤上の景色がガラっと変わったことにショックを受けたが、このままでは終われない。渡辺は藤井玉に王手の連続で迫った。AIの無機質な評価値は藤井必勝を示していたが、深浦は「観ていてこれほどハラハラドキドキした将棋は珍しい。人間にはどう見ても際どかった」と証言する。
だが藤井は一人、自玉に詰みなしと見切っていた。16手連続の王手で肉薄した渡辺は静かに頭を垂れた。
「度肝を抜かれました」
この深浦のセリフが本局のすべてを表している。とてつもない何かが起こるのではないか、という予感。将棋に関わる全員が、この夏の結末を思い描き始めていた。
あら、昨日の竜王戦の終局と同じ93手か。
竜王戦のことを書いたため、今回はこれにてお開き。
次回も、この章から藤井二冠の昨年の活躍を振り返る。
