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Number 1018「藤井聡太と将棋の冒険。」より(3)

 雨で日曜恒例のテニスは休み。

 ということで、王将戦を、じっくり楽しむことができる。

 王将戦の第二局、二日目が始まった。
 毎日新聞の特設サイトから、昨日の封じ手までの盤面を確認。
毎日新聞の特設サイト

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 五十七手の▲6一桂成が、先手永瀬の封じ手だった。
 
 その後の戦局も、まだ、どちらが優位とは言えない状態。

 では、渡辺明王将に挑んでいる棋士について。

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 「Number 1018」の将棋特集からの三回目。
 引き続き「求道者の素顔 生命としての将棋。」から、永瀬拓矢王座のこと。
 筆者は、ルポライターの高川武将。

 さて、いろんな習い事をしても、人並みにできない小学生の永瀬少年は、祖父に手ほどきを受けた将棋に、自分の進む道を見出した。
 
 磯子の道場に通い、その後奨励会入り。

 『大山康晴全集』に載っている2200局を10回は並べた。
 振り飛車党の大山の棋譜を学ぶことで、当然、振り飛車党となった。

 17歳で四段昇格、プロの道に入った。

 当初は目標は持てなかった。トップ棋士と対局の機会もなく、自分との差がよくわからない。新人王戦でアマチュア棋士に負けた直後、振り飛車党の大先輩、鈴木大介九段から、「プロなら絶対にアマに負けてはいかん!」と叱責を受ける。それが心に響いた。
「プロでもアマに負けることはある。でも、絶対に勝つという気概でやらなければいけない、ということだと解釈しました。その覚悟が感じられなかったんでしょうね。人生の大きな分岐点でした。感謝してます」


 鈴木大介九段は、故大内延介門下で、現在は、藤井聡太二冠と同じ順位戦のB級2組の棋士。東京出身の46歳。

 永瀬は、すぐに鈴木にVS(直接の対局)を希望した。最初は断られたが、その後、週に三日もVSをするようになった。
 永瀬は毎回、頼まれてもいないのに鈴木の対戦相手を100局は調べて分析し、戦型や変化を伝授し続けた。「まだ超一流棋士と対戦できない自分でも、疑似体験できる」というのが理由だ。単なる軍師ではなく、将来のシミュレーションをしていたのだ。その鈴木から「世界観を広げたほうがいい」と助言され、'13年に居飛車に転向、大躍進につながる。後に永瀬は「自分の棋士人生は鈴木先生に頂いたもの」とまで公言している。
 '16年、羽生の持つ棋聖に初挑戦。2勝3敗は大善戦だったが、このとき永瀬は自分の将棋にある欠点を痛感した。

 その欠点とは、何か。

 磯子の道場の後、永瀬は蒲田将棋クラブへ日参した。
 そのクラブで、アマチュアの強豪たち相手に腕を磨いた。
 
 その数、年間1万局。プロになるまで5年は続いた。結果としてある癖が身についていた。それを永瀬は「毒」と言う。
「アマとプロでは将棋の質が違います。アマの将棋は負けにくいけど、剣の先端が欠けているので相手を斬れない。泥仕合になりやすいんです。アマは泥仕合こそ本領ですけど、プロの超一流棋士には通じない。捨てなければいけない。自分にとっては毒でした。ただ、毒を抜くのは大変で・・・・・・まだ抜け切れていないんです」
ー久保九段が言ってました。永瀬さんの将棋は人を狂わせる。優勢なのに粘る、と。
「それが毒です(笑)」
ーなぜ、リードしてるのに攻める手を指さないんですか。
「それは企業秘密です(笑)。ただ、狂わせようという意図はないです。常にベストを指している。永瀬AIではベストなんです」
ーその毒が粘り強さにみなっている。
「そうなんですかねぇ・・・・・・。自分は将棋は終わらないものだと思ってたんですよ。お互いがベストを尽くし合えば、膠着状態が続いて、相手が入ってきた瞬間に斬るみたいな。でも、将棋は終わるらしいですね。最近は終わるものという感覚になってきました。ただ、膠着状態が続くのが理想です」
ー今、何が欲しいですか。
「強さです。強さが欲しいです」

 その強さを得るために、永瀬は貪欲に一流棋士から学ぼうとしてきた。

「居飛車党となってからは佐藤天彦九段にも長いこと将棋を教えて頂いて。('17年の春からVSをやっている)藤井二冠からは将棋に取り組む姿勢と強さを教えて頂いています。どこまでいっても、目標となる人、強い人が現れ続けるのは、幸せで、ありがたいことです。」

 聞き手の高川は、対談場所のホテルから駅に向かう途中で、永瀬にとって将棋とは何か、と尋ねた。

 永瀬は、「何でしょう・・・・・・」と言ってから長考に入った。

「宿題にしましょうか」と冗談交じりに言うと、何か言葉を発したが、車の音で聞き取れなかった。
ーえっ? 何ですか・・・・・・?
 そう聞き返すと、今度ははっきりと聞こえる声でこう言った。
「生命(せいめい)です」
 表情一つ変えずに、永瀬はそう言った。

 なるほど・・・・・・。

 気になる王将戦第二局は、60手まで進んで、お茶の時間になった。
 
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 後手、渡辺王将の△7一金打ち。


 もし、先手永瀬が▲6二金と打つと、千日手の可能性が高かった。

 ▲7三歩成が予想される中、ティータイム終了後、永瀬は▲6一金と飛車取りに出た。

 後手渡辺が同金と応じた、これが62手目まで。

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 これは、目が離せなくなった。

 ということで、ややあわただしく、今回はお開き。

 将棋は生命、と語る永瀬王座の健闘ぶりを、CSの「囲碁・将棋チャンネル」で見なくちゃ。
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by kogotokoubei | 2021-01-24 10:57 | 今週の一冊、あるいは二冊。 | Trackback | Comments(0)

あっちに行ったりこっちに来たり、いろんなことを書きなぐっております。


by 小言幸兵衛
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