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森達也著『FAKEな日本』より(4)

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森達也著『FAKEな日本』(角川文庫)

 森達也の『FAKEな日本』から四回目。
 同文庫は、2017年に単行本『FAKEな平成史』として発行されたものを改題し、加筆修正したもの。
 師走の12月25日に発行。

 「第二幕 差別するぼくらニッポン人ー『ミゼットプロレス伝説』」より。

 ここでのインタビューの相手は、NHKのEテレで『バリバラ』という番組のチーフ・プロデューサーを務める日比野和雅。
 森と一緒の聞き役になるのは、角川の編集者の岸山。

 先に『バリバラ』について、Wikipediaからご紹介しておく。
Wikipedia「バリバラ〜障害者情報バラエティー〜」

概要
「日本初の障害者のためのバラエティ番組」と銘打ち、障害者自身が(時には自らの障害をネタにして)笑わせることを目指した番組である。

 この番組の始まりは、NHK Eテレにて毎週金曜日に放送されていた、障害者向け福祉情報番組『きらっといきる』の2010年(平成22年)4月30日放送分から毎月最終週に放送されていた『バリバラ〜バリアフリーバラエティー〜』と題した企画である。現在の番組名はサブタイトルにもあった「バリアフリーバラエティ」の略。

 そもそもは、2009年(平成21年)春の『きらっといきる』のスペシャルにおいて、報道機関やマスメディアでの障害者の描かれ方が、『一生懸命頑張っている障害者の部分を一面に強調しすぎて画一的である』という「障害を抱えている視聴者からの苦情」を、テーマとして取り上げたことがきっかけになっている。

 この企画を立ち上げるに当たり、チーフプロデューサーを務めている日比野和雅は、「『きらっといきる』の中で障害者の等身大の姿を、どのように伝えるか模索してきた結果、これまで描かれなかった障害者のエンターテインメント性を打ち出したバラエティーに挑戦することにした」と語っており、障害(者)を笑うのではなく、障害者と一緒に笑いあいながら、バリアフリーを考える番組を目指した。

 私は名前しか知らなかった。
 本書で革新性を知り、驚いた。

 この番組に大きな話題を提供した、2016年の夏のことが書かれている。

  反響を呼んだ「感動ポルノ」批判

 2016年夏、その「バリバラ」が大きな話題になった。毎年恒例の「24時間テレビ」が日本テレビで放送されている同じ時間帯に、「24時間テレビ」に対しての“挑発”を、生放送の番組内で行ったのだ。以下はオンエア当日である2016年8月28日に配信されたJ-CASTニュースからの引用だ。

   「Eテレが本気出してる。「バリバラ攻めすぎでしょ」-視聴者からそんなツイートが
   相次いだのは、日本テレビの「24時間テレビ」の裏番組として、NHK Eテレが2016年
   8月298日に放送した「バリバラ」(19時00分~30分)だ。
    24時間テレビをパロディー化して笑いのめしながら、障害者と「感動」の具とする
   「感動ポルノ」に、障害者自身も含む出演者たちが異を唱える。そんな野心的な内容は、
   ツイッターで番組名が「トレンド」に入るなど、大きな反響を呼んでいる。(中略)ツ
   イッターで多くつぶやかれた言葉を集計するYahoo!リアルタイム検索では20時台、
   「バリバラ」が三位、「感動ポルノ」が四位など、24時間テレビを上回る順位をキープ
   していた。

 このとき「バリバラ」のスタジオMCは、ラジオDJの山本シュウと、トランスジェンダーのモデルであるIVAN、その横に並ぶレギュラー陣は、脳性麻痺の玉木幸則と、先天性四肢欠損症の岡本真希、そして車椅子に乗って酸素マスクをつけた大橋グレースは多発性硬化症だ。他にゲストとして、構成作家の鈴木おさむと芸人のカンニング竹山が、パネラー席に座っている。

 この番組を見なかったことを、大いに後悔。

 「24時間テレビ」は、愛は地球を救うという言葉も含め、大嫌いだ。

 芸能人を走らせる企画、そして、わざとらしい障害者をテーマとしたドラマも、そういうことをしていることは知っているが、観る気になどなれない。

 偽善番組の最たるもの。

 出演者はギャラもらってるんでしょ。

 そんなの、チャリティでもボランティアでもない。

 しかし、そんな偽善的な内容をパロディ化してしまう番組を、Eテレが作っていたなんて、思いもしなかった。

 森は、この番組の革新性について、こう書いている。

「バリバラ」のこの試みの凄さは、特にテレビ業界人なら、誰もが実感するはずだ。そもそもパロディ以前に、日本のテレビ番組で他局の放送について触れることは、基本的にはタブーなのだ。ところが「バリバラ」は触れるというレベルにとどまらず、サブタイトルの「笑いは地球を救う」が示すように(「24時間テレビのサブタイトルは「愛は地球を救う」)、徹底して揶揄する。批判や糾弾ではない。あくまでパロディなのだ。でもただのお笑いで終わらせない。障害者に対する「感動をありがとう」「勇気をありがとう」的なテレビの作りに対して、果敢に違和感を表明している。しかも一般的には最もお行儀がよいと思われているNHKだ(補足するが、NHKは「バリバラ」に限らず、最もラジカルな試みをする制作者たちが集まっている放送局だ)。

 そのNHKの制作陣にあって、この番組を手がけた日比野は、森の質問に答える中で、こう語っている。

「『あすの福祉』を手伝いながら、本当に面白くなかったんです。障害者福祉には知識も関心もなかったので先輩からアドバイスされて、脳性麻痺の人たちの団体を訪ねました。施設に着くと同時に彼らに囲まれて、『こんな番組なんですけど』みたいな軽い口調で説明したら、いきない強い口調で『おまえは障害者問題を何と考えているのか』と詰問されて、しどろもどろになりながら、頭で考えたことよりも感じていることを正直に口に出したほうがいいかなと思って、問題以前に障害者についてはほとんど何も知りません、みたいなことを言ってしまった。でもそこから始めることができた。それが最初です。障害を持つ人たちは怖いけれど面白いなって、そのときはドキドキしながら思いました」
「面白い、ですか」
 僕は念を押した。「面白いは不謹慎でした」などの返答を予想しながら、でも日比野は動じることなく、ゆっくりと「面白い、です」とくりかえした。「最初のその番組では、BBCで福祉番組を担当してきたプロデューサーを呼んで、日本の障害者とディスカッションするというコーナーも作りました。車椅子のプロデューサーです。僕は日本の付き人みたいなポジションで、いろいろBBCのVTRを観せてもらったのだけど、その多くが、いわゆるブラックユーモアに富んだ映像だったんです」
「BBCは以前からそうした番組を放送していましたね」
「例えばこんな映像がありました。いろんな障害を持つ人たちが横に並んで、ハンマーで煉瓦塀を叩き壊すんです。前後の脈絡は覚えていないけれど、この映像は鮮明に覚えています。当たり前だけど、障害の程度や種類によって壊しからが違う。あるいは目の見えない人が肢体不自由者を乗せた車椅子を押している映像とか、要するにモンティ・パイソン的な内容です。そうした映像を観せてもらいながら、また『これ、面白い!』と思ったんです。少なくともNHKがオンエアしている福祉番組の映像より、テレビ的には絶対にこっちが面白い」
 面白い。これは日比野のキーワードなのかもしれない。

 BBCの先進的な番組は、ラジカルなNHK制作陣の良いお手本を示しているのかもしれない。

 今回は、これにてお開き。
 次回も、同じ幕からご紹介する予定。

 ちなみに、ミゼットプロレスとは、あの、小人プロレスのこと。

 森達也が取材した彼らの声などもご紹介するつもり。


 さぁ、これからバイトだ。
 12日から20時閉店になる。本来は23時。
 アルコールは缶ビールと缶ハイボールしか提供していないが、それも今日から出さない。

 Wワークで年金ももらっている私などは閉店でもいいと思っている。
 しかし、この店を経営する会社がしっかり休業手当を払うとはいえ、このバイトが収入の中心で社会保険を払っている人もいるし、夜のシフトが中心の人もいる。やはり、影響は小さくはない。

 しかし、バイト仲間は皆、感染拡大を止めることが優先することを十分理解している。
 
 手洗い、アルコール消毒など、これまで同様に感染対策を怠らないようにしよう。
 
 それにしても、新宿区が中止したとはいえ、横浜などは成人式を開催するという。
東京新聞の該当記事

 県や国が、市町村任せで管理していないというのは、緊急事態宣言下で信じられない狂気の沙汰。

 緊張感と倫理観を奪うガースーウイルスの蔓延だ。

 あるべき感染拡大阻止の施策は、ステージ4はロックダウン、ステージ3が緊急事態宣言、と私は思っている。

 少なくとも緊急事態宣言下の地域は、昼間だって不要不急の外出は避けるべきで、自治体は、成人式など中止が当然ではないのか。

 まさに、FAKEな日本、である。
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by kogotokoubei | 2021-01-09 10:27 | 今週の一冊、あるいは二冊。 | Trackback | Comments(0)

あっちに行ったりこっちに来たり、いろんなことを書きなぐっております。


by 小言幸兵衛
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