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今年のマイベスト五席(2)

 さて、ネットの落語、鈴本チャンネルの高座のマイベスト候補を振り返る。
 といっても、全て応援チケットを買った、鈴本チャンネルの高座だ。

今年のマイベスト五席(2)_e0337777_09533064.jpg


 このネット配信が始まるということを書いた記事には、その時に鈴本のサイトにある案内を紹介した。
2020年6月2日のブログ
 これが、その内容。

-鈴本演芸場チャンネル インターネット生配信寄席-
■️インターネット無料生配信のお知らせ
休席中の6月の土日を利用し、新型コロナの影響で公演中止になった15公演を寄席興行の形でYouTube内『鈴本演芸場チャンネル』にて無料生配信いたします。
■️芸人応援チケットのご案内
今回『芸人応援チケット』を¥1,000/枚で何枚でもご購入頂けます。ご購入は任意ではありますが、こちらの売り上げを今回の生配信出演料に充てさせていただきますのでお客様のご支援をお願いいたします。
ご購入時の手数料は無料となっている他、鈴本演芸場再開後こちらのチケットをお持ち頂くとご入場料金が¥500引きになる割引券としてご利用いただけます(特別興行は除く)。
■️アーカイブ視聴について
7月31日まではアーカイブとしてYoutubeチャンネル内にて無料でご覧いただけると共に芸人応援チケットの販売も継続して行います。

 ということで、応援チケットを買っていなくても、7月までそれらの配信を確認することはできたのだが、私のマイベスト候補は、あくまでチケットを買った日に限ることにした。

<ネットの落語の候補>

1.古今亭菊丸『祇園会』
>鈴本チャンネル 昼の部 6月6日
2020年6月7日のブログ
 ブログには、こう書いていた。
 初めてネットで寄席を経験し、初めて菊丸の落語を知った人も多いだろうが、彼を知らしめることができたことだけでも、このネット寄席の意義がある、とまで昨日生で聴いて思っていた。
 京者の、あのいやらしい笑い方、対する江戸っ子の啖呵。祭囃子や笛、太鼓。
 二年前、『片棒』をマイベスト十席に選んでいるが、同じように、噺家の引き出しの多さ、高度な芸が要求されるネタを、見事に聴かせ、見せてくれた。
 この噺では、円太郎も悪くはないが、一朝とこの人は双璧ではなかろうか。
 書いている通りに、今でも思っている。
 あまり使わないようにしている言葉なのだが、本寸法の高座。

 ずいぶん前に、この噺について書いた。
2009年7月4日のブログ
 その記事で書いたように、江戸っ子が祇園祭の時京都の茶屋で居合わせた京者が、いつしか京都の自慢話を始め、「王城の地だから、日本一の土地柄だ」と自慢する。その際の「ワァー、ハー、ハーッ」という間延びした笑いが、短気な江戸っ子をいらつかせる。ついに京者が、江戸を「武蔵の国の江戸」ならぬ「むさい国のヘド」と言うに至り、江戸っ子は“切れる”。江戸っ子は、京都の町の面白くないところをことごとく上げて反論していく。そしてこの噺のヤマ場に向かう。
 江戸と京都の祭りのどっちがいいかという話になり、二人は祭り囃子や神輿の情景をそれぞれ言い合って譲らない。
  京者が祇園祭の囃子を「テン、テン、テンツク、テテツク、テンテンテン・・・
  ・・・」とやり、対抗して江戸っ子は「なんて間抜けな囃子だい。江戸は威勢
  がいいやい。テンテンテン、テンテンテンツクツ、ドーンドン、ド、ド、ドン、
  テンツクツ、テンツクツ・・・・・・」とやり返す。
 二人のお国自慢合戦はまだ続くが、この東西の祭りの違いを二人に掛け合いさせる内容は、実に比較文化学(?)的にも、よく出来ていると思う。
 もちろん、そういうネタだから、演者の技量の高さが求められる。
 もっと評価されて然るべき古今亭菊丸、とあらためで思わせた高座だった。
 
2.春風亭一朝『井戸の茶碗』
>鈴本チャンネル 昼の部 6月14日
2020年6月14日のブログ
 この日は、『祇園会』を正朝がけけていた。そうそう、あの人も、十八番にしているねぇ
 ということで、何をかけてくれるかと思ったら、この噺。
 こう書いていた。
 講談『細川茶碗屋敷の由来』を、初代春風亭柳枝が落語のネタにしたとされる。
 とにかく、悪人が一人も登場しない、ということからも、この人に相応しいような気がする。
 正直者の屑屋さん清兵衛、真っすぐな性格が災いして浪人暮らしの千代田卜斎、これまた若く一本気の正義感、高木作左衛門、この三人を見事に演じ分ける。そして、仏像、そして、茶碗と同じようなやりとちが続くので、ともすれば、ダレる中盤もしっかりと引き締め、まったく間延びしない。
 アーカイブで前日の『蛙茶番』も聴いたが、こちらの方がネタとして好きだなぁ。
 このネタは、私が酒の勢いで仲間内の余興でするネタの一つだが、実際にやると、その難しさがよく分かる。特に、清兵衛さんが卜斎と高木の間を行ったり来たりする場面は、演じる方もダレかねない。
 そこを、リズムよく、メリハリをつけて演じるという点において、一朝は、独自の境地を開拓しているように感じたものだ。

3.入船亭扇遊『一目あがり』
>鈴本チャンネル 昼の部 6月27日
*寄席の逸品賞候補として
2020年6月28日のブログ
 今年、聴きたかった噺家さんはいっぱいいるが、その中でも三本の指に入るのがこの人だ。
 今、もっともその高座で満足感の高い人と言っても良いのではなかろうか。
 こう書いていた。
 いいなぁ、こういう芸達者による、前座噺。
 私が余興でやるネタとして覚えようとしたが、諦めたことがある。
 結構、大変なのだよ、覚えるのが。
 たとえば、一休禅師の悟にしたって、「仏は法を売り、祖師は仏を売り、末世の僧は経を売る。汝五尺の身体を売りて、一切衆生の煩悩を済度す。柳は緑、花は紅の色いろ香。池の面に月は夜な夜な通へども水も濁さず影も止めず」なんて長台詞なのだ^^

 そうそう、結構、覚えるのが大変な噺。
 それを、当たり前だが覚えるの一歩、二歩先の次元のい高める。
 若手は、ぜひ、楽屋からこういう高座を見て聴いて、学んでほしいものだ。
 

4.古今亭志ん輔『幾代餅』
>鈴本チャンネル 昼の部 6月27日
2020年6月28日のブログ
 何度か聴いているが、この高座も良かった。
 こう書いている。
 長講。
 以前も聴いて、感心したことがあったが、良い意味で、変わらぬ魅力があった。
 清蔵の健気さ、幾代の大きな愛・・・二人の会話で、少し目が潤んた。
 親方夫婦の描写なども含め、人物描写も巧み。
 以前気になった、無駄とも思える間がなくなった。
 古今亭の十八番をしっかり伝える高座

 
 ブログを読み返して、なんとか、記憶も少しづつ蘇ってきた。

 さて、マイベスト五席、どれを選ぼうか・・・・・・。

 発表は、次の記事にて。
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by kogotokoubei | 2020-12-28 12:54 | 寄席・落語会 | Trackback | Comments(0)

あっちに行ったりこっちに来たり、いろんなことを書きなぐっております。


by 小言幸兵衛
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