日本が100人の村なら、たった1世帯のお金持ち年寄のわがまま。
2020年 12月 17日
繰り返しになるが、Go To トラベル中止は、あくまで通常に戻るだけのことで、本来は緊急事態を宣言すべき危機的状況だ。
そんな状況にも関わらず、Go To中止を発表したその日の夕方から会食をはしごし、二軒目では高価なステーキ屋さんで五人以上での会食。
同席したのは、いわゆる有名人たち。
ここで思うのは、“ガースー”のみならず、こういう席に出席する人たちと、我々庶民との間にある、大きな乖離のこと。
それは、今、大雪に見舞われている日本海側と太平洋側との例で言えば、こういうことだ。
私は、二十代に新潟市に一年、長岡市に六年暮らした。
いわゆる56豪雪も経験した。
会社から自宅のアパートに戻るのでさえ苦労したし、同じ会社には、積雪のため除雪車が来るまで家には入れず、ホテルに泊まった方もいた。
新潟時代、雪や吹雪の日に天気予報を見ては、「あぁ、太平洋側は晴れてるんだ・・・・・・」と、何とも言えない不公平感を抱いたものだ。
北海道生まれで高校まで育ったので、寒さには慣れてはいるが、日本海側の、夜中深々と降り朝方窓の外を見て驚く経験は、少し違う。
また、冬の雷は、新潟で初めて経験したと思う。
冬の間は、ほとんど晴れない。
なるほど、「裏日本」とはよく言ったものだと思った。
そういう豪雪地帯に住んだ経験のない人は、それほど冬や雪ということにネガティブな印象はないだろう。
でも、中には、スキーや雪だるまやカマクラだけではない、雪害による辛い暮らしに想像をめぐらす人もいるに違いない。
大切なのは、相手を思いやる気持ちであり、自分の狭い周囲だけで物事を判断しないことだと思う。
冬、日本海側での豪雪のニュースに接し、その暮らしが大変だろうと思うのか、それとも、それが嫌なら引っ越せばいい、とでも思うのか。
その心の持ち様により、それぞれの人々の乖離の差が出てくる。
そこで、今回の“ガースー”達の会食のことだ。
政治家、俳優、スポーツヒーローたちは、今、国民の多くがどんな苦しい生活を送っているか、想像する努力をしていない。
もし、日本が100人の村だったら、ということで、公益財団法人NIRA総合研究開発機構が、ユニークなレポート(研究報告書)を出している。
NIRA総合研究開発機構のサイト
2016年の統計に基づき2018年に発表されたレポートだ。
100人の住む世帯は42世帯。
収入別の世帯数を、世帯主の65歳未満と以上で表すと、こうなる。
年収 ~65歳 65歳~
~300万円 5 9
300万円~ 8 6
600万円
600万円〜 7 2
1,000万円
1,000万円~ 4 1
14日の夜、銀座で高価なステーキのディナーを一緒に味わった人たちは、世帯主65歳以上だろう。
当然、年収は1,000万を越えるに違いない。
彼らは、日本が100人の村だったら、42全世帯のたった1世帯しかいない、お金持ちの高齢者、ということだ。
それだけ恵まれた境遇にいる少数者であるということを、本当は認識すべきなのである。
全世帯のうち、半数以上の28世帯は年収600万未満であり、三分の一の14世帯は、300万未満。
数万円のディナーなど、とても口にできない人が、圧倒的多数の村なのだ。
政治家はもちろん、芸能界やスポーツの世界で名を上げた人たちは、それだからこそ注目を浴びるし、周囲の憧れでもあるはず。
若者や子供たちを含め多くの村人に夢を与える存在の人もいる。
そんな人々が、この時期に、そんな不要不急の忘年会で高価なディナーを楽しんだことを他の村人が知ったら、いったいどうなるのだろう。
日本村の人々は優しいので、暴動は起こらないかもしれない。
しかし、心の中は、怒りで燃え盛っていると知るべきだ。
あなたたちは、いろんな意味で普通の人ではない。
しかし、あなたたちが今の地位にあるのは、多くの普通の人たちの支援があったからではないのか。
政治家も、俳優も、アスリートも、他の人々が投票したり、観劇したり、観戦したからこそ、今の地位を得たのだろう。
もし、日本が100人の村なら、その村にたった一軒しかない裕福な世帯の住人として、もっと、村人に対し感謝の思いを抱き、気配りをすべきなのに、まったくそういう想像力が欠如しているのが、今の彼らの実態だ。
年寄りは、わがままになるものだが、彼らは、普通の年寄りではない。
コロナ禍の介護付き老人ホームで家族との面会も数カ月できず、外出もままならないので、認知症が進む年寄りでもなければ、何らかの病気や怪我で病んでいる年寄りでもない。
健康で、人並み以上に恵まれた年寄りたちだ。
そして、その立場上、行動や発言が、多くの人の目にふれることのある、著名人だ。
わがままを通す前に、コロナ禍で入院している人や心身とも疲労の限界にある医療従事者のことははもちろん、その日の食べ物にさえ窮する人々を思う気持ちが少しでもあれば、あんなことはしない。
村にたった一軒の裕福な高齢者の家に住んでいるのである。
昔なら、名主のような存在かな。
村人を指導したり、見本を自ら見せたり、金銭的に支援をしたりするからこそ、尊敬を得られる、そんな立場にいるはずだ。
今回のわがままな行動を、深く、海よりも深く、反省すべきである。
なかでも、“ガースー”は、即刻、四人以下だろうが、ホテルでの会食はやめるべきだ。
前任者でも、緊急事態宣言後、それ位のことはしたのではないか。
あなたに今言いたい言葉・・・Go To Home!
「努力すれば一人の生命を救える」というシンドラーは、もっと救えたはずだと残念がるのです。
