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命日に、フィル・ウッズを偲ぶ。

 五年前の9月29日、フィル・ウッズが旅立った。

 1931年11月2日生まれなので、満83歳だった。
 クリフォード・ブラウンの一歳下だったか。
 満25歳で交通事故で亡くなったブラウンと比べてはいけないだろうが、あの時代のジャズプレーヤーとしては長命と言えるだろう。

命日に、フィル・ウッズを偲ぶ。_e0337777_10035986.jpg


 岡崎正通さんと大和明さんによる『最新 モダン・ジャズ決定盤』から。

 推奨盤には、次の5作が並んでいる。

 ①『ミュージック・デュ・ボア』(Mus. 74.1)
 ②『アライブ・アンド・ウェル・イン・パリ』(Ode. 68.11)
 ③『ウッドロア』(Pre. 55.11)
 ④『ウォーム・ウッズ』(Epi. 57.9)
 ⑤『アット・ザ・ヴィレッジ・バンガード』(Ant. 82.10)

 年と月の前は、レーベル名の短縮形。
 MusはMuse、OdeはOdeon、PreはPrestige、EpiはEpic、AntはAntilles。
 ほとんど、略さなくてもいい短い名前^^

 岡崎さんは、こう書いている。

 フィル・ウッズは、チャーリー・パーカーの影響を受けている白人アルト・サックス奏者である。フィルの魅力は、黒人ミュージシャンに負けない、ヴァイタルでホットな吹奏にある。パーカーに憧れてニューヨークへ出たフィルは、ウェスト・コースト・ジャズがブームになって多くのミュージシャンが西海岸へ移っていったときにも、決してニューヨークを離れることがなかった。彼は60年代の後半になってヨーロッパへ渡り、ヨーロピアン・リズム・マシーンを結成して人気を得た。もちろんリズム・マシーンのプレイが悪いわけではないけれども、僕は心情的にもニューヨークでひたむきなプレイを続けている頃のフィルのほうが、いっそう好きだ。
 そんな50年代のフィル・ウッズのアルバムでは③と④の2枚にとどめを刺す。あくまでもパーカー・スタイルに追従しているが、いっぽうメロディ・ラインには白人らしい明るさも感じられ、何よりもフル・トーンで鳴り響く情熱的なアドリブ・プレイが大きな魅力になっている。前者での<スローボート・トゥ・チャイナ>や<ゲット・ハッピー>は、泉のごとく湧き出るフレーズの洪水であり、また後者には傑出したバラード演奏<イージー・リヴィング>が収められている。

 この後、同じアルト奏者ジーン・クイルとのコンビによるアルバムのことや、他の推奨作品のこと、また、それ以外のアルバムの紹介もされているが、私も、岡崎さんと同様、<ウッドロア>と<ウォーム・ウッズ>の50年代の2作品が、どとめを刺す、と思う。

 岡崎さんは、ジャズ以外の余計(?)なことは書いていない。
 よって、補足するが、フィル・ウッズを有名にしたには、ビリー・ジョエルの「素顔のままで(Just the Way You Are)」でのソロ演奏だろう。
 また、彼はチャーリー・パーカーの未亡人であるチャン・パーカーと結婚し、パーカーの遺児二人の継父となったことでも知られている。

 さて、2つのアルバムのどちらの、どの曲をご紹介しようか、悩む。

 <ウォーム・ウッズ>は、岡崎さんが指摘した曲も含め、すべて好きだ。


 しかし、岡崎さんが、“泉のごとく湧き出るフレーズの洪水”と形容した、<ウッドロア>の「スローボート・トゥ・チャイナ」をご紹介しよう。

 このアルバム、私が生まれた1955年の収録なのである。


「Woodlore」(Prestige)
1.Woodlore(Phil Woods)
2.Falling in Love All Over Again(Neil Hefti)
3.Be My Love (Sammy Cahn, Nicholas Brodszky)
4.Slow Boat to China(Frank Loesser)
5.Get Happy"(Harold Arlen, Ted Koehler)
6.Strollin' With Pam(Phil Woods)

パーソネル
Phil Woods - alto saxophone
John Williams - piano
Teddy Kotick - bass
Nick Stabulas - drums

収録1955年11月25日
Van Gelder Studio, Hackensack, New Jersey

 では、フィル・ウッズを偲んで、名演をお聞きください。


Commented by at 2020-09-30 06:43
『アライブ・アンド・ウェル・イン・パリ』
長年の愛聴盤です。
ダンモは難解さに味があるんですが、
このアルバムはすかっとした感じでドライブ時に最高です。
矢野顕子が「フリーダム・ジャズ・ダンス」について
「大好き、難しくて弾けないけど」と書いていたことを思い出しました。

Commented by kogotokoubei at 2020-09-30 12:52
>福さんへ

50年代好きの私にとって、ヨーロピアン・リズム・マシーンは、どうしても馴染めないのです。あしからず。
大学時代、ですから、70年代ですが、大学祭のイベントの一つとして軽音がフィルのコンサートを開催したので見に行ったのですが、私は、途中で退席しました。
私の知っているフィル・ウッズではなかった。
ですから、ベニー・ゴルソンが、未だに現役で日本でライブをしていても、行こうとは思わない。
すいません、ノスタルジーおやじで^^
Commented by at 2020-10-01 06:35
いえいえ、私も50年代のダンモとは味わいが違うことは承知しております。
20代の頃、ジャズに興味のない同世代の女性に紹介したところ、
とても喜んでくれました。

ゴルソンのブワブワという音色は好悪が分かれますね。
私は「サンジェルマンのジャズ・メッセンジャース」の
「ポライトリー」のソロが好きです。
Commented by kogotokoubei at 2020-10-01 08:51
>福さんへ

あら、なかなか艶っぽいお話^^

ゴルソン&フラーの59年の2作、Gone With GolsonとGroovin' With Golsonは、この二人を支えるレイ・ブライアントのピアノも好きで、愛聴盤です。

「サンジェルマン~」は上記アルバムの前、あの「Moanin」の収録後ですね。
当時のメッセンジャーズの映像を見ても、ゴルソンがブレーキーの信頼を得て、あのチームの大きな支えなっているのを感じます。

ぎりぎり50年代だな^^

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by kogotokoubei | 2020-09-29 12:36 | 今日は何の日 | Trackback | Comments(4)

あっちに行ったりこっちに来たり、いろんなことを書きなぐっております。


by 小言幸兵衛
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