やはり、天才なのかーNumber 1010「藤井聡太と将棋の天才。」より(2)
2020年 09月 19日

さて、二回目。
佐藤天彦(あまひこ)と中村太地(たいち)との対談から。
佐藤は九段、32歳。タイトル挑戦6回、名人を三期務めた。
「貴族」の愛称を持つ。なるほど、写真を見ても、ファッショナブル^^
中村は七段、32歳。学年は佐藤が早生まれなので、一つ下になる。
タイトル挑戦4回、王座を一期務めた。今年6月、YouTubeのチャンネル開設。
将棋盤を置いた縁側での対談。聞き手は、スポーツニッポンの伊藤靖子。
佐藤や中村が、藤井聡太の存在を意識したのはいつ頃なのか。
佐藤 詰将棋解答選手権を連覇していたので認識はしていたけど、この世界はプロでどれだけ結果を出せるかなので、奨励会時代に彼にどうという感慨はなかった。デビューして少しした頃、非公式戦で棋士七人を戦う企画がありましたね。
中村 『藤井聡太、炎の七番勝負』ですね。増田庸宏さん、永瀬拓矢さん、斎藤慎太郎さん、深浦康市先生、佐藤康光先生に羽生先生。私もメンバーの一人でした。
佐藤 そう。このトップ棋士たちを6勝1敗と次々になぎ倒しているのを見て「あ、この人は結構すごいのかな」と思い始めました。二年前の朝日杯将棋オープン戦で15歳の藤井さんと対戦したんですけど、その時点ではもうモノが違うのかなという予感がしていました。
この2017年の七番勝負の結果は、あまりにも衝撃的だった。
観戦記者の中には、もし2勝できれば素晴らしい、と言っていたはず。
増田康宏は前年度の新人王、永瀬拓矢は前年度の棋聖戦挑戦者、斎藤慎太郎は前年度勝率1位棋士、中村太地は紹介した通り、深浦康市は最上位A級在位の棋士、佐藤康光は説明するまでもなく永世棋聖で現将棋連盟会長、羽生善治は当時タイトル三冠保持中だった。
Abemaテレビの大胆な企画の結果、永瀬に敗れただけで最終戦の羽生を含めて6勝は、たしかに将棋ファン、そしてライバルの棋士たちに衝撃を与えた。
棋士でも惹きつけられる藤井将棋の魅力について、佐藤はあの音楽家を引き合いにする。
佐藤 普通なら芸術に必要なんは感性と感覚だと考えますよね、でも、彼は圧倒的な計算だと思います。音楽なら、どういう風に曲を始めるか、どう展開させるか、そろそろ聴く人が飽きてくるタイミングでどう終わらせるか、それは計算して先を見越していないとできません。モーツァルトも、藤井さんも、そこが一流の中でもさらに高いレベルにあるんじゃないかな。
中村は、あの芸術家の名を出した。
中村 絵画の世界だとピカソとなにかつうじているのかもしれませんね。絵画がわからない人でも「なんか面白いな」と感じて楽しめて、もちろん精通している人は奥の深さがわかる。難解なものでもすべての人が楽しめる凄さがあります。
少し先輩の二人は、藤井人気について、中村は、
これで注目されてないとしたら、逆に悲しすぎます。こんなスゴイ人がいるのに注目してもらえなかったら、将棋界はもうどうすりゃいいんだって(笑)
と語る。
佐藤は、
同じ時代を生きる私たちを楽しませてくれる存在ですし、きっと後世の人にも楽しまれるような将棋指しだと思います。そういう人のことは、周りが配慮しながら、しっかりと見つけて語り継いでいくのも私たちの役割なのかなと思いますね。と、藤井聡太が伝説になることを確信しているようだ。
他の先輩棋士の言葉も次回紹介するが、この本を読めば読むほど、天才が認める天才なのだと思うのである。
さて、凡才の私は、これからバイトだ^^
