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8月のアクセスランキング。

 8月の記事別アクセスランキングは、次の通りだった。

1.今から140年前、なぜ明治政府は改暦を急いだのか。(2013年1月14日)
2.竹中平蔵の悪事を振り返る—懲りない売国奴の素顔。(2013年4月18日)
3.あれから八年・・・風化しつつある、甲状腺がん問題。(2019年3月11日)
4.「万引き家族」における、樹木希林さんのアドリブのことなど。(2018年9月19日)
5,青山透子著『日航123便墜落 圧力隔壁説をくつがえす』より(8)(2020年8月11日)
6.青山透子著『日航123便墜落 圧力隔壁説をくつがえす』より(5)(2020年8月6日)
7.青山透子著『日航123便墜落 圧力隔壁説をくつがえす』より(9)(2020年8月12日)
8.青山透子著『日航123便墜落 圧力隔壁説をくつがえす』より(2)(2020年8月1日)
9.青山透子著『日航123便墜落 圧力隔壁説をくつがえす』より(3)(2020年8月2日)
10.「七夕」は秋の季語・・・・・・。(2010年7月7日)

 何か突出して、1000を超えるようなアクセスはなかった。

 1位と2位は、ほぼ同じ800近いアクセス。

 改暦に関する常連の記事も、あの売国奴に関する記事も、同じ七年前のものだ。

 3位に、この記事が入ったのは、うれしい。
 コロナ一色の世の中だが、忘れていけないことがある。

 4位、あの映画についての常連の記事。

 5位から9位に、青山透子さんの本の記事が入った。
 8月12日、遺族の高齢化のニュースはあったが、真相究明について訴えるメディアは、皆無。
 青山さんの労作んぽ意義は大きい。
 ぜひ、裁判を通じて、次の著作につながる情報入手を期待したい。

 10位は、例年、旧暦七夕前後にアクセスが増える記事。
 今年は8月25日が七夕だった。

 
 結局、安倍晋三という個人は消えても、安倍的な政治が続こうとしている。

 自民党有志の党員投票を求める嘆願は、幹事長が却下し、菅新総理誕生なのだろう。

 二階幹事長は、「政治の空白ああってはならないという国民の要望もある」、と議員総会での総裁選びを急ぐが、何を言っている。

 政治の空白は、この七年半ずっと続いたではないか。

 昨日は二百十日。

 夏目漱石が、登場人物を通して、華族や金持ちへの批判を語らせた小説を思い出した。

 圭さんと碌さんが、阿蘇に登ろうとするが、二百十日の嵐で断念する。
 その前後の、二人の会話が中心の中編。

 青空文庫から、少し引用。
青空文庫「二百十日」

「この湯は何に利くんだろう」と豆腐屋の圭さんが湯槽のなかで、ざぶざぶやりながら聞く。
「何に利くかなあ。分析表を見ると、何にでも利くようだ。――君そんなに、臍ばかりざぶざぶ洗ったって、出臍は癒らないぜ」
「純透明だね」と出臍の先生は、両手に温泉(ゆ)を掬んで、口へ入れて見る。やがて、
「味も何もない」と云いながら、流しへ吐き出した。
「飲んでもいいんだよ」と碌さんはがぶがぶ飲む。
 圭さんは臍を洗うのをやめて、湯槽の縁へ肘をかけて漫然と、硝子越しに外を眺めている。碌さんは首だけ湯に漬かって、相手の臍から上を見上げた。
「どうも、いい体格だ。全く野生のままだね」
「豆腐屋出身だからなあ。体格が悪いと華族や金持ちと喧嘩は出来ない。こっちは一人向は大勢だから」
「さも喧嘩の相手があるような口振だね。当の敵は誰だい」
「誰でも構わないさ」
「ハハハ呑気なもんだ。喧嘩にも強そうだが、足の強いのには驚いたよ。君といっしょでなければ、きのうここまでくる勇気はなかったよ。実は途中で御免蒙ろうかと思った」
「実際少し気の毒だったね。あれでも僕はよほど加減して、歩行(ある)いたつもりだ」
「本当かい? はたして本当ならえらいものだ。――何だか怪しいな。すぐ付け上がるからいやだ」
「ハハハ付け上がるものか。付け上がるのは華族と金持ばかりだ」
「また華族と金持ちか。眼の敵だね」
「金はなくっても、こっちは天下の豆腐屋だ」
「そうだ、いやしくも天下の豆腐屋だ。野生の腕力家だ」

 “天下の豆腐屋”を、つい応援したくなる。
 
 阿蘇登山を断念した後の最後の部分の会話。

「例えば今日わるい事をするぜ。それが成功しない」
「成功しないのは当り前だ」
「すると、同じようなわるい事を明日やる。それでも成功しない。すると、明後日になって、また同じ事をやる。成功するまでは毎日毎日同じ事をやる。三百六十五日でも七百五十日でも、わるい事を同じように重ねて行く。重ねてさえ行けば、わるい事が、ひっくり返って、いい事になると思ってる。言語道断だ」
「言語道断だ」
「そんなものを成功させたら、社会はめちゃくちゃだ。おいそうだろう」
「社会はめちゃくちゃだ」
「我々が世の中に生活している第一の目的は、こう云う文明の怪獣を打ち殺して、金も力もない、平民に幾分でも安慰を与えるのにあるだろう」
「ある。うん。あるよ」
「あると思うなら、僕といっしょにやれ」
「うん。やる」
「きっとやるだろうね。いいか」
「きっとやる」
「そこでともかくも阿蘇へ登ろう」
「うん、ともかくも阿蘇へ登るがよかろう」
 二人の頭の上では二百十一日の阿蘇が轟々と百年の不平を限りなき碧空に吐き出している。

 わるいことを何度も重ねていけば、ひっくり返っていいことになると思っている。。

 嘘も何度も繰り返せば、本当になる。

 漱石が毛嫌いした相手は、今、永田町にいるように思う。
 
 漱石が生きていたら、さて、今の政治についてどう語り、どんな作品を書くだろうか。

 つい、蛇足が、長くなってしまった^^
Commented by at 2020-09-02 06:35
「二百十日」は読んだことがなく、勉強になりました。
ここに見られる漱石の書生っぽじみた反俗の口吻は、後の白樺派にも受け継がれていくものだと感じました。
また、落語的な軽妙なダイアローグだな、とも。

余談
「坊ちゃん」にも漱石の反俗精神がよく反映されていますが。
丸谷才一は「トム・ジョーンズ」に比すべき稀有な傑作として高評価を与えています。
近代小説の桎梏から解放されているところが魅力だそうです。
Commented by kogotokoubei at 2020-09-02 13:13
>福さんへ

二百十日は、猫の翌年、坊ちゃん、草枕と同じ年の作品なので、良い意味で書生っぽさが強いですね。
落語好きの漱石ならでは、軽妙洒脱という形容ぴったりだと思います。
三部作からは、死を意識した重い空気が漂い始めますが、私は、前半の四作が好きです。
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by kogotokoubei | 2020-09-01 12:18 | アクセスランキング | Trackback | Comments(2)

あっちに行ったりこっちに来たり、いろんなことを書きなぐっております。


by 小言幸兵衛
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