「天声人語」の「饅頭」こそ、消化不良。
2020年 08月 05日
同じチェーンの東京都内の店は22時閉店になったが、神奈川なので23時閉店のまま・・・・・・。
昨夜は、閉店時間間際に家族連れが二組来店されたこともあり、後片付けをして店を閉め、帰宅してビール飲んで風呂に入って寝たのが、1時半頃だった。
夏休みモードになっていて、夫婦や家族連れのお客さんが多い。
さて、今夜はどうなることやら。
今日の朝日の「天声人語」。
ある貧乏な書生の話。饅頭を食べたいが金がない。饅頭屋の前に行き、大声を上がてぶっ倒れてみせた。驚いた饅頭屋からわけを尋ねられ、答えた。「饅頭がこわいのだ」。案の定、おもしろがった相手が饅頭を押しつけてきた。▶中国の古い笑話集にある「饅頭こわい」である。おなじみの古典落語はこれをもとに作られたようで、色々と手も加わっている。仲間たちが怖いものを順番に打ち明ける場面があり、蛇、蜘蛛・・・・・・と来て、まさかの饅頭に至る▶外国の話も、江戸っ子の丁々発止に変えてしまう日本の落語文化である。
この冒頭部分を読んで、さて、どんなサゲに持っていくのかと思った。
この後、換骨奪胎の他の例として、中華料理から日本食のラーメンとなったと記して、日本のカレーチェーンがインドに進出して、「日本のカレー」として受け入れて欲しいと語っていることを紹介。また、米国のコンビニ会社を買収した日本企業が、米国三位のコンビニ会社の買収を発表したことの後、こうサゲが続く。
▶日本は「雑種文化」だとつくづく思う。国の外から多くを取り入れ、試行錯誤を重ねて血肉とする。もっとも時々、消化不良を起こす。古くは鹿鳴館の欧化熱、最近だとコロナ対策でめっきり増えたカタカナ語とか。
読み終わって、「???」という感じ。
何を言いたいの?
「換骨奪胎」「雑種文化」を、主張したいの?
でも、コロナ対策のカタカナ語だけはいただけない、と言いたいの?
加えて、ウイットもユーモアも、感じないなぁ。
そもそも、いきなり鹿鳴館ですか。コロナ対策で増えたカタカナ語と並べて欲しくない。
あの時期、不平等条約改正のために、井上馨が欧風化を進めた歴史を、どこまで知っているのか。
そんな、うわべだけの欧化熱ではなかったはず。歴史的な背景、必然性もあったはず。
まず、「饅頭こわい」の出典の件を、『落語の鑑賞201』で確認。

『落語の鑑賞201』延広真治編(新書館)
こう説明されている。
「まんこわ」と略されるほど著名な落語。『気のくすり』(安永八・1779刊)「饅頭」、烏亭焉馬『落咄 詞葉の花』(寛政九・1797刊)「饅頭」などに原型と思われる落咄があり、さらに源流は『為愚痴物語』(寛文二・1662刊)巻三の十六「野間藤六、女を証し餅くふ事」から、中国の『笑府』の「饅頭」や『五雑組』巻十六にまで遡る。
ということで、中国の落咄に源流があることは、間違いなさそうだ。
その咄が、江戸時代に数多の噺家によって磨きかけられて、今につながっている。
上方では、結構な長講になっていて、前座噺とはいえない。
たしかに、換骨奪胎の好例かもしれない。
では、この出だし(マクラ?)から、どう展開していくかと思ったが、期待通りではなかった。
もし、コロナにからめるのなら、強制力のない日本の自粛要請の中でも感染拡大の阻止を実現する期待を、ファクターXや、国民の協力、相互扶助などを語って構成する筋もあり得たように思う。
もし、サゲのテーマのカタカナ語で構成するなら、ステイホーム、ロックダウン、Go To、ワーケーションなどの単語を使って、ウイットの利いた内容にも出来たはず。
どうも、しっくりこない内容。
この「天声人語」の「饅頭」の方が、消化不良だ。
