日本は、PCR検査ワースト30位以内。検査数を増やす世田谷モデルに注目!
2020年 07月 30日
神奈川県も76人で最多タイ。
福岡県で121名で最多。
沖縄も記録。
名古屋市で初めて三桁の記録。
愛知も大阪も、決して少なくはない。
全国で1299名も最多記録更新。
東京五輪が開催されていれば、さまざまな世界記録が更新されていたかもしれないが、残念ながら、記録を観戦するのではなく、感染が記録されている。
その東京が独自で「感染拡大特別警報」を宣言。
飲食店とカラオケ店に営業時間短縮を要請した。
協力金、20万円。
しかし、だめでしょ、全国でやらなきゃ。
補償だって、補正予算の予備費などを使って上乗せしなきゃ。
そもそも、緊急事態宣言解除の前倒しが誤りだった。
Go To トラベルなど、論外。
人が移動すれば、接触は増える。
まだまだ、Stay Homeを国として訴えるべきなのに、その逆の行動を煽ってきた国の責任は重い。
「緊張をもって注視」するだけでは、事態は悪化するばかりだ。
そもそも、五輪中止阻止のために、国も東京都も作為的にPCR検査を増やさず、延期決定直後に、陽性者が多数判明したおとは、忘れてはならない。
国民、都民の生命より優先するものなどなかったはずなのに。
この期に及んでも、PCR検査を積極的に増す施策もなければ、軽症者の療養ホテルの確保も自治体任せだ。
こんな酷い国に、誰がした・・・・・・。
立川談四楼のツイッターで、100万人当たりのPCR検査数において、日本が実にワーストに近いということをツイートしていた。
日本は検査数が少ないと言われても今ひとつピンとこなかったが、衝撃のランキングを見て立ち直れない。世界215ヶ国の人口100万人あたりの検査数がそれで、日本は158位のウガンダと160位のカメルーンに挟まれていて、そう、この日本が159位なんだ。先進国の文字がフワフワ漂い、何処かへ飛んで行くね。
— 立川談四楼 (@Dgoutokuji) July 29, 2020
LITERAも、こんな記事を掲載している。
LITERAの該当記事
日本のPCR検査数はアフリカ諸国より少ない158位、死亡率もアジア・オセアニアで最悪レベル…それでも安倍首相は「日本スゴイ」
2020.07.30 11:32
ついにきのう29日、全国の新規感染者数が過去最多の1200人を超えた。4連休中の検査数が少なかったことからきょうの数字はこれをさらに超えることになるとの見方が強いが、問題はその検査体制。3〜4月と同じように、症状が出ても検査を受けさせてもらえないという声が大きくなってきているからだ。
安倍首相は2月29日におこなわれた総理会見で、「身近にいるお医者さんが必要と考える場合には、すべての患者のみなさんがPCR検査を受けることができる十分な検査能力を確保する」と豪語したが、その約束はまったく果たされなかった。しかし、そこから約5カ月が経とうというのに、いまだに検査が受けられない状況に陥っているのである。
そして、これは世界的に見ても最悪の状況だと言っていい。新型コロナにかんする統計を集計しているアメリカのサイト「worldometer」によると、人口100万人あたりの検査件数のランキングで、日本は世界215の国・地域などのうち、なんと日本は158位(30日時点)。ちなみに155位はセネガル、156位はマカオ、157位は中央アフリカ、159位はウガンダ、160位はガイアナとなっており、アフリカの発展途上国と肩を並べているのである。
これが、データ元となっている「worldometer」の特設サイト。
Worldometerの特設サイト

ご覧のように、同サイトの順位表は、コピペするとよく見えないので、以前にも紹介したWikipedia「COVID-19 testing」から紹介したい。
Wikipedia「COVID-19 testing」
日本が7月13日のデータ、他の国も含め少し古いが、順位への大きな変動はないと察する。
まず、テストの多い国の順。

ドイツのみならず、イタリアだってイギリス(UK)、そして、アメリカもスペインも、しっかり検査はしているのだよ。
100万人あたり、10万件前後の国が多い。あくまで、今の時点でだ。
次に、日本を含め、少ない国の順でソートした表。

この表では、日本はワーストで28位。100万人当たり、たったの6000台。
上位の国とは、二桁違うのである。
バングラデシュ、メキシコやアフリカ諸国と同じような、レベル。
では、あの(?)スウェーデンはどうか。
少ない順に、続きの表。

ご覧のように、他のヨーロッパ諸国より多いとは言えないが、日本よりは桁違いに多い検査数。
だから、政府が何もしないで検査も増やさない日本とは、ちょっと、違う。
クラスターに絞り込んで感染拡大阻止、という最初の戦術だけでは、もはや立ち行かないのは明白だ。
とにかく、検査数を増やし、陽性者を適切に隔離するしかない。
検査を増やす方法は、あるはずだ。
保健所や医療機関は大変な思いをしていて、今以上に検査数を増やすのは難しいだろうが、民間の検査数は急増している。
厚労省サイトからデータをダウンロードして機関別の検査数の推移を、5月1日から7月26日までグラフ化した。
厚労省サイトの該当ページ

色は判別しにくいが、赤が地方衛生研究所・保健所、黄色っぽいオレンジが、民間の検査数。
民間での検査数は多い日は、12000件を超えている。
以前から拙ブログで、民間検査を増やすべき、と書いてきたが、ようやくここまできている。
地方衛生研究所・保健所の検査は、4月に一日5000件を超えることもあったが、5月以降は、多くても4000件程度。
これ、人出不足もあって、今のままでは限界なのかと察する。
だったら、民間の検査数をもっと増やすのが、近道。
立川談四楼のツイッターでは、世田谷区では、まだ10万円がとどかないが、PCR検査の世田谷方式は評価している。
私はまだ一律10万円を貰ってない世田谷区民だが、東大の児玉龍彦名誉教授の提言を元にした「世田谷モデル」の取り組みには賛同する。「誰でも いつでも 何度でも」PCR検査が受けられる体制作りで、画期的な試みだと思うのだ。全国に広がるといいとも思うが、それにしても保坂区長、10万円まだですか。
— 立川談四楼 (@Dgoutokuji) July 30, 2020
そうそう、居残り仲間の世田谷区民の方から、やっと一昨日、一カ月半かかって入金されたとか、まだ、もらっていないというLINEでの情報があったばかり。
あの児玉龍彦先生との議論も重ねて実施されている世田谷方式について、ビジネス・インサイダーの記事からご紹介。
ビジネス・インサイダーの該当記事
保坂世田谷区長に聞く。区独自PCR検査を1日数千件に拡充へ。「保育士、介護従事者には定期検査を」
浜田 敬子 [編集部]
Jul. 30, 2020, 06:00 AM News
国や東京都などが新型コロナウイルスの感染拡大に有効な対策を打ち出せない中、世田谷区は独自に検査体制を拡充し、1日数千件規模の検査を実施することを打ち出している。
高齢者施設で働く介護従事者や保育士、学校の教師など、いわゆるエッセンシャルワーカーと呼ばれる人たちには定期的な検診をしてもらう体制をつくる、という。
世田谷区の保坂展人区長に具体的な体制拡充の方法などを聞いた。
Business Insider Japan:区独自で検査体制の拡充をされると明言されています。
保坂:第2波が思った以上の速さで到来し、感染がこれだけ増えていると毎日発表しているにもかかわらず、GoToキャンペーンやアベノマスクの追加配布8000万枚のような“寄り道”の政策の話ばかりが出ている。そんな話をしている場合じゃないでしょうと。医療現場支援は進まず、このままではかなり厳しい状況になると感じています。
先日国会で感染の現状に対して危機感を訴えられた、東京大学先端科学技術センターの児玉龍彦名誉教授とは何度もお話し、世田谷区の有識者会議でもアドバイスをいただき、感染防御の点で精密抗体検査をしていく体制を整えているところでした。
「寄り道」とは、優しい形容ではあるが、言うべきことは言っている。
さて、この後、プール方式という手法で、PCR検査のスピードアップを図ろうとしているなどの発言の後からご紹介。
BIJ:ニューヨークでは、最寄りのクリニックで予約なしで検体採取をできるようになっていますが、世田谷区でもそういった方式を考えていますか。
保坂:現在PCR検査センターが入っているビルに余裕があるので、そこを候補に考えています。そのビルではすでに4月からそのビルを使って累計7000件もの検査をやって来ました。
BIJ:都内だけでなく、愛知や大阪でも、熱が続いてもなかなか検査が受けられないといった人が出始めていますが、世田谷区ではそもそもいま、発症したらすぐに検査は受けられるのですか。
保坂:世田谷区の場合、PCR検査を受けさせてもらえないという人は現時点では出ていません。
いま世田谷区では、濃厚接触者などは保健所を通した行政検査、症状が出た場合は近くのクリニックで診察後に医師会が運営する世田谷区医師会PCR検査センターで、そして感染症対応している病院の発熱外来、と検査には3つのルートがあります。
先々週まではクリニックで午前中に診察してもらい、検査が必要となったらその場でPCRセンターに電話を入れてもらい、午後にはPCRセンターで検査できた。そして陽性の場合だけ保健所から連絡が入る。保健所の負担を減らすためにもこうした方法を取っていました。
保健所は濃厚接触者を中心に検査していますが、いったん保育園で感染者が出ると、一気に濃厚接触者100人以上を検査しなくてはならず、それを3日に分けて対応しています。先々週ぐらいから一気に濃厚接触者が増え、保健所では検査がなかなか捌き切れないとという状況になってきています。
この医師会ルートと保健所ルートをそれぞれ増やして、なんとか1日600件は検査できるように準備をしていたのですが、この急激な感染者数の増加で、もはや600件でも万全ではない。とりあえず大きく網を張ることが必要な時期が来たと判断したのです。
同時に保健所の人員を増やす対策もしています。濃厚接触者を追っかけるコンタクトトレーサーという仕事をアウトソーシングできないのか、電話相談は看護師経験のある人に切り出せないのか。思い切って保健所の業務を見直さないと、過労で倒れる人たちが出てくると感じています。
保坂展人(のぶと)区長は、私と同年齢。
70年安保の中学時代に、学校に全共闘を組織し、高校受験では、内申書にその活動が書かれて全日制高校への門戸を閉ざされた経験をしている。
私なんかは、野球ばかりやってなぁ。
社民党の衆議院議員から区長となって、三期目。
団塊の世代から遅れてきた「レイトカマー」などと呼ばれてきた昭和30年前後の世代でも、保坂さんのような闘士がいたんだねぇ。
彼の発言、行動には注目したい。
「危機感を持って注視」しているばかりでは、何も始まらない。
リーダーが知恵を絞って、適切な施策を実行に移すことで、一人でも多くの国民の生命が救われる。
しばらく、世田谷に注目だ。
