前日9時から当日9時までのFax集計を発表している、東京都。
2020年 07月 21日
Wikipediaでは、さまざまな発信元により定義が紹介されているが、概ね「企業がテクノロジーを利用して事業の業績や対象範囲を根底から変化させる」こととされている。
Wikipedia「デジタル・トランスフォーメーション」
いわゆるIT化の先の概念とも言えるが、日本は、そのIT化がまだまだ進んでいない組織がある。
それは、官公庁であり、関連する自治体などだ。
十日前、東京都のCOVID-19特設サイトで、毎日発表される陽性者数と、データベースにある日別の陽性者数が違うことへの疑問などを書いた。
2020年7月10日のブログ
この謎(?)が判明した。
今日は、夕方から夜のシフトのバイトなので、朝、5チャンネルのモーニングショーを見ていたら、なんと、東京都が毎日発表している陽性者数は、前の日の午前9時から当日の午前9時までに届いたFaxの集計、とのこと。
朝日新聞が記事にしていたようだが、見逃していた。引用する。
朝日新聞の該当記事
東京都の新規感染者数、昼には速報が どうやって集計?
会員記事 新型コロナウイルス
荻原千明
2020年7月17日 14時42分
新型コロナウイルスの東京都の1日あたりの感染者数が連日、注目を集めている。早い日には昼に速報が流れることもあるが、いったいどのように集計され、発表されているのか。
都の担当職員が出勤して間もない午前9時。この日に発表される感染者数の報告が締め切られる。都庁の30階にある感染症対策部には2台のファクスが常備され、そこに都内31保健所から「新型コロナウイルス感染症発生届」が送られてくる。感染者1人につき、A4判1枚。この枚数が、その日に発表される都内の感染者数となる。
都によると、都が発表している1日あたりの感染者数は、前日午前9時の締め切り以降、当日午前9時までに都にファクスで報告された人数だ。
なぜ、締め切り時間がそんなに早いのか。都の担当者は「指標の数値をつくる作業と、報道発表の準備のため」と説明する。指標とは、都が感染状況を判断する際の参考としている感染経路不明者数(週平均)やその増加比などのことだ。
都内での感染者数が最初のピークを迎えた4月は締め切りは正午ごろだった。だが、都が指標の公表を始めた5月半ばに午前9時に前倒ししたという。
Faxがデータ元ということの前時代性の問題が、まず一つあるし、これでは、記録として毎日検査数や陽性者数をデータベース化しても、その数とはまったく関係のない指標となってしまう。
(1)前日AM9時 (2)当日午前0時 (3)当日午前9時 (4)翌日午前0時
紹介したように、東京都の発表は、Fax到着時刻の、(1)~(3)の合計。
データベースの当日のデータが、Fax到着の(2)~(4)だと仮定するなら、その数字を翌日、「昨日の陽性者数」として発表したら、データベースと整合性が取れる。システム化していれば、年代別集計も含め、何のことはない。
しかし、Faxなどに頼っているから、役所の仕事の都合で、日をまたいだ期間でのデータを発表している。
まずは、Faxから、厚労省が作ったというシステムに早急に移行すべきだろうが、忙しい現場に任せているのだろう
厚労省や都道府県の所員、あるいは、開発依頼先の社員が、現場でのセットアップに出向いているのだろうか。
今さらではあるが、感染拡大を阻止するには、リアルタイムで情報を把握するシステム化が、当たり前に必要。
デジタル・トランスフォーメーションの前の前の状態にあるのが、現時点のCOVID-19対策の最前線と考えると、気が滅入るばかりだ。
企業なら、許されないです。
IT化の前のデジタル化、ペーパーレス化が進んでいない。
実は、そういうことに対し企業にお小言を言うのが、DXを推進しよう、などと言っている経産省なのですが、隣の役所のことなどは、眼中にないようですね。
日本は、スウェーデン方式を採用したみたいですね。
