インターネット寄席を、再開後も実施して欲しい。
2020年 07月 19日
朝日のネットにも掲載されていたので、ご紹介。
朝日新聞の該当記事
フロントランナー 春風亭一之輔がコロナ禍で見せた本気
文・井上秀樹 写真・角野貴之
2020年7月18日 7時00分
年間800席もの高座をこなし、ラジオやテレビ、雑誌でも活躍する注目の落語家、春風亭一之輔さん(42)は、新型コロナウイルス感染拡大による自粛要請の中でも、新境地を開きつつあるようです。落語や寄席への思い、そして家族について、縦横無尽に語ってくれました。
ぼそぼそ仏頂面でしゃべりだし、噺(はなし)に入れば登場人物たちが自在に暴れ回る。間抜けな亭主に弁の立つ女房、生意気な子ども。口笛を吹いたりアニメの話題を口にしたりしながらも、お互いを気遣うやさしさにあふれて、高座には落語の風情がふわふわ漂う。
「チケットのとれない落語家」が生まれるまで
東西の落語家が800人を超す落語ブームの中、一頭地を抜く。NHK新人演芸大賞など若手対象の賞を総なめし、年功序列の落語界では異例の21人抜きで真打ちに昇進した。いまや「チケットのとれない落語家」と呼ばれ、雑誌や新聞の連載にラジオ、テレビのレギュラー番組と大車輪の活躍だ。
「挫折とか、つらかったことが一回もないんですよね、落語家になってから」。修業の苦労は口にしない。
不遇の時期はあった。中学まで学級委員に指名されるような優等生は、進学校での高校生活で一変する。成績は学年の最下位争い。ラグビー部を1年でやめ、ぶらぶらしていた東京・浅草で寄席に足を踏み入れる。「同年代が来てない、サブカルな趣味。いいもん見つけた」と通い始めた。
この後、本来自分が主任で出演する予定だった寄席が休みになった期間、ネット(一之輔チャンネル)で毎日、落語を配信したことが紹介されている。
所属事務所での会議で自ら訴えた。「のんきに構えてたんですけど、何かやんないとね、錆(さ)びてきちゃう。あと、暇なんで」。日がな一日、コーヒーを飲んでぼんやり座っていると、妻の雷が落ちた。「いつまで家にいるんだ! 老後みたいだ」。別の理由もある。「お客さんに、落語を聞かなくても平気だって気づかれると困るんで」
告知映像で、カメラに向かってほえた。「頼むよ! 聞いてくれよ!」。少し、マジな顔を見せた。
ライブ視聴は連日1万人を超えた。途中から投げ銭機能を設けると、欧州や米国からの寄付もあり、数十万円に達した。落語会のプロデュースも手がけるお笑い芸人のサンキュータツオさんは、その取り組みを「エポックメイキングだった」と評価する。
一之輔のネット配信は、私も観た。
本人は、大サービスのつもりだったのだろうが、長すぎるマクラに閉口して、その後はマクラは先送りして本編だけ観ていた。
試みとして、良かったと思う。
ただし、これは人気者一之輔の個人的な活動。
このコロナ禍で、仕事を失った噺家さん色物さん全体を見渡した場合、誰もが出来ることではない。
落語家がインターネット配信をする動きについては、5月に記事を書いた。
2020年516日のブログ
一之輔、喬太郎という人気者のみならず、上方落語協会の積極的な活動などについてもふれたが、当時の落語協会の問題なども書いた。あの時は、落語会の中止情報などをサイトで案内していなかったからね。
また、協会所属の落語家のネット配信について、落語芸術協会がしっかりサイトで案内してるのに比べ、落語協会では、そうではなかったことにも小言を書いた。
噺家さんの芸が鈍らないようにすることと、少しでも経済的に支援するため、協会がワリを出し、無観客で予定されていた寄席の席をネット配信してはどうかと思っていた。
だから、その思いを鈴本が実現してくれた時は、嬉しかった。
応援チケットも何枚か購入させてもらい、記事にもした。
最初の会は、リアルタイムで通して観た。
他の会は、アーカイブを後からじっくり観た。
もちろん、生の落語を聴くのが最善ではある。
しかし、私は、落語初体験だったのがラジオだったし、過去の名人たちの音源のみ聴くのも好き。
ネットだって、楽しめる。
一之輔の配信を海外で楽しんだ人がいたように、鈴本のネット寄席を、全国各地で楽しんだ落語愛好家の方は多いだろう。
初めて寄席を知り、落語のみならず色物の魅力を知った方もいるかもしれない。
寄席は再開されたが、コロナ感染への不安で行けない人、そして東京の寄席に行くことのできない地域の方の楽しみのため、インターネット寄席を今後も続けて欲しいと思う。
私がラジオを落語に出会ったのは、昭和のこと。
北海道で、たまにテレビで放送される寄席の高座を見るのが、なんとも楽しかった。
令和の今、落語、そして寄席を初体験するのがネット寄席という人がいてもいいだろう。そして、そういう方が寄席に来ることにもなるに違いない。
かつて、ラジオで落語放送が始まった時、吉本は寄席に人が来なくなると思い、春団治など所属芸人のラジオ出演を禁じた。しかし、現実は逆で、ラジオを聴いた人が、寄席に押し寄せた。
同じような効果が、ネットでもありえるはず。
私は贔屓の落語家のネット配信より、寄席の配信を希望する。
ぜひ、ネット寄席が、寄席再開後でも実施されることを期待する。
土日だけでもいい。
有料でもいいが、クレジットカードなどではない、鈴本チャンネルで実施したようなコンビニで買えるチケットだと嬉しい。
末広亭、池袋、鈴本、浅草、それぞれの席亭さんと協会は、ぜひ前向きに検討してもらいたい。
たくさんの配信がありますが
・一之輔師匠の番組はマクラが長すぎる違和感ありつつ、色物さんと組合せ見ごたえあると感じました
・柳家三三師匠の生配信 見た方は分かりますが手作り感ありポイント高い
・古今亭菊之丞師匠無料配信週一ペースで継続しこちらも嬉しいことです(7/27 19:30から市川市・入船寿司からLIVE)
ネット落語、お楽しみのようですね。
三人とも、私も贔屓な噺家さんです。
まだ、コロナ不安を含め寄席復活していない私も、もっぱら音源とネットです。
寄席は、来月には行きたかったんですが、さてどうなることやら。
予想はしていても、毎日のニュースが、寄席へ行く足を止めますね。
ネット寄席の配信が、日常の一形態になって欲しいです。
イタリアもスペインも、たくさん検査をすること、都市封鎖を厳しく実施したことで、収束の見通しが立ってきたようです。
ブラジル、アメリカ、そして日本が国の対策ワースト3になりそうです。
