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噺の話

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石弘之さんへのインタビュー。

 石弘之さんの『感染症の世界史』に関する記事を続けているが、ここでご本人へのインタビュー第二弾をご紹介する。

 一回目の記事で、2月20日付けで、角川のサイト「カドブン」にインタビューが掲載されていることをご紹介したが、その後、3月13日にもインタビュー第二弾が掲載されている。
「カドブン」の該当インタビュー

 まず、新型コロナウイルスの特徴について。

――その後、新型コロナウイルスの特徴としてわかったことはありますか。

石:今回の新型コロナウイルスの感染症名は「COVID-19」で統一されましたが、国際ウイルス分類委員会でウイルスの正式名称は「SARS-CoV-2」に決定しました。つまり、SARS(重症急性呼吸器症候群)の兄弟分であることが改めて確認されたわけです。

 一方で、新型コロナウイルスは、兄弟分のSARSウイルスにはない能力を身につけていました。新型ウイルスの方は喉よりも深い下気道でも繁殖します。そのため従来の喉より上の、上気道の検査だけでは見逃されることもあるようです。広島市では4つ医療機関で8回検査して、やっと感染が判明した例がありました。治って陰性になった人がふたたび陽性になった例もあります。

 また、軽症・未症状の感染者が日本では8割を占めることも特徴です。これはウイルスの側からすると、ウイルスをばらまくのに非常に効率的です。ヒトは元気だから動き回ることができ、まわりからも警戒されにくいです。この事実は、検査でわかった感染者数よりも、はるかに多い感染者がいる可能性を示しています。

 SARSやMERSから、また進化したウイルスであると言えるだろう。
 感染者で重篤になる人が増えると、その感染者の死が早まることで、ウイルスの感染確率も減る。
 SARS-CoV-2は、実に賢いウイルスだ。
 
 今後の予測について。

――今回の新型コロナウイルスの終息はいつになりますか。兄弟分のSARSは2002年11月に最初の患者が確認され、翌2003年7月5日にWHOが終息を宣言しました。

石:今後に関しては、次の3つのシナリオが考えられます。

石弘之さんへのインタビュー。_e0337777_14441599.jpg


石:今回の新型コロナウイルスが、このシナリオのなかのどれに落ちつくか、正直予測が立ちません。アメリカのCDCは、ロシア、南米、アフリカといった感染が広がっていない、あるは突き止められていない国や地域へ流行が拡大することを警戒しています。

 では、暖かくなれば、収束するのだろうか。

――季節性のインフルエンザは、冬がすぎて暖かくなってくると収まるので、コロナウイルス流行にも春には下火になるという報道もありました。

石:アメリカのトランプ大統領は「中国のウイルス封じ込め作戦は、暖かい季節になれば成果を上げるだろう」とツイートしましたが、今のところその科学的な裏付けはありませんし、WHOは頭から否定しています。

――日本政府はこの未知なる相手にどうのように対応すべきでしょう。

石:過去のパンデミックの教訓からいえるのは、「最大の感染症対策は正確な情報の伝達にあり」ということです。ちぐはぐな政府関係者や厚労省の発言や、ぐらぐら変わる政策などは、ウイルスに味方をするだけです。

 いわずもがなですが、今すべきは、何とかウイルスを封じ込めて感染の拡大を抑え、可能であれば消滅までもっていくことです。集団で一定以上の割合の人が免疫をもつと、流行が収まっていく「集団免疫」の効果が現れることを期待しましょう。それまではひたすら我慢するしかないという状況です。

 そうか、夏には収束、なんて楽観はできないということか。

 「集団免疫」については、イギリスが、当初対策をせず放置することで、「集団免疫」状況まで待つ姿勢を示したが、その場合の医療の崩壊が目の当たりになってきて、急遽非常事態宣言に変わった。

 そのへんのいきさつは、「ナショナルジオグラフィック」のサイトに詳しいので、ご覧のほどを。
「ナショナルジオグラフィック」サイトの該当記事

 石さんの言葉は、感染を極力防ぎながら、結果として「集団免疫」の効果が出るのを待つ、という意味。意図的に感染者を増やそう、ということではない。

 さて、石さんは、最後にこう語っている。

――終息が容易ではないことがよくわかりました。でも、このうっとうしい日々をどう考えればいいのでしょう。

石:かつて人類は多くの天敵に狙われていましたが、最後に残った天敵が「自動車」と「ウイルス」です。毎年世界で135万人が交通事故で死亡します。一方、CDCによると、季節性インフルエンザだけで、年間世界で29万~65万人が命を落としています。とくに現在はアメリカで流行して、すでに推定3万人の死者が出たと発表しています。

 地球上には人類だけが住んでいるのではなく、数多くの生物が互いに競い合い、また協力しあって生きています。ウイルスの存在もそのひとつです。高度2500〜3000メートルの高空に、1平方メートルあたり8億以上のウイルスが漂っていることがわかりました。海のなかにも、重さにしてシロナガスクジラ7500万頭に相当するウイルスがいるという推定もあります。なかには海の生態系に欠かせないものもいます。

 ウイルスがいかに人にとって重要かも明らかになってきています。最初のインタビューで話したとおり、ウイルスが母親のおなかの中で胎児を守ってくれていることがわかってきました。また、子どものころにある種のウイルスに感染すると免疫システムが発達することも報告されています。ウイルスの「善行」は新たな研究分野として研究者を興奮させています。

 人間の世界にも迷惑なヤツがいるように、ウイルスのなかにもいます。ウイルスの立場になってみると、少しは憎しみも和らぐかもしれません。といわれても、やはり怖いですが……。

 胎児を守るウイルスのことは、『感染症の世界史』の二回目の記事で紹介した。

 たしかに、良いウイルスもいる。

 とはいえ、石さんがおっしゃるように、悪いウイルスは、怖い。

 怖いものに、いかに正しく立ち向かうかが、問われている。

 東京都知事の自粛要請を受け、埼玉県、神奈川県、千葉県の各知事が、都内などへの外出を自粛するよう呼びかけが続いた。

 それはそれで尊重すべきではあるが、こんな芋づる式の対応だけで、良いのだろうか。

 危機的状況ならば、首都圏全体や関西圏などを対象に、徹底した対策が必要なのではないか。

 まだまだ、ウイルスへの戦い方が甘いと思う。

 こんな弱腰の姿勢では、ウイルスがほくそえんで、感染拡大に拍車をかけるかもしれない。

 首相は、経団連などに対し、休業要請と休業補償をセットにした、断固たる施策を示すべきではないのか。

 来年の五輪を「完全」な形で迎える前に、「感染」をなんとかしなければならない。

Commented by saheizi-inokori at 2020-03-27 10:37
武漢縛りを始めてからでも二月近く経過しているのに、東京のコロナ患者用のベッドが118床しかないとキマリの悪そうな顔で語る小池、彼らには「重症者の命を救う」などという気持ちは毛筋もないことが歴然でした。
ひたすら五輪、自分の責任回避、選挙だけが頭にあるのです。
コロナウイルスより恐ろしいのは此奴らでしょう。
Commented by kogotokoubei at 2020-03-27 12:18
>佐平次さんへ

「オーバーシュート」の危険性は、先週だってあったはずですね。
なぜ、連休前に緊急要請しなかったのか。
五輪延期の確定を待っていたのです。
東京の感染拡大の犯人は、安倍と小池です。
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by kogotokoubei | 2020-03-26 20:36 | 事件 | Comments(2)

落語のことを中心に、ときたま小言や独り言。


by 小言幸兵衛