ウイルス、そして感染症について学ぶ(2)-石弘之著『感染症の世界史』より。
2020年 03月 25日
しかし、あくまで「自粛」なのである。

石弘之著『感染症の世界史』
2014年に洋泉社から発行された後、2018年に角川ソフィア文庫で再刊された石弘之さんの『感染症の世界史』からの二回目。
「第一部 二十万年の地球環境史と感染症」の「第一章 人類と病気の果てしない軍拡競争史」より。
約二十万年前、アフリカで誕生した現世人類の祖先が、十二万年ほど前にアフリカから移動を始めた。
その理由は、いくつか考えられるとして、次のような要因が挙げられている。
・野生動物を食べ尽くした
・気候や環境の変動に追われた
・他の霊長類に敗れた
あるいは
・感染症から逃れるため
ともかく、ご先祖様は、大移動を始めた。
移動には、わずかな道具、武器、生活用具えお背負い、言語、技術、神話、音楽、信仰なども新たな土地へ運んでいったことだろう。意図せざるお供もいた。ネズミ、ゴキブリ、ダニ、シラミ、ノミ、寄生虫などの小動物。さらに目に見えない膨大な数の細菌、ウイルス、原虫、カビなどの微生物も人や動物に寄生して移動した。
微生物に大部分は無害だが、病気を起こす「病原性」を持つものもあった。たとえば、ウイルスは生物と非生物の両方の性質を併せ持ち、インフルエンザや風疹やヘルペスなど多くの病気を引き起こす。
細菌はバクテリアともよばれ、細胞分裂で増殖する単細胞生物。ピロリ菌や結核菌など多彩な顔ぶれだ。さらに、マラリアやアメーバ赤痢などを引き起こす原虫。このほかにも、水虫の原因になる真菌、肺炎やツツガムシ病を引き起こすリケッチアなどの病原性微生物が知られている。
こうした微生物のなかには、狩猟時代には野生動物から、定住農耕生活に入ってからは家畜からも人に宿主を広げたものが多い。新たな土地に進出した人類は、気候風土や新たにつくりあげた文化に適応するために肉体を進化させた。野生動物や家畜から人体にすみかを替えた微生物も、同じように宿主の進化につれて変わっていった。
人類の移動に伴い、小動物や寄生虫、そして、ウイルスを含む膨大な微生物も移動した。
ウイルスは、必ずしも悪い奴ばかりではない。
人の遺伝情報(ゲノム)が2003年にすべて解読されてから、たんぱく質をつくる機能のある遺伝子はわずか1.5%しかなく、全体の約半分はウイルスに由来することがわかった。多くは「トランスポゾン」といわれる自由に動き回れる遺伝子の断片だった。進化の途上で人の遺伝子に潜り込んだものだ。過去に大暴れしたウイルスの残骸かもしれない。
生命の誕生においても、ウイルスは重要な働きをしている。
胎児の遺伝形質の半分は父親由来なので、本来なら母親は拒絶反応を示すはずである。
なぜ、胎児は、守られているのか。
拒絶反応を引き起こす母親のリンパ球は、一枚の細胞の膜に守られて胎児の血管に入るのが阻止されていた。1970年代に入って、哺乳動物の胎盤から大量のウイルスが発見された。1988年に、スウェーデン・ウプサラ大学のエリック・・ラーソン博士によって、この細胞の膜は体内にすむウイルスによってつくられたものであることが突き止められた。つまり、ウイルスは生命の本質部分をにぎっていることになる。
ということで、ウイルスは、必ずしも“悪役”ばかりではない。
しかし、もちろん、悪役もいる。
これまで発見されたウイルスは、約5400種。
しかし、これはほんの一部でしかない。
さまざまなウイルスを運ぶことで知られるインドオオコウモリから、五十八種のウイルスが見つかっている。約5900種の既知の哺乳動物が、それぞれ五十八種の固有のウイルスを保有していると仮定すれば、ウイルスは少なくても34万種は存在することになる。もしも約6万2000種の既知の脊椎動物にまで拡大すると、360万種にもなる。
ほとんどは人と無関係だが、なかにはうまく人体に忍び込んで常在菌として共存するものもいる。やっかいなのは、無害にみえても、断続的に病気を引き起こしたり、突如として病原性を身につけたりするものだ。
未知のウイルスの数も、膨大なのだ。
今回の新型コロナウイルスにしても、ようやく見つかった七種目のコロナウイルス。
人類誕生にとって重要なウイルスもあれば、その生命を奪うことになる悪役ウイルスもある、ということは覚えておこう。
悪役のウイルスにとっても、哺乳類、なかでも人類の体内は、格好の居場所。
温度が一定で、栄養が豊富だから。
そして、人類が森林破壊、都会への人口集中などを進めて結果、ウイルスが生き残る環境が向上した。
人類と感染症の関係も、人が環境を変えたことによって大きく変わってきた。人口の急増と過密化も感染症の急増に拍車をかけている。インフルエンザ、ハシカ、水痘(水ぼうそう)、結核などの病原体のように、咳やくしゃみから飛沫感染するものによって、過密な都市は最適な増殖環境だ。超満員の通勤電車の中で、インフルエンザ患者がくしゃみをした状況を想像してみてほしい。
東京都は、今週末のみで「自粛」は大丈夫、と思っているのか。
ニューヨーク、ロンドン、ミラノ、マドリッド、東京・・・・・・。
過密な都市での感染拡大は、あえて言えば、必然的である。
都知事、そして、首相の後手後手で、五月雨式の対策は、都民や国民よりも、自分のことしか考えていないのではないか、という疑問を抱かせる。
断固とした意思表示と、責任を取る覚悟が、この国のリーダーに、欠けている。
ああ、みんなと語り合いたい。さすがに、モチベーションが切れてきました。テレワークしちゃうぞ(苦笑)もう、好きな落語・JAZZ・相撲・歴史小説に没頭したいです。子供たちも、気持ちが病んでます(涙)
時差出勤の車中です。八割位は座席が埋まり、立っている人もいる。
電車は神奈川、東京にまたがっていますが、なぜ、東京だけが危険?
首都圏全域の首長が、一致団結して対策を施すべきでしょう。
関西も含め、個々の知事のスタンドプレーばかり。
だからこそ、国として断固たるリーダーシップが求められる非常事態なのに、そのリーダーが、スタンドプレーの権化とは。
