人気ブログランキング | 話題のタグを見る

柳家小満んの会 お江戸日本橋亭 3月13日

 昨夜は、8時間のアルバイト後の晩酌でほろ酔いになり、どうせ日曜恒例のテニスが、コロナ対策でクラブが休業なのでと、記事は途中まで。

 さて、あらためて、三百回を超えた本家の小満んの会に、初めて行った記事。

 受付には、久しぶりにお会いする師匠の奥様の姿。
 朝日の記事を読みました、今日で300回なんですか、とお聞きすると、302回目、とのこと。
 
 アルコール消毒液があり、マスク着用での開催。
 
 これは、致し方ない。

 座布団が敷き詰められた客席は、最終的には七十名ほどの入りだったかと思う。
 いかにも、常連さんと思しき人たちが大半。

 さて、マスクだらけの客席での会が、始まった。
 
柳亭市松『道灌』 (15分 *18:30~)
 これまで何度か聴いているが、これだけ反応のないことは初めて。
 教科書通りとも言える語りで、実に真面目な高座なのだが、小満ん目当てのご通家ばかりの客席は、びくともしない^^

柳家小満ん『ふぐ鍋』 (20分)
 マスクだらけの客席を見て、「美人が増えた」で笑わせる。なるほど、同感^^
 「目が大事ですね」などにも、いやらしさが微塵も感じられないのが、品のある噺家さんの証。
 そのあとには、ネタにふさわしいマクラが続く。
 「片棒で かつぐ夕べの ふぐ仲間」
 「名古屋ふぐ」---身の終わり(尾張)
 なんて科白で、市松の高座でびくともしなかった客席が湧く。
 また、その笑いのタイミングなども、実に、良いのである。
 幇間の一八が旦那を訪ねて、本編の始まり始まり。
 出された小鉢を一八が見て、「このわた・・・いや、このこですね」と喜んで、爪楊枝でつまみながら、次に出された鍋を見て、「旦那、なんの鍋ですか、これは」に、「いいいから、食べな」と、旦那。
 しつこく聞く一八に旦那も負けて「テツだよ」。
 「テツ・・・鉄鍋ではないでしょう、土鍋」に旦那、「ふぐだよ。ちゃんと料理屋から取り寄せたものだから、安心して食べな」。
 しかし、そうは簡単に箸をつけない一八。もちろん、旦那も一八を毒味にさせるつもりだから、食べはしない。
 この二人のやりとりの間に、おこもさん(乞食)登場。
 ということで、この噺は新たな展開を迎える。
 旦那が、まず乞食に食べさせて様子を見ようと思いつき、一八に丼ぶりにふぐをよそえ、と言う。 
 この時、一八が「では、旦那の箸で」という場面で、私も含め客席爆笑。
 後半のあらすじは、ブログ読者の皆さんには必要ないだろう。
 旦那と一八のやりとり、まさに軽妙洒脱。
 加えて、高座と客席とのキャッチボールが、実に良いリズムで進むのだ。
 想い出すと、昨年1月、関内の会終了前の会でもこの噺があった。
 今、日々消滅する脳細胞を奮い起こしてみて、あの高座で客席とこれほどの一体感があっただろうか。刈り込んだ高座も良かったはずだが、客席との一体感は違う。 
 さすが三百回の日本橋、と実感した一席、文句なく今年のマイベスト十席候補とする。

柳家小満ん『越の海』 (23分)
 一度下手に下がって再登場。
 寛政期に江戸の相撲は人気になってと、この噺へ。
 初めて聴く。
 元は、講談ネタ。実在の力士の話らしい。
 こんなあらすじ。
 相撲が盛んであった寛政年間は、元年に横綱になった谷風梶之助や、小野川喜三郎、雷電爲右エ門などそうそうたる力士が活躍した時代。その時代は、現役の力士も部屋を持つことができた。鳥越に部屋を持つ柏戸が、越後直江津、当時の今町に巡業に行った。
 地元の勇蔵という子がいた。身の丈五尺五分(約150cm)ほどしかないのに、体重が三十四貫(約130kg)もあるという体つきである。ほぼ四角い体。どうしても勇蔵が相撲とりになりたいと言うので、そのうち諦めるだろうと、江戸まで連れて帰った。
 江戸の町を歩いていても、水ガメに手足、提灯の化け物、などと冷やかされ、こんな妙なのと稽古をして怪我でもしたら大変と、相手にしてくれる力士はいない。
 ある日、江戸の相撲を見たい勇蔵は、兄弟子たちの稽古に無理矢理ついて行った。
 その土俵でぶつかり稽古に胸を貸していたのは、横綱谷風。若い力士連中は、谷風にまるで相手にならない。
 勇蔵は行司の木村庄之助から、あれが横綱の谷風であることを教えられる。勇蔵は自分も力士であると告げ、なんと谷風と対戦することになった。親方譲りの廻しを締め、谷風との勝負が始まる。勇蔵は「ダダダダダーッ」と一気に頭突きで突進し、驚く谷風を押し出した。
 次に、身長2メートルを超える雷電爲右エ門と対戦。勇蔵、また「ダダダダダーッ」と突進し、雷電も押される。谷風は感心した。このことを知った親方の柏戸も勇蔵をあらためて弟子と認めた。
 越後出身なので、越の海と名乗り活躍し、小結の座を五年間譲らなかったという。
 
 ややうろ覚えな点もあるが、こういう出世噺。
 とにかく、小満んが、実に嬉しそうに「ダダダダダーッ」とやってくれるのが楽しく、客席一体となった笑いの中で、初めての相撲噺を聴かせてもらった。
 横で大きく頷きながら聴いていたのが、相撲大好き、ミニたにまちのYさん^^

 ここで仲入り。
 外の空気を吸いに。
 中は、けっこう蒸し暑い。マスクも外さないとね。

 では、三席目。

柳家小満ん『首提灯』 (30分 *~20:14)
 剣の達人に斬られると斬られたことが分からない、とマクラをふって『胴切り』を挟んでからネタ出しの本編へ。二席聴けて得した気分。
 田舎侍に毒づく江戸っ子の酔っ払いが、いい。
 博打で金が入って品川宿のなじみの女の所へ遊びに行く途中。酔いもあるし、機嫌もよく気も大きい。芝山内の追いはぎの出るというさみしい所へさしかかると、「おい、待て」と声がかかる。「何かようか、おじさん」と答える。「おいと言うから、おじさんだ」でも笑える。
 田舎侍と見くびった男は、「かんぱらちんき」など悪口雑言を浴びせた末に調子に乗って侍に唾を吐く。堪忍袋の緒が切れた田舎侍、抜き手も見せない居合で、男の首を斬って、鼻歌まじりに去って行く。この鼻歌「徂徠の待ちかねた豆腐」というような歌詞だったように思うが、自信なし。
 そこからは、生の落語でしか味わえないのが、この噺。
 男の首が、あらあら、大変なことに。
 その仕草で、客席も大爆笑。
 江戸っ子が活躍する噺は、小満ん、外れがない。

 三席とも、しっかり楽しませていただいた。

 さて、リーダー佐平次さん不在の六人での居残り会は、都内に詳しそうなOさんに店探しをお願いしていた。

 徒歩数分の、串焼き屋さんは、結構なにぎわい。
 そろそろ、世の中は閉塞感に耐えられなくなってきているのだよ。
柳家小満んの会 お江戸日本橋亭 3月13日_e0337777_10533561.jpg

柳家小満んの会 お江戸日本橋亭 3月13日_e0337777_10531788.jpg

 備長炭にこだわった串焼き、なかなの刺身、などなど美味しい肴に、落語や何やらの会話が弾む。後半は、ホッピーだったなぁ。

 Nさんからは、和菓子のお土産まで頂戴してしまった。

 もちろん(?)、帰宅は日付変更線を超えたのであった。

 世の中がなんとも息苦しい中、小満ん落語の原点、聖地を訪ねることができた、思い出の一日となった。

Commented by よっしー at 2020-03-15 11:35
小満ん師の、懐の深さを改めて実感した一夜でした。落語は、こうあるべきと思わせていただきました。笑わようと、無理な演出をする噺家さんが増えてきたような今日この頃。小満ん師の「存在」は大きいです。楽しかったですね。
Commented by saheizi-inokori at 2020-03-15 11:53
くーっ!
わたしは横浜小満んの会をリンクしましたよ。
Commented by kogotokoubei at 2020-03-15 12:51
>よっしーさんへ

高座に酔い、居残り会でも酔いましたね^^
五月も行きたいね。
Commented by kogotokoubei at 2020-03-15 12:52
>佐平次さんへ

あら、なんと三年前の^^
次回は、ぜひご一緒しましょう!
Commented by 彗風月 at 2020-03-16 00:34
みんなそろそろ飽きて来てるんじゃないですかね。安倍ちゃんのがっかりな発言とは別に、自分たちの範囲で出来ることはしてもいい気がしています。
Commented by kogotokoubei at 2020-03-16 08:36
>彗風月さんへ

おっしゃる通りですね。自分の身は自分で守るしかないのでしょう。
あのお店の選択は、Good!でした^_^
名前
URL
削除用パスワード

※このブログはコメント承認制を適用しています。ブログの持ち主が承認するまでコメントは表示されません。

by kogotokoubei | 2020-03-15 11:11 | 寄席・落語会 | Trackback | Comments(6)

あっちに行ったりこっちに来たり、いろんなことを書きなぐっております。


by 小言幸兵衛
カレンダー
S M T W T F S
1 2 3 4 5 6
7 8 9 10 11 12 13
14 15 16 17 18 19 20
21 22 23 24 25 26 27
28 29 30 31