立川談志著『食い物を粗末にするな』より(1)
2020年 01月 08日
1月2日の記事で、岩室温泉と立川談志との縁をご紹介した。
その際、家元には食べ物を粗末にすることを批判する著書があると書いた。
その本のこと。
立川談志著『食い物を粗末にするな』
『食い物を粗末にするな』は、2000年3月に講談社+α新書での発行。
副題に、「並の日本人」の食文化論、としてある。
「まえがき」より。
世の中、食い物が有り余っている。
デパートの地下の食料品売り場、空港の土産物売り場、スーパー。地方に行くと、海岸辺(べり)にゃ、“いま、そこで獲れた”といわんばかりの海産物、山ン中の道にゃあ山菜だ、野菜だ、果物だ、・・・・・・と。日本中、食い物のオンパレードとなっている。
それを見ている家元と称する落語家立川談志にとっては、物資(もの)の無い戦中、戦後を過ごしてきた故か、一口に言うと“ぞっ”とする。
談志は、昭和十一年生まれ。
食べ盛りの時期に、戦前、戦中に過ごしている。
引用を続ける。
怖いのだ。落語に『饅頭怖い』があるが、食い物怖い、日本怖い、と恐怖を感じる。何なのか、“有り難い”より、“怖い”のだ。
ということは“いいのかなァ、こんなに食い物が有り余って・・・・・・”というこった。
つまり贅沢。何せ、この家元の幼き頃は「贅沢は敵だ」が国民のスローガンだったのだから・・・・・。
ということで、飽食日本への家元の至言(?)を、次回からいくつかご紹介。
ちなみに、目次はこうなっている。
まえがき
第一章 “捨てる”“残す”に腹が立つ
第二章 この世で一番美味いもの
第三章 食いたきゃ己(おのれ)の手で作れ
第四章 貧乏人の成り上がり発想
第五章 この世の終わり、最後の晩餐
あとがき
さて、どこからにしようか。
“捨てる”には忍びない部分もあるし、“残す”のもどうかと思う内容が、たくさん^^