池袋演芸場 十一月下席 昼の部 11月27日
2019年 11月 29日
佐平次さん、I女史と三人が、正しく(?)居残り会、ほかに四名の方と、あとで桜新町の「はじめ」で合流するのであった。
久しぶりに白酒を聴きたかったし、他の顔ぶれも悪くなかったので、お誘いした次第。
また、池袋の下席の昼は、二時から五時まで、木戸銭二千円、という気軽さが好きだ。
少し早めに着いて、テケツが開くのを待った。一時十八分にテケツが開いた時の行列が、ざっと二十五人ほど。とはいえ、二番前の方が「大人十枚」とのことで、団体さんの代表の方もいらっしゃった。
地下へ降り、会場へ。前から二列目の中央を確保し一服。
喫煙室ができ、以前のように楽屋脇の長椅子に座りながらとはいかなくなったのが、愛煙家としては、残念。
席に戻ると、一列目と二列目の私の隣まで、団体さんだった。
どういうお集まりかは知らないが、なかなか趣味の良い(?)ご一行^^
さて、佐平次さんI女史の席は、大丈夫かな、と思ったが、お二人とも無事着席。
最終的には、空席が十ほどあったかどうか、という、まずまずの盛況ぶり。
出演順に感想などを記したい。
桃月庵あられ『二人旅』 (13分 *13:47~)
初。協会のホームページによると、昨年白酒に入門しているが、前座は今年に入ってからのようだ。白酒が以前マクラで言っていた「待機児童」の一人だったわけだ。
見た目はがっちりとして、古風な噺家らしさがある。高座は、まだ論評する段階ではないが、頑張っていただきましょう。
桃月庵白浪『牛ほめ』 (15分)
今年五月に二ツ目となり名前が替わった。ひしもち時代に二度聴いている。
あられとは好対照で、なんともひ弱な見た目。しかし、それに反するしっかりとした口調とのギャップが持ち味となるように思うが、この高座では、まさに見た目と同じような与太郎が主役。前の印象の方が良かったかなぁ。
古今亭ぎん志『町内の若い衆』 (15分)
縁があって、国立の真打昇進披露に行った人なので応援したい気持ちはある・・・のだが、どうしても小言になってしまう。
表現が難しいのだが、テレのようなものが途中で何度か感じられる。
もっと、堂々と演じて欲しい。メリハリもなく、なんとも締まらない印象。
真打はスタート、ということで、一層の精進を願いましょう。
古今亭菊生『権助魚』 (15分)
実に久しぶり。調べてみたら、2013年の9月池袋(『新聞記事』)、10月末広亭(『鮑のし』)と二度聴いて以来。
ずいぶん上手くなったなぁ、と少し驚く高座。
六年前は、無駄とも思える間もあり、リズムが良くない印象だったが、人物描写もしっかりできているし、科白回しのリズム、間も良い。
主役の権助が光る。旦那の偵察に行けと女将さんに言われ、「おら、村でジェームス・にかわ、と言われていた」というクスグリに、笑ってしまった。脇役の魚屋も楽しく演じた。
父であり師匠だった円菊の重みから脱することができた、そんな印象の好高座。
一門の兄弟子、菊丸にも似た芸の冴えを感じた。
マクラで言っていた「頭の中には三百席入っています・・・すぐできるのは・・・二席」というネタ、使わせてもらおう^^
ニックス 漫才 (15分)
十八番の旅館ネタ。
ウェルカムドリンクが豊洲の地下水、というのは、何度聞いても笑える。
妹の「そーでしたか」の科白を使いだしてから、この二人の漫才は、ずいぶん良くなったと思う。
三遊亭歌武蔵 漫談 (13分)
歌舞伎座の客と池袋との比較や相撲ネタの十八番で客席を爆笑させる。
ここまでくると、一つの芸だなぁ。
金原亭伯楽『親子酒』 (19分)
仲入りは、この人。
少し「いだてん」のことにふれて酒にまつわる逸話など、大師匠志ん生の思い出。漫談のままかな、と思ったら、この噺へ。
マクラが10分近かったので、短縮版ではあったが、なかなか味わい深い高座。
登場した時は、痩せたなぁ、と思ったが、昭和十四年、傘寿ならではの枯れたマクラと本編を堪能した。
寄席の逸品賞として色を付けておこう。
さて、喫煙室で、一服。
まだ、狭い隔離された一角に、馴染めない。
蜃気楼龍玉『鹿政談』 (17分)
クイツキは、主任の弟弟子のこの人。
実は、九月の同期会の余興の落語のうち一席を、この人の音源を元に『鹿政談』にしていたので、かけてくれないかなぁ、と思っていたら、なんと大当たり!
余興の際、奉行の根岸肥前守の名が飛んでしまって冷や汗だった^^
なるほど、身振り、手振り、表情が、二列目なので、よ~く分かった。
再来週のテニス合宿で、やらないわけにはいかないなぁ。
むかし家今松『はなむけ』 (13分)
この人の名があったのも、この席に来たかった動機の一つ。
珍しいネタだが、やはり今松で六年前の十月、末広亭で昼夜居続けをした日の昼の部で聴いている。
寄席ならではのネタだと思うが、他に演る人はいるのだろうか。
内容は、金に困った男、ずいぶん前に兄が北海道に旅に行く時に餞別をあげたことを女房が覚えていた。そこで、ケチな兄のところに旅に行くからと嘘をついてお返しをもらおう、と金策に行く。しかし、いくら遠回りに匂わせても、なんとも感じない、ケツな兄。そんな兄弟の会話が、なんとも楽しい。
サゲでは狂歌の応酬。
兄が金を貸してくれないので怒って帰る間際に弟が一発放屁。
弟「旅立ちに オナラ一つの 置き土産」
兄「あまりの臭さに はなむけもせず」
お題は、このサゲから。最後はやや尾篭なネタだが、この人が演ると下品にならない。
鏡味仙三郎社中 太神楽 (12分)
三人で、しっかり。近くの団体さんたちも、喜んでいた。
桃月庵白酒『百川』 (30分 *~17:00)
ブームや不可思議なイベントを少しだけ批判する話からだったが、恵方巻きが下火になって喜ぶのは、大いに同感である。あんなものは、昔はなかった。ともかく、日本人はお祭り好きで、と本編へ。マクラが十分ほどあったので、本編は二十分ほどだったことになるが、基本的な骨子は外したように思えない。それだけ中身が濃かったと言えるだろう。
この人の百兵衛が悪かろうはずがない。「うっ、ひょっ!」で客席から笑いの渦。
百兵衛の「あんでがす?」に河岸の若い衆が「アンデス山脈」などと返すのも、なんとも可笑しい。
若い衆の中の源ちゃんに「源ちゃん、どう思う」と途中で聞くやりとりも、効果的。
そういった独自の演出はあっても、噺本来の味は十分に出されている、さすがの高座、今年のマイベスト十席候補とする。
さて、池袋お開きの後は、桜新町の佐平次さんの地元の「はじめ」で忘年会だ。
池袋の三人に、お店で四人が合流。七人の侍、かな^^
磯野フネさんの看板が待ち受ける「はじめ」は、ご夫婦で心のこもった料理とおもてなしの嬉しいお店。旦那さんが病から復活されるのを待ちわびていた。お元気そうでなにより。
とにかく、食べ、呑んだ。
その料理の写真などは、ぜひ、佐平次さんのブログでご参照のほどを。
「梟通信~ホンの戯言」の該当記事
二次会では翌朝健康診断というIさんを除き、近くのスナックでカラオケ大会。
翌朝は、何を歌ったか覚えておらず、メールでお仲間に確認して、ようやく少しづつ思い出した次第^^
それにしても、落語に歌舞伎に狂言に能にとスケジュールが一杯の先輩の皆さん、お元気ですねぇ!
新年会の相談も出来た。
いやぁ、楽しい落語、そして居残り会でした。
そうなんですか。
楽屋のおじいちゃんたちの楽しみがなくなったんですね^^
末広亭なんかは、どうなのかな。
セクハラなんて言葉が、落語家の世界でも無縁ではなくなってきたということですか。
古今亭は、志ん生が「いだてん」でクローズアップされて(役者がニンかどうかは諸説あるも)今キテいる状態ですね。柳家にきっぱりと対峙しています。
この日出ていない馬石を含め、白酒、龍玉と個性の違う達者な弟子揃いですね。
三遊亭が目立たないですが、同じ系統として古今亭が存在感を出しているのが、今の東京の落語界と言えるかもしれません。
