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噺の話

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柳亭小痴楽、ちい坊の半生記『まくらばな』より(1)

 柳亭小痴楽の単独での真打昇進披露興行は、都内の寄席が昨日でお開きとなり、今日は、大須で昼夜の披露目がある。

 一昨日、海老名で映画「ターミネーター ニュー・フェイト」を観たのだが、映画館に行く前に、駅前のビルにある三省堂で、柳亭小痴楽の『まくらばな』を入手。

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柳亭小痴楽著『まくらばな』

 「まくらばな」は、故人の枕元に飾る花、の意。

 15日に、国立演芸場では買わずに帰ったのだが、やはり、気になった。

 もしかすると、『宿屋の仇討』など、ネタを誰から稽古してもらったのかなども明かされているかもしれない、と思っての購入。

 たとえば、一之輔は、その著作で、昇進披露興行のネタ二十四席について、誰から稽古をつけてもらったかなども明かしていた。『一之輔、高座に粗忽の釘を打つ』については記事にしたので、ご興味のある方はご覧のほどを。
2012年10月8日のブログ

 さて、小痴楽の『まくらばな』だが、どう形容したらいいのだろう・・・・・・。

 半生記、というには、まだ早い。

 もし、その言葉を使うなら、彼の愛称「ちい坊の半生記」、かな。

「まくらばな」というタイトルは、目次でも使われている。

第一章「ま」 前を向いて歩こう
第二章「く」 苦労は明日の夢になる
第三章「ら」 楽に生きたきゃ楽をしろ
第四章「ば」 バレても末に会わんとぞ思ふ
終章 「な」 為せば成る為さねばならぬことばかり
特別収録 澤邊家座談会 もうひとつの「まくらばな」

 まず、「ちい坊」の愛称が登場するお話からご紹介。

 終章の「鮨詰」から。

 あれは二つ目に上がって3年くらい経った時の事だ。
 地方での落語会。移動中の車の中で歌丸師匠が
ーちい坊。二つ目になって何年さ?
ー3年が終わりました。
ーそうか。じゃあ、真打まで後7年くらいはかかるなぁ。ちい坊の披露目には私はいないなぁ。
 そう言われて、思わず私は考えてしまい
ーそうですねぇ。
 と答えてしまった。すると師匠は静かに教えてくれた。
ーちい坊な? いいか? こういう時は、本当にそう思っても「そんな事ありません」って言うもんだぞ? 覚えておきなさい。
ーあ、失礼しました。そんな事ありません!
ー遅い。今の教えにそんな事ありませんって言ってるみたいになっちゃってる!良いか。ちい坊。私の目の黒いうちは絶対ちい坊を真打に上げないからな!
 そう笑ってお話をしてくれた。 去年の2018年の夏、師匠は亡くなった。 
 それから秋に真打の話が出て、暮れに昇進を決めて頂いた。 
 師匠は有言実行だ。でも、歌丸師匠には口上に居てもらいたかったなぁ。
 なかなか、楽しい逸話。

 披露目の口上でも、父五代目柳亭痴楽と前座時代からの仲間である米助や、江戸家まねき猫が言っていたが、多くの芸協の先輩が、彼の子供の頃、あるいは赤ん坊の頃から知っている。

 歌丸さんのように、ちい坊、と呼んでいる人も多いことだろう。

 そういう、あどけなさは、いまだに彼には残っているように思う。

 よって、ちい坊の半生記、ということで、あと二、三紹介するつもり。

 たしかに、今年の披露目、歌丸さんが口上に並んでいたら、どんな話をしてくれただろう、と思う。

 たらればだが、紹介した逸話を、持ち出したかもしれない。きっと、それも楽しかっただろう。


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by kogotokoubei | 2019-11-21 12:23 | 落語の本 | Comments(0)

落語のことを中心に、ときたま小言や独り言。


by 小言幸兵衛