柳家小満ん著『江戸東京落語散歩ー噺の細道を歩く』より(1)
2019年 10月 08日
江戸落語に縁(ゆかり)のある場所に関する本は、数多く出版されている。
その場所を歩いた上で書かれたものも多い。
拙ブログで扱ったものだけでも、次のような書名が並ぶ。
三遊亭圓生著『江戸散歩』
田中敦著『落語と歩く』
河合昌次著『江戸落語の舞台を歩く』
佐藤光房著『東京落語地図』
吉田章一著『東京落語散歩』
北村一夫著『落語地名事典』
池内紀著『はなしの名人-東京落語地誌』
まだ、ご紹介していない大事な本があった。
柳家小満んが「東京かわら版」で連載していた「噺の細道」が河出から書籍化された、『江戸東京落語散歩ー噺の細道を歩く』。
「東京かわら版」への連載が、平成十六年一月からの五年間。
本は、十年前、平成二十一(2009)年の発行。
「はじめに」で書かれているが、書籍化にあたっては、当時、木杳舎の編集者だった野口卓が仲介したとのこと。
野口卓は、その後に『軍鶏侍』や『ご隠居さん』で人気作家となった。ちなみに、野口卓は小満んの独演会にもよくお見えになるようで、落語のネタが満載な『ご隠居さん』第一作の解説は、小満んが書いている。
『ご隠居さん』のことは、そのうち記事にしようと思う。
さて、この本のこと。
せっかくなので(?)、目次を詳しくご紹介。
第一章 日本橋界隈とその周辺
一 日本橋
二 人形町
三 柳橋
四 日本橋三井越後屋
五 霊岸島
六 神田丹前風呂
七 茅場町
八 柳原
九 石町
十 浜町
第二章 上野を中心に
一 上野東照宮
二 湯島天神
三 お富士さん(駒込富士神社)
四 神田明神
五 谷中全生庵
六 小石川是照院
七 上野蓮見茶屋
八 上野芋坂
九 下谷一葉記念館
十 上野浄名院
十一 下谷神社
第三章 浅草近辺
一 浅草寺
二 浅草酉の市
三 浅草駒形堂
四 浅草首尾の松
五 山谷
六 猿若町
七 浅草三味線堀
八 浅草富士横丁
第四章 隅田川周辺
一 両国回向院
二 向島
三 深川小名木川
四 佃島
五 向島百花園
六 新橋浜離宮
七 深川清澄公園
八 亀戸天神
九 永代橋
十 南千住
十一 北千住
第五章 江戸近郊・一
一 王子稲荷
二 高田面影橋
三 赤坂円通寺
四 芝愛宕神社
五 九段坂靖国神社
六 神楽坂
七 巣鴨
八 内藤新宿
九 芝大神宮
十 板橋
十一 神宮前
十二 巣鴨鶏声が窪
第六章 江戸近郊・二
一 目黒不動
二 品川青物横丁
三 川崎大師
四 飛鳥山
五 堀の内
六 白金清正公様
七 品川
八 品川鈴ケ森
目次を読むだけでも、結構、わくわくする。
それぞれ落語に縁(ゆかり)の場所について、小満んならではの、川柳などを含む内容が、楽しいし、ためになる。
関内ホールの小満んの会でマクラで聞いたことを思い出す内容も、いくつかある。
目次だけでも長くなったので、内容のご紹介は、次回より。
さて、どこを散歩しようか・・・・・・。