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噺の話

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BS時代劇、葉室麟作品「蛍草 菜々の剣」(3)

 本日も、BSで「いだてん」から「蛍草 菜々の剣」というゴールデンタイム。

 「いだてん」は、“実感放送”が目玉だったねぇ。

 とはいえ、全般的にシリアスな内容で、五輪の光の部分を、陰で支えた多くの人たちがいたことが伝わってきた。
 
 そして「蛍草」は、佐知と菜々の悲しい別れ、だった。

 二人をつなぐものとして、原作とは違う脚色だが、蛍草の押し花。
 
 映像用の脚色として悪くない。
 
 原作では、蛍草について、菜々には佐知とには、こんな思い出がある。

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葉室麟著『蛍草』
 『蛍草』は、双葉社から2012年に単行本、2015年に文庫化された。

 葉室作品には、効果的に和歌などが素材となっているが、この作品にも登場する。

 庭で露草を見てしばらくたったころ、菜々が台所で水仕事をしていたおり、佐知が部屋に来るよう告げた。何の用事かと行ってみると、佐知は書物を広げて菜々に見るように勧めた。
 和歌がいっぱい書いてあるらしいが、菜々は和歌を学んだことがないので戸惑った顔をしていると、佐知は指差して、
「ここを読んでごらんなさい」
 と言った。菜々は、たどたどしく声に出して読んだ。

 月草の仮(かり)なる命にある人をいかに知りてか後も逢はむと言ふ

 という和歌だった。万葉集に作者不詳としてある歌だという。
「庭の露草は蛍草とも月草とも呼び名があると話しましたが、これは月草を詠っていますから、蛍草の歌でもあるのです」
 佐知はそう言って、和歌の意味をよくわかるように説いてくれた。
 露草の儚さにたとえ、わたしには仮初(かりそ)めの命しかないことを知らないのだろうか、後に逢ほうとあの方は言っているけれど、という意味だという。
 菜々がいまひとつ意味をつかみかねて首をかしげると、佐知は微笑んで、
「一夜の逢瀬を重ねた後、女人が殿方から又会おうといわれた際に、わたしは露草のように儚い命なのに、また逢うことなどできるのだろうか、と嘆く心を詠った和歌かもしれませんね」
 佐知が説いてくれる話を聞いて、菜々はせつない心持ちがした。
「菜々にはまだ早いかもしれませんが、ひとは相手への想いが深くなるにつれて、別れる時の辛さが深くなり、悲しみが増すそうです。ひとは、皆、儚い命を限られて生きているのですから、いまこのひとときを大切に思わねばなりません」
 佐知にそう言われて、なぜか目に涙が滲んできたことが脳裏によみがえった。

 この和歌は、原作では、大事なある場面で再登場することになる。

 もしかすると、この作品は、この和歌が発想の元だったのか、などとも思っている。

 ちなみに、原作には、悪徳商人の日向屋の主人は出てこない。
 本田博太郎、あまりにも、ニン^^

 次回は、今回最後の場面の結果から、風早家の一大事となるのだが、新たな個性的な人物も登場するようで、楽しみだ。
NHKサイト「BS時代劇 蛍草 菜々の剣」のページ

Commented by 山茶花 at 2019-08-12 17:33 x
第3回、奥方佐知との悲しい別れ。そして轟の魔の手が迫っているという恐ろしさ。

北村有起哉さん演ずる轟の底知れぬ恐怖を感じさせます。同じ時代でも「ちかえもん」の時とは大違いです。目の演技が上手いんでしょうね。枝雀さんもよく目で演技をされていました。橋田ドラマでは必要とされない演技です。橋田ドラマは、洗い物をしながら声だけ聞いていても内容が判る様に長台詞なんだそうで、目の表情での演技など必要としないんだとか。

そして対照的なのが濱田マリさん演ずるお骨さん。この人も緊張の緩和を担う人ですね。考えてみれば、果耶ちゃんも濱田さんも松尾さんも谷村さんも関西人です。きっと関西弁が飛び交った事でしょう。カメラが回っていない処では、ケラケラと笑いながら。

お骨さん、こめかみに膏薬を貼っていますが、おそらく片頭痛持ちですね。私も片頭痛があるので、処方薬を飲んで家にいる時はサロンパスを小さく切って両こめかみに貼ります。亡き父によく「意地悪ばあさんか」と笑われましたが、こめかみがズキズキする時はこれが効くのです。お骨さん、きっと商売上ストレスが多くて片頭痛が起きるんでしょうね。意地悪婆さんも嫁いびり他近所の人にも意地悪をしている割にストレスがあるんでしょうね。(^▽^ケケケ

予告で来週が楽しみですが、前作「大富豪同心」や「小吉の女房」の様なコメディタッチではないだけに、ワクワクではないですが。
Commented by kogotokoubei at 2019-08-12 21:11
>山茶花さんへ

次第に、佳境に入ってきましたね。
北村有起哉は、お父さんとは違う個性で、渋い役者になってきましたね。
お骨さん、旦那が亡くなって、必死に質屋の勉強をした人なので、頭痛もあることでしょう^^
そうか、谷村さんも関西か。
予告は、踊ったり、楽しい人形のおまけはありませんが、それは、やはり葉室作品ですから、許してください^^

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by kogotokoubei | 2019-08-11 21:18 | ドラマや時代劇 | Comments(2)

落語のことを中心に、ときたま小言や独り言。


by 小言幸兵衛