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圓生が語る、落語研究会の歴史(6)ー『江戸散歩』より。

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三遊亭圓生『江戸散歩』(P+D BOOKS)
 
 このシリーズ、最終の六回目。

 圓生と志ん生が満州に行っている間に、第三次落語研究会は短い歴史を閉じたことが、前回まで。
 では、その後。

 それから志ん生やあたくしが満州から帰ってきましてから、第四次落語研究会というものができました。これものちに出演料云々のことでもってつぶれてしまって、それで現在の落語研究会は第五次になります。今の国立劇場(こくりつ)でやっておりますが。

 あら、第四次については、ほとんどスルーか^^

 ということでWikipediaの助けを借りて、少し補足したい。
Wikipedia「落語研究会」

第四次

1948年~1958年
全115回開催
旗揚げ 1948年10月9日 千代田生命ビル[10]七階講堂

会場 千代田生命ビル
神田須田町 立花 (1954年廃業)
東京ヴィデオ・ホール(1954年12月~)[11]

最終興行 1958年4月19日

発起人 林家彦六
6代目春風亭柳橋
8代目桂文楽
5代目古今亭志ん生
3代目三遊亭金馬
2代目三遊亭円歌
6代目三遊亭圓生

賛助会員 7代目林家正蔵
5代目柳亭左楽
8代目桂文治
2代目桂小文治
6代目三升家小勝
3代目桂三木助
初代柳家権太楼
5代目古今亭今輔
3代目三遊亭小圓朝
8代目三笑亭可楽
5代目春風亭柳好
8代目春風亭柳枝

主事 今村信雄

解散の理由 発起人の中に、ギャラが安すぎるという理由で出演拒否する者が現れ、金銭関係で内部で衝突がおこったため。
 圓生自身も発起人の一人で、10年も続いた会だったのか。

 あくまで『江戸散歩』という本の「日本橋」の章での記述なので、第一次落語研究会が主体となっていることは分かるものの、第四次への記述の少なさは、疑問。

 引用した文の次に、今に続く第五次について圓生はこう書いている。

 これは本当のことを申しますと、あたくしは反対をしたんです。落語研究会という名前をつけるにはもっと若手の人を選(すぐ)ってですね、やはりこの人ならば将来伸びるという人を、落語研究会というものをばその若い人達にやらして、それからあと旧来、落語研究会に関係のあった者は代りばんこか何かで、一人ずつとか、あるいは二人ずつぐらい賛助という名目で出をして、若い人の手に委ねた方があたくしはいいという、論をはいたんですが、死んだ文楽さんが、「いやァ、どうせやるんならば落語研究会という立派な名があるんだから」それでやりたい、とこういうわけで。

 文楽には、圓生もさからえなかった、ということか。
 
 実は、この後、第四次についての批判が登場する。

 それは名前も立派で会も立派なんだけれども、第四次なんぞもやっぱりだらしのない事をした、いわば上部(うえ)の人があまりだらしのない事をしすぎたからつぶれてしまった、お客様もだんだん来なくなった・・・・・・。名目だけは会員になっていて、さらに出を演しないてェ者が多くなってきちまった。だからそのまた轍をふむのはあたしは厭だから、そういうふうに新たにやったらどうかと云うんですが、「そりゃやっぱり落語研究会と云えばお客様の方でも、古いかたは名前を知っているから」というわけで、それが現在の国立劇場(こくりつ)に残っておりますあの会なんですが。
 実際に会員の中の誰が出演せず、出演料をめぐる騒動の主も書かれていないが、圓生にとっては、それすら思い出すのも嫌だったのかもしれない。

 さて、つい長くなったシリーズ、圓生の言葉も借りて、お詫びしよう^^

 日本橋でやったという常磐木倶楽部がありますから、その話に触れたわけですが・・・・・・大分長くなってすみません。この辺で橋を渡ることにいたします、向うがわへ・・・・・・。

 来週23日、613回目の第五次落語研究会は、次のように案内されている。
「TBS落語研究会」のサイト

【演者】
三遊亭歌太郎   「磯の鮑」
林家たけ平    「扇の的」
柳家權太樓    「短命」
柳家小里ん    「一人酒盛」
古今亭志ん輔   「唐茄子屋政談」

 私は行かないが、なかなかの顔ぶれではないか。

 しかし、仲入りで帰るお客さんも少なくないからなぁ。

 志ん輔の唐茄子屋、通しに違いないから、ぜひ権太楼の後に帰ろうと思っている方もトリまで残って欲しいものだ。

 それだけ、落語研究会のトリが大事であることは、このシリーズでご紹介した通り。

 ということで、これにてこのシリーズお開き。
 長らくのお付き合い、ありがとうございます。

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by kogotokoubei | 2019-07-20 09:07 | 落語の本 | Trackback | Comments(0)

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