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噺の話

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小燕枝が、小三太だった頃ー『落語界』No.24(昭和54年11月号)より。

 先月二度行った寄席で、二度とも聴くことのできた柳亭小燕枝。

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 先日、『落語界』の第24号、昭和54(1979)年11月号から、笑福亭松之助に関する記事を紹介した。
2019年6月21日のブログ

 同誌に、当時の二ツ目、小三太の記事が載っていたことを思い出した。

 これが、「若手ずうむあっぷ」という連載記事で掲載されていた写真。若い!

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 昭和20年生まれなので、当時はまだ、34歳。

 真打昇進を目前に控えた小三太を取り上げていたのだ。
 筆者は、演芸評論家の中野良介さん。

 ご紹介する。

「人間辛抱だ」の十五年選手

 小さん一門といえば落語界の最大所帯。孫弟子まで数えると五十人近い。小三太は、その十六番目。真ん中より少々上の十五年選手である。

 あら、先日の池袋の高座では、十八番目、とおっしゃっていたなぁ。
 まぁ、細かい(?)点は、よしとしよう。
 小団治が今秋の真打昇進のあとは一門の域にとどまらず落語協会の二ツ目勢筆頭を占める。いいかえれば真打への最短地点に到達したといえる。ここで年功序列やランクをどうこうするつもりはないのだがー。
 この数年の春秋に、とかくの批評を浴びながら続いた“集団真打昇進”が今回で終わるという。あとは実力・人気重点に戻って「二年後、小三太と春風亭小朝を昇進させる」という噂について確かめたいと思う。
「どうなりますか、正直いってそれは気にしてないンです。師匠から何もきいていないし、一人で思ってもどうなるもンじゃないしネ。好きなことをやってるンですから、それで充分」というのが当人の心境。

 結果として、小三太は、翌昭和55年に真打昇進し七代目小燕枝を襲名。
 とはいえ、小朝の三十六人抜きがあったので、話題はそっちに持っていかれたと思う。 
 小三太時代、昭和47(1972)年の第一回NHK新人落語コンクールで優勝している。
 小朝が優勝する六年も前のことだ。

 香盤順だけでなく、実力もしっかりあった若手だったということ。

 この記事では、一度はお姉さんが勤務していた百貨店に勤めたものの、落語家を目指して辞めたことや、そのお姉さんが彼の給料を天引きで貯めていてくれたことや、奥さんのことなどが書かれている。

 そして、最後の部分。

ー最近仕込んだネタは?
「小さいのが多く『麻のれん』『元犬』『阿武松』あたり」
 一方、大ネタ専門に挑戦しているのが馬太呂(現馬好)ぬう生(現圓丈)と組んで四年目の「とんでけ!御三家の会」(次回十月二十五日・大山落語亭)なのだ。
 私が一度だけ聴けた(一度しか聴けなかった)馬好の名も出てきた。
2019年3月27日のブログ

 圓丈が昭和53年、馬好が翌54年、そして、小燕枝が55年の真打昇進。
 三遊亭、柳家、金原亭だから、“御三家”か。
 

 この記事を読んで、“好きなことやってるンですから、それで充分”という言葉は、きっと、その後も変らぬ彼の心境ではないかと思った。

 なかなか、そういう了見にはなれないものだ。

 今年七十四歳。

 今後もぜひ聴き続けたい噺家さんだ。

Commented by at 2019-07-04 06:35 x
好きなことを、の確信があれば、という話、尊いと感じます。
正蔵と二人会をしていたのも、正蔵が小燕枝の話芸を尊敬しているからだろうと思います。
寄席ではよく「長短」を聴きます。

Commented by kogotokoubei at 2019-07-04 08:48
>福さんへ

先日の池袋での『長短』も良かったですが、末広亭で聴いた『宗論』も、楽しかったです。
落語の世界に入れた背景に、お姉さん、お兄さんの協力があったことへの感謝の念も、今でも忘れていないのでしょう。
Commented by YOO at 2019-07-04 10:46 x
小燕枝と小朝が真打ち昇進する前に、鈴本でこの二人の会がありました。小朝目当てで行きましたが、初めて聴く小燕枝の、地味ながらもその上手さにビックリしました。この時から本格的?な落語好きになったような気がしています。今でも寄席で聴くと、とても得をした気分にさせてくれる噺家さんです。
Commented by kogotokoubei at 2019-07-04 22:12
>YOOさんへ

そうでしたか。
小三太時代に、お聴きになられたのですね。羨ましい!
その頃、私は新潟にいました。
落語とは、離れていたなぁ。
私も、南喬、小里んなどとこの人は、寄席の顔付けでその名があると行こうかと思わせる噺家さんの一人です。
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by kogotokoubei | 2019-07-03 21:36 | 落語家 | Comments(4)

落語のことを中心に、ときたま小言や独り言。


by 小言幸兵衛