『三軒長屋』のようには笑えない、大阪の“引越し”ー毎日新聞「余録」より。
2019年 03月 07日
毎日新聞の該当コラム「余録」
余録
三軒続きの長屋の右隣は….
毎日新聞2019年3月6日 東京朝刊
三軒続きの長屋の右隣は鳶(とび)の頭(かしら)で若い衆の出入りがうるさい。左隣は侍(さむらい)が剣術を教えていて稽古(けいこ)の音がやかましい。真ん中の家にすまわせた妾(めかけ)に引っ越したいと言われた伊勢屋、両隣の追い出しをはかる▲両隣はこのたくらみを察知したが、双方ともにあっさりと金を受け取って引っ越すという。伊勢屋が「どこへ」と頭にたずねると「へえ。あっしが剣術の先生のところへ越して、先生があっしのところへ」。落語「三軒長屋」である▲さて、こちらは引っ越しを頼んでもいないのに、勝手に入れ替わるつもりらしい。松井一郎(まつい・いちろう)大阪府知事と吉村洋文(よしむら・ひろふみ)大阪市長がこの8日にも辞職表明し、4月の統一地方選で知事選に吉村氏が、市長選に松井氏が出馬する構えだという▲この奇計、目的は両氏の率いる大阪維新の会の看板政策「大阪都構想」の実現である。都構想は4年前の住民投票で否決されたが、その再投票実施へ向けた公明党との協議が不調となり、民意をダブル首長選で問うというのである▲ポストの交換は、出直し選では当選しても両氏とも今年中に任期が切れるという法の規定への対策らしい。当選すれば4年の任期をまるまる確保でき、無駄遣い選挙との批判も避けられる「首長入れ替わりの術」の一挙両得(いっきょりょうとく)である▲何が何でも住民投票の再実施という維新の意気込みのほどはよく分かった。だが知事や市長のポストなど長屋の空き家同然といわんばかりの党利党略、有権者が“名案”と感心してくれるかどうかは分からない。
『三軒長屋』と、大阪の選挙の共通点は、どちらもやかましい同志で入れ替わる、ということか。
落語と大きな違いは、落語の方は、お互いが相手の家に引越すという秀逸な奇策のサゲで、聴く者が大いに笑える、また、感心できるのだが、大阪の引越しは、まったく笑えないし、感心できようもない。
コラムニストは、「意気込みのほどはよく分かった」と書いているが、さて、それもどうなのか。
おなじ住民投票でも、沖縄のそれは、住民の意気込みの強さが十分に感じられた。
大阪のそれは、政治家の我侭しか、見えてこない。
住民は、「またかいな!?」という思いの人が圧倒的に多いのではないか。
落語のオチのような策略なのである、その選挙に、オチがつくかもしれないよ^^
もっとも東京だって、都民ファーストだの小池百合子だのに騙されていたんですから、大きな事は言えませんが。
つまるところ、選挙民の民度に帰結するという事でしょう。
選挙民の民度・・・ですか。
悩ましいですね。
そうなると、今の安倍政権を選んだのもそこに行きつくので、私はそうは思っていません。
権力の座にいる者が、やはり問題ではないでしょうか。
