『ハンバーグできるまで』が舞台に!
2018年 09月 02日
なんと、柳家喬太郎の新作落語『ハンバーグができるまで』が、舞台化されるらしい。
引用する。
朝日新聞の該当記事
【「ハンバーグができるまで」舞台化について】
稀代の落語家、柳家喬太郎。本格本寸法の古典落語はもちろん、観客を爆笑の渦にまく、多彩な新作落語も人気、今、最もチケットの取れない落語家の一人です。その柳家喬太郎の新作落語の中でも特に人気のある「ハンバーグができるまで」の舞台化が決定し、来年2019年3月に銀座の博品館劇場にて、全8公演上演されます。
主演であるマモル役には、唯一無二の存在感で、今や、日本映画界に欠かせなくなった俳優、渋川清彦を舞台主演に抜擢。そのマモルの元妻サトミ役を、テレビや映画、舞台など経験豊富な実力派女優、馬渕英里何が演じ、2018年で結成23年を迎える劇団ペテカンがその脇をかためます。脚本・演出は映画そして舞台 柳家喬太郎出演作「スプリング・ハズ・カム」に続き、本田誠人が務めます。
へぇ、なんとまぁ・・・・・・。
私が『ハンバーグができるまで』を最初に聴いたのは、ずいぶん前になる。
2010年2月の、第一回大手町落語会だった。
2010年2月27日のブログ
今では、あのような大ホールの落語会には行っていないので、「あぁ、行ってたんだなぁ・・・・・・」なんて、ちょっと懐かしい思いもある。
その高座に、こんな感想を書いていた。
まず最初にSWA仲間である白鳥の噺のサゲを解説してくれた。それも、この人らしさで。そして、白鳥のネタと同様にプログラムに「お楽しみ」となっていた噺は白鳥に対抗するかのような新作。喬太郎らしい。このネタを聞くのは初めてなのだが、以前に他の方のブログで読んでいた内容からは、部分的に演出が変わっていたように思う。それは喬太郎落語が生きている証拠なのだろう。男と女の物語に味付けされた笑いとペーソス、そして必ずしもハッピーエンドではないリアリズム。彼の新作の中でもこの噺は異質な魅力ももっているように思う。サゲもなかなか洒落ている。発表されてから5年位はたつようなので十分に練れていながらも演出への工夫や演技時間による構成の変化があるのだろう。上手いし強い、というのが今日の喬太郎の印象。
ちなみに白鳥のネタは『はじめてのフライト』。結構大笑いした。
この時書いたとおりで、喬太郎の新作の中でも、少し異質な作品だと思う。
そのリアリズム、ペーソス、なるほど舞台には向いているかもしれない。
先日、AERAの円丈と喬太郎の対談について書いたが、新作落語におけるこの二人の存在は大きい。
そして、白鳥も重要な新作作者で、三三が『任侠流れの豚次伝』を全国で連続口演することも紹介した。
そのネタを他の噺家が演じたくなるような魅力は、舞台や映画にしたくなる作品にまで今後発展していくのかもしれない。
会場の博品館の名を聞くと、どうしても喜多八を思い出す。
さて、博品館が今後は落語の舞台化の定席になるのかどうか。
落語ブームは、新たな次元を迎えた・・・と言うと大げさかな。
聞いてみたいものです。