火星大接近と猛暑のこと。
2018年 07月 25日
毎日新聞のコラム「余録」が、なかなか興味深い内容だった。引用する。
毎日新聞の該当コラム
「この節毎夜二時ごろに現出せる赤色の星を遠めがねにて見れば、西郷隆盛(さいごう・たかもり)氏が陸軍大将の官服を着せる体(てい)なりと。何人(なんびと)がこれを言い出したるか、かかる妄説さえ伝えに伝えて、物干棚(ものほしだな)に夜を更(ふ)かす人のある」▲1877(明治10)年8月3日、「西郷星」の出現を伝える新聞記事である。これ、実は9月3日に地球に最も近づいた火星の大接近であった。西南戦争で政府軍に追いつめられた西郷さんが自刃したのは、同じ月の24日のことだった▲火星が5630万キロの距離まで接近したこの時、二つの衛星が見つかり、「運河発見」の騒ぎもあった。一方、今夏の火星大接近の最接近距離は5759万キロ、西郷星よりは少し遠いものの6000万キロを切る接近は15年ぶりだという▲星の見にくい東京でも、このところ夜になると南東の空でひときわ赤い輝きを見せている火星である。最接近日となる7月31日にはマイナス2・8等にまで明るくなり、見かけの大きさも遠い時の約7倍になって夜半の南の空に輝く▲今では「スーパーマーズ」とも呼ばれる火星大接近だが、最接近後も9月上旬ごろまでマイナス2等を超える輝きを保つという。昔の人が西郷さんや火星人の運河に見立てた表面の模様の変化を天体望遠鏡で目にするチャンスである
月にはウサギ、火星には西郷さんがいる、ということか。
国立天文台のサイトに2003年以降の接近日と距離などが掲載されているので、引用。
国立天文台サイトの該当ページ
年月日 時刻(日本時間) 地心距離 視直径(秒角)明るさ(等)
2003年 8月27日 18時51分 5,576万km 25.1 -2.9
2005年10月30日 12時25分 6,942万km 20.2 -2.3
2007年12月19日 8時46分 8,817万km 15.9 -1.6
2010年 1月28日 4時01分 9,933万km 14.1 -1.3
2012年 3月6日 2時00分 10,078万km 13.9 -1.2
2014年 4月14日 21時53分 9,239万km 15.2 -1.4
2016年 5月31日 6時34分 7,528万km 18.6 -2.0
2018年 7月31日 16時50分 5,759万km 24.3 -2.8
「余録」にも書いているが、次に5,000万km台に接近するのは、2035年。
何気なく調べてみたら、2003年には、ヨーロッパは猛暑で、なかでもフランスで被害が甚大だった。
Wikipediaの「ヨーロッパ熱波(2003年)」から引用する。
Wikipedia「ヨーロッパ熱波(2003年)」
フランス
この熱波の影響で、フランス国内では元々夏に比較的暑くなる地域として知られていたヨンヌ県では、2003年8月初旬に8日連続で40℃以上の気温が観測された。
フランスでは75歳以上の高齢者を中心に14,800人以上が熱波により死亡している。
フランスは、特に北部地域において、夏でも基本的にはそれほど暑くならない。このことが人的被害が大きくなった原因と考えられている。と言うのも、突然の熱波に襲われたため、ほとんどの人が脱水症状に陥った場合の対応ができなかったこと、多くの住宅や施設に空調が備えられていないこと、自然災害や人災による緊急マニュアルが策定されていても高温は対象外であったことが挙げられる。
この熱波をきっかけに、フランス政府は全国熱中症警戒情報システム(SACS)の開発が決定された。
大変だったんだねぇ、15年前のヨーロッパ熱波。
15年前、そして、今年の猛暑、もしかしたら火星大接近が関係しているのかもしれない。
近づいてくるのが、なんたって「火」の星だからね。
ことしは水星も近づいてるのかな。