なぜ、真夏に東京五輪は開催されるのか。
2018年 07月 18日
体温を越える暑さの地域もある・・・・・・。
二年後の東京五輪は、この時期に開催される。
兄弟ブログ「幸兵衛の小言」に、ほぼ一年前に書いた記事と重複するが、この暑さもあって、あえてこの件について。
個々の競技を含む日程は、「2020東京2020」というサイトに詳細が掲載されている。
「2020東京2020」サイトの該当ページ
7月24日が開会式だが、サッカーは22日から始まる。
8月9日が閉会式。
ちなみに陸上のマラソン女子は8月2日で、男子は閉会式の8月9日。
昭和39年の大会は、ご存じのように、10月10日が開会式。
旧体育の日。
なぜ、こんな暑い時期の開催なのか・・・・・・。
日本のJOCは「最高のパフォーマンスをしてもらうため7月24日~8月9日にした」と言っているようだが、猛暑が想定できる季節に、どうやって「最高のパフォーマンス」など期待できようか。
実は、IOCのお達しなのだ。
それには多分に商売の論理が影響している。
IOCは開催都市に立候補する大前提として、7月15日~8月31日で開催することを求めている。
それは、欧米のテレビで五輪の放送時間を確保するためなのだ。
春先はMLBが始まるし、9月に入るとサッカーの欧州チャンピオンズリーグの戦いがあり、米プロフットボールのNFLも開幕する。
IOCが夏にこだわるのは、これらとの競合を避けるためなのである。
要するに、魅力的なプログラムのない“夏枯れ”に、オリンピックを開催させるのであって、そこには、開催都市(国?)の意向などは入る余地がない。
オリンピックという素材をメディアに高く売るための、猛暑での開催なのだ。
かつては、開催国が開催時期を決めることができた。
昭和39年の東京五輪10月開催は、過去の天候を入念に調べ、選手が「最高のパフォーマンス」を発揮でき、また、観客にとっても過ごしやすい季節を優先した。
今日では、選手のことも観客のことも二の次。すべては、商売のためなのである。
では、前回のリオ五輪はどうだったのか。
biglobeの「ZenTech」という旅行に関するサイトに、リオデジャネイロと東京の気温などの比較グラフがあったので、お借りする。
ZenTechサイトの該当ページ
リオ五輪は、8月5日から21日に渡って開催された。
ご覧のように、8月の平均最高気温は、リオの方が東京より大幅に低い。
一年中で、温暖差が少ないとはいえ、リオは南半球にあるから、季節なら冬なのである。
安倍首相が、“原発はUnder Control”という嘘までついて招致した五輪だが、果たして、暑さという自然を、どうコントロールしようとしているのか。
今、体温を越えるかという猛暑の中、「不要不急」の外出を避けるようメディアも伝えている。
二年後のこの時期も、同じような天候が、十分想定できる。
人間的な、そして自然と融和した発想に基づくならば、「不要不急」な場合には外に出るな、と言われるような30度を超える猛暑の時期に、五輪など開催するのは愚の骨頂ではないか。
そもそも、二度目の東京五輪など開催する必要は感じないが、もし、開催するなら、もっと開催する側が主体的に時期なども選べるようにすべきでないか。
IOCの利益のために五輪が存在すること自体が、問題。
百歩譲って夏に開催するならば、少なくとも、国民に熱中症などの被害が出ないように最大限の対策を施して欲しい。
二年後、猛暑の中を東京五輪観戦に出かけることを、政府は「不要不急」と言うわけにはいかないだろう・・・・・・。
来年のNHKの大河ドラマ「いだてん──東京オリムピック噺──」ということです。
古今亭志ん生が語る架空の落語「オリムピックの噺」という形式をとっているらしい。
見てみようかしらん?
「いだてん」は楽しみです。
宮藤官九郎作ですし、中村勘九郎、阿部サダヲ、大竹しのぶなどの芸達者が揃っていますからね。
志ん生をビートたけしというのも、適任ではないでしょうか。
談志役よりは似合っているでしょう。
やはりIOC・JOCも含めて“官制オリンピック”の実体そのもの!
費用は今後も膨らむでしょうね。
さて、二年後、灼熱地獄の東京で、どんな「おもてなし」ができるものやら。
マラソンコースは道路を暑さ対策仕様に変えるようですが、応援する沿道は今のままです。
40度を超える中での屋外競技・・・選手、観客への影響が心配ですね。
終ってから、「もうコリゴリン(五輪)」、なんてことにならなきゃいいですが。
アメリカのケーブルテレビ会社コムキャスト傘下のNBCは、すでに2020年までの五輪の放映権を持っていますが、IOCと2032年までの放映権延長のため7800億円の契約をしました。
まず、このNBCの意向が開催期間を大きく左右していると言えるでしょう。
オリンピックもサッカーW杯も巨額ビジネスとなっているので、必然的に汚職が起こります。
東京開催のためにシンガポールのダミー会社に2億円強の支払いがあったのを、JOCは正統なコンサル料と言って誤魔化しましたが、とんでもない。競争相手のトルコはそのコンサル料とやらを支払わず、日本は支払った。東京開催になった大きな要因でしょう。
今さら開催中止はできないでしょうが、せめて、二年後の開催時点では別な総理であって欲しいものです。