2018年4月、北海道への帰省(5)
2018年 04月 26日
滞在中に書き切れなかったことなどを。


これは、現在閉館中の伊達開拓記念館の前に植えられている、記念樹の松。
明治9年、時の太政大臣 三条実美が伊達開拓村を視察に訪れた時に植えたもの。
明治新政府の立役者の一人と言われる三条実美。
文久3(1853)年の八月十八日の政変で、長州に追いやられた「七卿落ち」一人として有名。
歴史ドラマでは、明治6(1873)年、征韓論をめぐり、西郷ら征韓派と岩倉や大久保利の征韓反対派の板挟みになり、その心労から人事不省状態に陥った、なんともひわよな姿が、印象的だ。
南の方の騒動が収まった後、北の大地を訪ねていたんだねぇ。

これは、実家の庭の梅。
ほころびかけているが、滞在中には、まだ咲かなかった。
北海道は、もうじき、梅も桜もほぼ同時に咲く。
北国の人が、春を実感する季節になろうとしている。

町の中心街は、歴史街道、フロンティア街道などと名づけられ、白壁と瓦屋根で統一されている。
歩いて、結構空き家が多いのが目立つ。
北海道ではもっとも気候が温暖で、市も移住政策を積極的に進めており、実際に多くの方が移り住んではいるが、郊外に大型商業施設もできており、商店街がシャッター通りと化す状況は、他の地方都市と同じ傾向にある。
市民の平均年齢は、結構高いだろう。
かつては、室蘭の製鉄所などに勤める方も多かったが、数十年前から“鉄冷え”で、今日、仕事を求める若者は、札幌に出る人が多い。
私の二人いる兄の子供も、何人かは札幌で勤めている。
小学校や中学の同級生で地元に残っている人は、公務員か自営の人がほとんど。
一昨日夜、同級生と飲んだ際、何人かは、すでに旅立っていることを知った。
そうそう、同級生と会った24日の昼は、天馬、というお店に両親と三人で行った。
20日金曜日に、テレビで北海道出身の女性演歌歌手が訪問したことが放送されたらしく、数年前に行ったことがある父親が、「また、行きたいなぁ」と言っていたので、電話すると、テーブルが一つ空いたので、今なら、とのこと。さっそく、タクシーを呼んで出かけた次第。
ご主人の実家が漁師というお店で、刺身も焼き魚も、美味くて安い。
1280円の刺身定食が、なんと豪華だったことか。
96歳の父と91歳の母が、美味しそうに刺身やホッケ焼きを食べて喜んでいた。
20日の番組の内容は、STVのサイトに紹介されている。
“旅のトビラ〜江戸の記憶が残る街「伊達」探訪”という番組だったようだ。
伊達家の子孫自ら、杜このみという歌手を伊達ゆかりの場所に案内した後で、そのお店で食事をしたらしい。
私は料理の写真を撮らなかったので、ご興味のある方は、こちらのサイトでご覧のほおを。道の駅や有珠の善光寺などにも立ち寄ったことが紹介されている。
札幌テレビ(STV)サイトの該当ページ
食べながら、「お前が来たから来れた」と言われると、また来なくちゃ、と思う。
街並は大きく変わっていたが、故郷の人、そして、味は変わらないなぁ、と思った帰省だった。
両親が健在なうちに、元気な旧友との再会も楽しみに、出来るだけ行こうという思いを強くした。
これにて、今回の帰省シリーズは、お開き!
