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噺の話

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NHK BSプレミアム「ザ・プロファイラー」で見た、立川談志のラブレター。

 昨日の午後九時から、NHK BSプレミアムは立川談志を取り上げた。

 NHKのサイトから引用する。
NHKサイトの該当ページ

ザ・プロファイラー~夢と野望の人生~「落語界の風雲児~立川談志~」

岡田准一がMCを務める歴史エンターテインメント。「百年に一度の天才」とも言われる落語家・立川談志。早くから売れっ子となり、「笑点」を企画・司会したり、政治家になったりもした。そして落語協会と決裂。その生き方は、型破りで破天荒、「落語会の風雲児」と呼ばれるほどだった。一方、古典落語を現代の客に楽しんでもらうため、さまざまな努力を続け、落語界に革命を起こす。天才・立川談志の実像に迫る。

【司会】岡田准一,【ゲスト】立川志の輔,大林宣彦,ラサール石井

 談志没後、数多の番組が放送されている。
 また、数多くのご本人の著書や、談志を含めた、四天王の時代について書かれた本も少なくない。
 だから、それほど新たな発見があることを期待しないで見ていたが、結構、嬉しい発見があった。

 それは、談志の妻となった女性への、数多くのラブレターだ。

 談志は、愛妻則子さんを、「ノンくん」と呼んでいた。

 その、ノンくんへのラブレターが公開されたのは、私の記憶では初めてだ。

 お嬢さんが、そのラブレターを見て母則子さんに、「結婚前、そんなに会えなかったの?」と聞くと、「いえ、毎日のように会っていたわよ」と答えた。
 「電話は使わなかったの」と聞くと、「毎日のように電話もあったよ」とのこと。

 会って、電話で話をしていても、談志はラブレターをまめに書き綴っていたのだ。
 そんな姿を想像するだけでも、結構、微笑ましいではないか。

 放送での内容を正確に覚えていないが、談志は、自分はまともな人生を送れる気がしないが、ノンくんと結婚できれば、まともになれると思う、というようなことを言ったり、書いたりしていたらしい。

 それだけ、惚れていたんだね。

 その愛妻、則子さんについては、拙ブログを初めて間もない頃、ある本を読んで書いている。

2008年6月20日のブログ

NHK BSプレミアム「ザ・プロファイラー」で見た、立川談志のラブレター。_e0337777_10445352.png

『人生、成り行き-談志一代記-』
 『人生、成り行き-立川談志一代記-』は、「小説新潮」に連載された、吉川潮の聞き書きが本になったもの。

 自分の記事からの引用になるが、このノンくんが、実に楽しい個性の持ち主。

『小説新潮』に連載された回数がそのまま章の名前に使われているが、「第四回 結婚、そして先を越された真打昇進」の章にある、おかみさん則子(ノンくん)のことは、たぶん書物としては初登場であろう。

 ノンくんは素晴らしい、そしてユニークな女性である。「則子(ノンくん)語録」から少しだけご紹介しよう。

・ある友人のことを「竹馬の友」と言われ、「違うわよ。だって、あの人と一緒に竹馬乗ったことないもん」

・「あたしはペットなの。でもいいペットでしょ。トイレも自分で行けるし、ラーメンも作れるし」

・師匠が癇(ひきつけ)を起こした時、なぜか真っ先にガスを止めた。「地震じゃねえや」と突っ込んだのは言うまでもない。


 なんとウィットに富んだ語録であろうか。このおかみさんだからこそ、家元が現役で今も活躍できるのだと確信した。本書には家元24歳、則子さん22歳の新婚時代の写真が掲載されている。とってもチャーミングな方だ。きっと今でも素敵な女性なのだろう。

 この本は、今では文庫にもなっているが、単行本で読んで、Amazonのレビューも書いた。

 読み返してみたら、則子さんとの出会いなどについては、こう書かれている。

ー二つ目時代で一番大事な出来事は、やはり則子夫人との結婚だと思います。昭和三十五年、談志師匠が二十四歳で・・・・・・。
談志 向こうが二十二かな。暮れに結婚したんですよ。つまり税金対策で、扶養家族として年内に届けを出したほうが得だって言うんで慌てて出して、年が明けてから結婚式を挙げたのを覚えています。落語家が素人娘と結婚するのがまだ珍しかった時代です。
ー当時、落語家の結婚相手というと、寄席の従業員のおねえさんとか、いわば身内の女性が多かったですものね。
談志 師匠の家(うち)の女中をカイちゃって、結婚したとかネ、芸人なんか、ちょっとかわいい女と見ると見境なくカイちゃうからね。うちの弟子なんか、おれのとこに来てたファンまでカイちゃった。その娘と結婚したけどね。
 だから、吉川さんの女房(音曲の柳家小菊)に昔、「気をつけろよ」って言ったんだ。「おい、気をつけろよ、こいつら何するかわからねえからな」って。
ーはい、そのことはよく覚えていると家内が言ってました。談志師匠に「芸人には気をつけろ」と言われたって。肝に銘じたそうですが、結局所帯を持ったのがこの程度ですから、まあ。
談志 訊いたら「若い作家と一緒になった」というから良かったと思って。あんなかわいい顔して、変な芸人とくっついたら可哀相だし、おれもイヤだしね。
ーうちのことはともかく、師匠が出会われた時、則子夫人は第一生命ホールで案内嬢をされてたとか。
談志 案内だけでなく、事務のほうもやってたらしいけどね。最初に言った、湯浅がやっていた「若手落語会」の会場が第一生命ホールで、そこで会ってね、かわいい子だなと思ってーそれじゃあ、ほかの落語家と同じだよなァ。
 ある時、おれが何かで怒ったんだよ。そしたら、「怒られちゃった・・・・・・」って呟いたんです。そ様子にネ、ほう、これはいいな、かわいいな、こいつは大事にしとかなきゃと思った。向こうには結婚を約束した人があったらしいんだけど、おれ、そこへ談判しに行って。それで、鵜の木の実家を出て、彼女の中野のアパートに半月くらいいたのかな。何も台所用品がなくて、ビールとクッキーだけで暮したことを覚えてます。それから、当時の収入からしては家賃が高かったんだけど、目黒の元競馬場に越した。同じアパートに画家の長尾みのるさんが住んでいて、その縁で、のちに『現代落語論』(昭和四十年、三一書房)のカバーやカットを描いてくれました。

 先約(?)がありながらの略奪婚だったことは、昨夜の放送でも紹介されていた。
 映画「卒業」か^^

 よほど、惚れていたということだ。


 談志自筆の大量のラブレターを見たい方、あるいは、大林宣彦と談志の意外な(?)交流を知りたい人、そして、井上ひさし作の舞台「円生と志ん生」で志ん生に扮するために、青々と頭を剃ったラサール石井を見たい人、再放送は、12月27日(水) 午後6時00分からとのことです。

Commented by at 2017-12-22 20:33 x
則子夫人は今でいう天然ですね。NHKドラマでは、こんな感じ。
「ねぇ、パパ、あざらし演って」(真野恵里菜)「野ざらしだろ」(小出恵介)
昔、テレ東の談志の紹介番組でこんなやりとりが・・・
居酒屋のカウンターにいる談志。「どうです、センセイご機嫌は?」
則子夫人「(談志は)なんだか優しすぎてねぇ」大変にごちそうさまです。

Commented by saheizi-inokori at 2017-12-23 11:04
さびしがりやの面目躍如ですね^^。
Commented by kogotokoubei at 2017-12-23 11:20
>佐平次さんへ

昨夜は楽しかったですね。

そうなんです、談志は、すごいさびしがりや。
あの表の顔や行動、発言は、裏で則子夫人が支えていたからこそだったのではないでしょうか。
Commented by kogotokoubei at 2017-12-23 11:24
>福さんへ

天然天然、決して養殖じゃない^^
談志という人の表の顔と対照的な弱い面を一番知っていたのが、則子夫人だったのでしょう。
娘は本を出しましたが、そのうちノンくんにも談志の思い出などを著してもらいたいなぁ。
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by kogotokoubei | 2017-12-22 12:18 | 落語家 | Comments(4)

落語のことを中心に、ときたま小言や独り言。


by 小言幸兵衛