人気ブログランキング |

噺の話

kogotokoub.exblog.jp
ブログトップ

ラクダが、パンダよりも人気者だった時代もある。

 上野動物園で、パンダのシャンシャンの一般公開が始まった。
 1月末までは抽選とのこと。

 競争率の激しさなど、日刊スポーツから引用する。

日刊スポーツの該当記事

シャンシャン観覧当選者1419人 抽選倍率40倍
[2017年12月20日9時53分 紙面から]

 東京・上野動物園で6月に生まれたジャイアントパンダ「シャンシャン(香香、雌)」と母親シンシンの一般公開が19日、同園で始まった。上野生まれのパンダの公開は、1988年(昭63)に誕生した雄のユウユウ以来、29年ぶり。観覧は抽選方式だったこともあり、大きな混乱もなく、初日はほぼ予定通り約2時間半の公開で終了した。シャンシャンは木登りをするなど愛くるしい姿を見せ、来園者からは「かわいい」「抱いてみたい」との歓声が上がった。

 園によると、この日の観覧者は468組の1419人。当日キャンセルなども見込み、目安としていた400組より多く当選者を出したという。初日申し込みは約1万8300組で、倍率は約40倍。1組最大5人まで入れるが、平均は約3人だった。園全体の来園者は6926人。中には事前申し込みが必要と知らずに訪れた人もおり、千葉県成田市の女性(78)は「見たかった。(抽選方法が)高齢者には少し分かりにくい」と残念そうだった。

 このニュースで、落語の『らくだ』を思い浮かべた。

e0337777_11134083.jpg

矢野誠一_落語歳時記

 矢野誠一さんの『落語歳時記』の「冬」のお題「ふぐ」から引用する。
 東京版『らくだ』のサゲ前、火葬場への道順を説明した後から。
本家の上方版では、空堀通を西へ、九之助橋を西に渡り、大宝寺町を堺筋へ出て南に曲がり、さらに日本橋の北詰を西へ行き、太左衛門橋を渡って、千日前の火葬場へたどりつくといったあんばいに、かなり克明だ。
 火屋のあった千日前、こんにちではご存知大阪ミナミを代表するような歓楽街だげ、明治のはじめまでは刑場や墓場のある、さびしい場所だった。その千日前が、東京ならさしずめ浅草といったアミューズメント・センターとして生まれ変わる過程には、いろいろ見世物や大道藝で人をよんだ時代があって、大阪の郷土雑誌『上方』などをみると「千日前見世物看板、天じく渡り生大像、身の丈一丈六尺、量目二千五百貫目、鼻長さ八尺五寸」などとある大きな象の描かれた絵看板が載っている。
  動物園など、あるわけもない時代には、象のごとく、ただ巨大で珍しいというだけで見世物として通用したわけで、大きなことにかけては象にひけをとるものではない、偶蹄目駱駝科のわがらくだなども、推古天皇の時代より久方ぶりに渡来した文政の頃、珍禽獣の見せ物として、空前の大当たりをとったという。朝倉無聲の『見世物研究』は、このときの様子を、
「是より先き江戸の町々では、やがて駱駝が来るとの前触れがあったので、市中寄るとさわると其取沙汰のみで、いよいよ五日に板橋駅へ到着した時には、江戸へ来れば必ず見世物となって、札銭さへ払へば何時でも見られるといふのを知りながら、一日も早く珍獣を見たいとあって、駅中見物人で立錐の地もない程であった」
 と記している。
 こうした文政のらくだブームは、
 立つよりは寝てゐた方がらくだらう百のおあしを三ツ折にして
 といった狂歌を生むにいたったのだが、こうなると、落語『らくだ』の主役にして、既に死がいという無頼漢のあだ名のいわれに、図体が大きいというだけでなく、ぶらぶらと働くことをしないさまを指す「楽だ」もダブらしているという、ある落語家の説も捨てたものではない。

 シャンシャンのように「かわいい」とか「抱いてみたい」という対象ではないが、文政のらくだは、今日のパンダよりも、見世物としては動員力があったと思われる。

 どちらも、見世物には違いない。

 「人寄せパンダ」とは、よく言ったものだ。

 文政のらくだも、きっと興行師が一儲けしたに違いない。

 もちろん、上野動物園も、シャンシャンの経済効果は小さくないだろう。
 抽選に当たった人も、大喜び。

 メディアも、久し振りの明るいニュースで潤う。

 だから、皆が丸くおさまるというのだが、それもそのはずで、名前が、シャンシャンだ^^
 

Commented by saheizi-inokori at 2017-12-20 21:54
パンダ、ハナダ、大騒ぎ。
まあ、パンダの方が罪がない騒ぎかも知れないけれど。
Commented by kogotokoubei at 2017-12-21 10:19
>佐平次さんへ

パンダ、ハナダ、ハルマ、ハクリュウ・・・・・・あら、騒動はみなハ行ですね。
これは、この騒動を、「ハ、ハ、ハ!」と笑ってしまえ、ということかな^^
名前
URL
画像認証
削除用パスワード

※このブログはコメント承認制を適用しています。ブログの持ち主が承認するまでコメントは表示されません。

by kogotokoubei | 2017-12-20 12:34 | 落語の本 | Comments(2)

落語のことを中心に、ときたま小言や独り言。


by 小言幸兵衛