噺の話

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メンフィス・サウンドについてー『ジャズ批評No44 特集黒人雑学事典』より。

 「約束の地。メンフィス~テイク・ミー・トゥー・ザ・リバー~」の余韻から、まだ醒めない。

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 本棚から、昔買った「ジャズ批評」の一冊を取り出した。

 第44号(昭和58年2月20日発行)「特集黒人雑学事典」だ。
 約600頁と分厚い。

 この本から、“伝説(レジェンド)”達のことや、彼らにとっての“伝説”のことを拾ってみた。

 この本の「ビッグO(Otis Redding)のデヴューから20年 メンフィス/サザン・ソウル その後」(塩月俊明)から引用。

 60年代の黒人音楽の表面的な動きを追ってみれば、トゥイスト・ブーム、タムラ=モータウン・レーベルによるポピュラー化したソウルの大躍進が目に付く。しかし本質的な部分に目を向けてみれば、やはりメンフィスを中心としたサザン・ソウルの台頭だろう。

 そうそう、私もそれを言いたい^^

 タムラ=モータウン系のソウルが'50年代のブルース/R&Bをより洗練させ、白人にもアピールして全国的な規模で成功を収め、70年代へと脱皮していったのに対し、メンフィス/サザン・ソウルが同じ意味で成功した時期は短かった。
 '62年、ウィルアム・ベルの「ユー・ドント・ミス・ユア・ウォーター」のヒットで幕を開けたメンフィス・ソウル界は同じ年にはオーティス・レディングの登場。'65年にはアトランティック所属のウィルソン・ピケットのスタックス録音「イン・ザ・ミッドナイト・アワー」のヒット、'66年にはスタックス入りしたサム&デイブの「ホールド・オン・アイム・カミン」と続くが、'67年には早くも雲行きが怪しくなる。それはいうまでもなく、ナンバーワン・スター、オーティスの死である。

 ほら、ウィリアム・ベルだ、などと読みながらあの映画を思い出す。
 
 あの飛行機事故は、大きな転機だったなぁ。

 1967年12月10日、自家用機で移動中のオーティスとバッグバンド、バーケーズのメンバーは、事故に遭遇した。
 たまたま安全ベルトをしていず湖に放り投げられたトランぺッターのベン・コーリーと、別の便に乗ったジェイムス・アレキサンダーが助かったが、ベンもジェイムスも「約束の地。メンフィス」に登場していたなぁ。
 映画では収録されていなかったが、サウンドトラックのボーナストラックとして、再結成されたバーケーズの一員としてジェイムスはベースを担当している。

 残念ながら二年前、ベン・コーリーは旅立った。

 たしかに、あの事故は、メンフィス・ソウル、とりわけスタックス・レコードにとって大きな分岐点となった。
 一時は所属のソウル・アーチストのほとんどを南部に送り込み録音させていたアトランティックも、'69年には見切りをつけ、スタックスの配給も打ち切っている。

 これより少し前のメンフィスのことについて、「シカゴ・ブルースの成立とそのR&B化」(川副正大)からも紹介したい。

 ハウリン・ウルフについて書かれた部分。

 彼はこの時代ずっとメンフィスに住んでいたわけだが、'49年、ようやく地元のラジオ番組に登場するチャンスが訪れた。タフマン、ウルフがこれを逃すはずはなかった。彼の人気はウナギ登りに上がって、クラブ出演の仕事もたくさん得られるようになっていったのだ。それから彼は自分自身のブルースに対して、サポートするバック・バンドの必要性をしっかり認識していたので、クラブ出演の時には、必ずバンドがついた。しかも、人気者の彼の回りには、秀れたメンフィスのミュージシャンが集まってきたのだ。たとえば、マット・マーフィー、ヒューバート・サムリン、バット・ヘア、ジェームス・コットン、ジュニア・パーカー、ウィリー・ジョンソン、ウィリー・ラブといった連中だったわけだ。
 (中 略)
 '54年頃まで彼のバンドの中心は、レコーディングでもライブの時でも、メンフィス時代の古顔で構成されていたため、マディのデルタ・ブルースサウンドとは一寸違ったシカゴ・ブルースサウンドが生まれたのだが、この事は実に興味深い。彼らのほとんどは、おそらくデルタ地方出身だったのであろうが、戦後メンフィス体験(40年代後半)によって、そのサウンドに独特のムードを出している。

 ヒューバート・サムリンも、「約束の地。メンフィス」でその生前の姿を見ることができたなぁ。

 あの映画の興奮から、つい、本棚から引っ張り出したこの本を読んでいた。
 ジャズに比べて、それほどR&Bやソウル、ブルースに詳しいわけではないが、好きではある。

 この本を読みだしたら止まらなくなった。

 BGMはもちろん、あの映画のサウンドトラック。

 映画では登場しなかったボーナス・トラックも、悪くないのだ。


 ホワイト・ハウスでウィリアム・ベルが「You Don's Miss Your Water」を熱唱している映像があったので、ご紹介。
 オルガンは、もちろん、ブッカー・T.ジョーンズだ!

 ああ、オバマのアメリカが懐かしく思える、今日この頃。

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by kogotokoubei | 2017-08-26 10:23 | 幸兵衛の独り言 | Comments(0)

落語のことを中心に、ときたま小言や独り言。


by 小言幸兵衛