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噺の話

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初午を前に思うお稲荷さんのこと、など。


 二月の最初の午の日、初午は稲荷大明神のお祭りの日だ。

 本来は旧暦を元にすべきなのだろうが、全国のお稲荷さんの総本社、伏見稲荷でも今月の最初の午である十二日の日曜にお祭りがあるようだ。
伏見稲荷のサイト

 さすが、総本社。URLも「inari」だけ^^

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『日本の神々と仏』(岩井宏實監修、プレイブックス)

 神社やお寺について、日本人の信仰の歴史を含めて分かりやすく解説してくれる本、『日本の神々と仏』(岩井宏實監修、青春出版社プレイブックス)から「お稲荷さん」とは何か、そして、なぜ初午が祭礼なのか、確認したい。

お稲荷さん

 赤い鳥居に、小さな祠、祠のまえには二尾のキツネ。八幡さま同様、お馴染みのお稲荷さんである。小さな路地から都心のオフィスビル街の片隅、それにデパートの屋上まで日本全国あちらこちらにお稲荷さんを見ることができる。それもそのはず稲荷神社の数は、日本の神社のなかでいちばん多い。それだけ日本人に広く親しまれてきた神なのである。
 お稲荷さんは、字のとおりもともとは稲に関する神だった。五穀をつかさどる倉稲魂(うかのみたま)を祭っている。稲荷大明神はその尊称で、全国のお稲荷さんの総本社は京都の伏見稲荷神社である。
 お稲荷さんは、農耕民族の日本人にぴったりの神なのである。やがて産業の中心が農業から商業へ移ってゆくと、お稲荷さんの御利益も「五穀豊穣」から「商売繁盛」へと変わってゆく。庶民の身近な神さまだけに小むずかしいことはなく、融通がきく。現世的なお願いごとをするには、頼もしい神である。
 二月初めの午の日、すなわち初午の日は、稲荷大明神のお祭りの日である。伏見稲荷の神がこの日に降りてきたという言い伝えが祭日の元になっている。
 この日にお稲荷さんに油揚げを供えるのは、お稲荷さんに仕えるキツネが油揚げが好きだと考えられたからである。油揚げに寿司飯をつめたものを稲荷寿司というのは、ここから来ている。

 その昔、二月の最初の午の日に、神さまが伏見に舞い(?)降りたのだった。

 なお、ウカノミタマという神さまは、『古事記』では宇迦之御魂神(うかのみたまのかみ)、『日本書紀』では倉稲魂命(うかのみたまのみこと)と表記されているらしい。

 もう少し詳しく知るために、伏見稲荷のサイトから「初午大祭」の説明を確認。
 稲荷大神が稲荷山の三ヶ峰に初めてご鎮座になった和銅四年二月の初午の日をしのび、大神の広大無辺なるご神威を仰ぎ奉るお祭で、二日前の辰の日に稲荷山の杉と椎の枝で作った“青山飾り”をご本殿以下摂末社に飾りこの日を迎える習わしがあります。
 初午詣は、福詣とも呼ばれ、前日の巳の日から、ご社頭は参詣者で埋まり、京洛初春第一の祭事とされています。
 また社頭で参拝者に授与されている「しるしの杉」は商売繁盛・家内安全の御符(しるし)として、古くから拝受する風習が盛んです。


 和銅四年は、平城遷都の翌年の奈良時代で、西暦なら711年にあたる。
 あの和同開珎の鋳造が始まったのが和銅元(708)年、太安万侶により古事記が完成したのが、和銅五(712)年。日本書紀は少し遅く養老四(720)年の完成だから、両書が世に出る前に、倉稲魂命という存在を稲荷山にいた人々が知っていたのだろうか・・・・・・。
 そんなわけはなくて、伏見稲荷が倉稲魂命を祭っているという文章の記述は、室町時代になってからのことらしい。

 実際に、神がかりなことがあって、そのことが伝承され、後になって、「あれは、倉稲魂命やったんやろな」ということになった、ということか。

 本当のことは・・・神のみぞ知るだ。

 初午に関わる落語となると、やはり『明烏』。
 いつも部屋にこもって「子、のたまわく~」と勉強一筋の時次郎が、初午の日に近所のお稲荷さんで赤飯を三膳ご馳走になった日の物語。

 お稲荷さんや狐に関する落語となると、ネタも多い。
 『王子の狐』、『今戸の狐』、『紋三郎稲荷』、『安兵衛狐』(上方は『天神山』)、『七度狐』、『高倉狐』(上方版の『王子の狐』)、『稲荷俥』などなど。

 初午で思うのは、昨今の節分の恵方巻などというイカサマ年中行事にくらべたら、初午に稲荷寿司を食べることをもっと流行らせてはどうか。

 しっかり根拠のある年中行事であり、ご利益もあるはずだ。
 
 それにしても、こういう行事は、やはり旧暦を元にして欲しいなぁ。

 “青山飾り”をご本殿以下摂末社に飾る明日の辰の金曜も、福詣として前日の巳の日から参詣をする方で賑わう土曜日も、関西は雪の予報。

 もし、旧暦なら初午は二月六日、新暦三月三日。
 雛祭りを白酒で、初午を稲荷寿司で、それこそダブルでお祝いができる。

 しかし、賢明な方は、「うん・・・ちょっと待てよ」と思われるはず。
 「なぜ、雛祭りだけ新暦のままにするんだよ!」とお叱りを受けそうだ。

 もし、疑問を感じない方は、そう言われても、狐につままれたような顔をしているかな^^

 与謝蕪村の句。

  初午や 物種うりに 日のあたる

 初午に、伏見稲荷の縁日で、種売りの店に春の日のあたっている様子が目に浮かぶ。
 種売り・・・やはり、春でしょう。
 だから、こういう行事は旧暦でないとなぁ。

 この週末、伏見稲荷には多くのお店が並ぶだろうが、みなさん、風邪などひかずにね。

Commented by saheizi-inokori at 2017-02-09 21:57
狸稲荷なんてないのかなあ。
Commented by kogotokoubei at 2017-02-10 08:14
>佐平次さんへ

狸がいるのは、お寺、證誠寺ですね^^
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by kogotokoubei | 2017-02-09 12:55 | 年中行事 | Comments(2)

落語のことを中心に、ときたま小言や独り言。


by 小言幸兵衛