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柳派の噺家さんに挑戦して欲しい、初代談洲楼燕枝の十八番。


 柳家三三の『嶋衛沖白浪』の楽日の高座に間に合って、本当に良かった。

 今後は定席寄席での十日間通しを希望すると記事に書いたが、三三のホームページによると来年は「たびちどり」と題して、名古屋の大須演芸場で五月から六回公演の予定らしい。
柳家三三サイト「三三時代」の出演情報のページ

 これはこれで名古屋の落語愛好家の方には朗報だろう。

 関東での次の公演は、今しばらく待つとしよう。

 三三には、もっと待ってもいいので、初代談洲楼燕枝の他の代表作に挑戦して欲しい。

柳派の噺家さんに挑戦して欲しい、初代談洲楼燕枝の十八番。_e0337777_11101369.jpg


 円朝と同時代、柳派の頭取として円朝と競った初代燕枝の十八番について、平凡社から平成元年(1989年)に発行された『古今東西落語家事典』から引用する。

 得意のネタは、師匠柳枝譲りの『おせつ徳三郎』『子別れ』などのほか、『雁風呂』など既成の噺も演じているが、『嶋衛沖白浪』『天保奇談孝行車』などの自作物、『侠客小金井桜』『岡山奇聞筆之命毛』などの翻案物、『あわれ浮世』『仏国三個男』などの外国種と演目は幅広い。


 まったく内容は知らないが、燕枝の作品『天保奇談孝行車』など、実にそそられるお題で、ぜひ聴いてみたい。
 他にも「水滸伝」の花和尚魯智深の件を翻案し、それに曲亭馬琴原作の「西海屋騒動」をとり合わせた『御所車花五郎』という創作があるらしく、こちらも興味津々だ。
 
 また、翻案物、外国種にだって、今では聴くことができないので、知りたいものだ。

 当代の柳派の噺家さん、円朝作品はよく演るが、柳派の大先輩の作品にも、ぜひ目を向けて欲しいものだ。

 三三の『嶋衛沖白浪』が、そのきっかけになることを期待する。

 もちろん、三三にも燕枝作品の持ちネタを増やしてほしいし、同じ柳の喬太郎などにも、円朝のみならず、燕枝十八番を取り上げて欲しいものだ。

 なお、燕枝は、自分で筆をとった人だ。
 仮名垣魯文門下で痴文と名乗ったくらいだから、噺本にしても、雑誌・新聞の連載にしても自筆が多く、速記による三遊亭円朝とは対照的である。噺以外の著作としては、『燕之巣立実痴必読』(通称『燕枝日記』)が、幕末から明治初期の落語界を知る上の貴重な資料である。

 凄い存在だったのだよ、落語界にとって。 
 神保町で『燕枝日記』を探さなきゃ。
 燕枝は円朝とともに明治の落語界をリードした偉大な人物であったが、もし没後運という言葉があるなら、円朝に比べて運の悪い人で、膨大な作品はもちろん、その伝記さえ一般には知られていない。
 明治三十三年二月十一日に動脈瘤破裂により死去。辞世の句は「枯れるものの終わりもありて瘤柳」。墓は浅草源空寺にある。戒名は柳高院傳誉燕枝居士。

 まったく、この指摘の通りで、円朝と比較して、あまりに知られていないのが残念でならない。

 柳派の噺家さん、ぜひ、燕枝十八番を演じることで、その名をもっと知らしめてもらいたい。
Commented by 通りすがり1号 at 2016-12-11 11:20
さん助師匠がご自身の会で西海屋騒動の連続口演を始められましたよ。
Commented at 2016-12-11 14:47
ブログの持ち主だけに見える非公開コメントです。
Commented by kogotokoubei at 2016-12-11 15:47
>通りすがり1号さんへ

貴重な情報、誠にありがとうございます。

そうですか、あの、さん弥が!」
すいません。まだ、さん助の名に馴染んでいないもので^^

『御所車花五郎』ではなく、『西海屋騒動』として演じているんですね。

それにしても、初代燕枝にかかわる噺への挑戦は実に結構なことです。
そのうち、ぜひ聴いてみたいものです。
Commented by kogotokoubei at 2016-12-11 15:49
>鍵コメさんへ

貴重な情報、誠にありがとうございます。
なるほど、だから「たびちどり」なんですね。
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by kogotokoubei | 2016-12-10 11:50 | 落語家 | Trackback | Comments(4)

あっちに行ったりこっちに来たり、いろんなことを書きなぐっております。


by 小言幸兵衛
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