素晴らしい“小咄”集-『はかま満緒のコント笑話史』より。
2016年 09月 22日
久しぶりに連れ合いと駅二つ隣りの町で昼食をとってから、馴染みの古書店へ。
芸能関係のコーナーで、欲しかったはかま満緒さんの本を発見。
いきなり、ご挨拶代わり(?)に、本書から一つご紹介。
<プレーボーイ>
「君は、うちに泊っている間に娘に子供をつくらせたな、男なら男らしく結婚しろ」
「お父さん、ボクも男です、結婚します」
「その言葉を待っていた」
「で、七人いらっしゃるお嬢さんの、どの方が妊娠しましたんです?」
すごい豪の者がいたものだ^^
せっかくなので(?)、もう一つ。
<ある平社員>
「社長、お呼びですか?」
「君はまた酒で失敗したそうだな。君が酒を飲まなければ、とっくに課長、いや部長にはなっておるだろう・・・・・・どうだ酒をやめてみないか、部長席に座った気分はいいぞ」
「お言葉ですが社長、私はビールを三本も飲めば、社長の気分になれますんで、ハイ」
飲んだくれていた若い頃を思い出すなぁ。

紹介した“小咄”は、『はかま満緒のコント笑話史』(徳間文庫、1983年2月発行)からの引用。
同文庫への書き下ろし。
本書は次の章ごとに、はかまさん作のものを中心に“小咄”が満載。
男と女のエスプリ
街角のエスプリ
親と子のエスプリ
医者と患者のエスプリ
結婚のエスプリ
何となくエスプリ
最初の作品は「男と女のエスプリ」から、二作目は「何となくエスプリ」から引用した。
大学の同期やテニス仲間を相手にした宴会の余興で落語を披露する身としては、こういったネタは、マクラで使える貴重な“小咄”なのである。
本書が発行された1983年は昭和58年、昭和12年生まれのはかまさん、46歳。
当時、NHK総合テレビ「脱線問答」の司会を務められていた。
同じNHKのFM「日曜喫茶室」は、毎週日曜の放送。
2008年4月からは、毎月最終日曜になった。
実は、はかまさんが亡くなる少し前から、拙ブログをよくご覧いただく方とのご縁がきっかけで、「日曜喫茶室」を録音して聴くようになった。
もっと、早く聴くんだった、と後悔する好番組。
昭和52(1977)年4月10日に放送が始まって、来年で40周年になろうという番組を、今になって聴いている。
はかまさんが亡くなってからは、「40周年名作選」として、過去の放送を聴くことができる。
今週末の25日は、なんと、永六輔さん出演の回である。
NHKサイトの該当ページ
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「あとがき」から。
ジョーク、ユーモア、シャレを一緒のように考えられる向きがあるようですが、三つの笑いはそれぞれ個性を持っております。
ジョークは、その場でその雰囲気にマッチした笑い話をその場で表現するエスプリであり、ユーモアは笑いの中にちょっぴり涙の入った物語、シャレは粋な会話だとボクは考えています。
同じ笑いの中にもいろいろ型があるように世界の笑い話にはいろいろな種類があります。
風俗習慣、季節、宗教、食生活がかわれば笑いの種も異なるわけです。
(中 略)
どれが「シャレ」の笑いで、どれが「ユーモア」で、どのコントが「ジョーク」なのかなどと、固いことはこの際やめにして、笑っていただければいいのであります。
そうそう、哲学者の言葉などを引っ張り出さず、素直に笑いたいものだ。
しかし、素直に笑える“小咄”は、意外に少ないのだ。
この本の小咄は、発行から30年以上を経ているので、中には時勢にそぐわないものもある。しかし、そういった当時の世相を思い起こすことも含め、実に読んでいて楽しい。
明日以降、電車で読みながら、笑いをこらえるのに困る本である。
「お前は、うちの娘に子供をつくらせたな、責任取れ!」
「あれ? じゃこの前お土産で渡したハリガタのせいかな?」
「バカなこと言うな! ハリガタで子供が出来るわけないだろう」
「でもお父さん、左甚五郎作でしたから」
お粗末さまでした。
甚五郎が、どれほど名人だったことか^^
この本は、はかまさんの作品のみならず、幅広く日本や世界の笑い話が載っています。
落語が元となるネタもあって、それを発見するのも楽しいのですよ。
