落語協会HP、柳家喜多八の休席告知について。
2015年 12月 15日
「落語協会」HPの該当記事
2015年12月12日
休席のお知らせ
平成28年初席、鈴本演芸場三部に出演を予定しておりました柳家喜多八は、体調不良の為、休席いたします。
ちなみに、落語協会の案内では、初席・鈴本・三部、と書いているが、鈴本のHPで確認すると、実際に出演予定だったのは、事前に休演が案内されている6日、9日、10日以外の七日間である。
鈴本演芸場HPの該当ページ
きっとこの案内を見た落語愛好家、なかでも喜多八ファンは不安に思ったであろう。
特に近日中の喜多八出演予定の落語会は大丈夫か、と思う人も多いと思う。
行くかどうか別にして、私も、その一人。
喜多八の博品館での独演会や国立演芸場での扇遊、鯉昇との三人会である睦会は、東京音協から「いがぐみ」に主催が替わった。
その「いがぐみ」のサイトを調べたら、本日15日の睦会、1月6日の博品館ともに、ご本人出演で予定通り開催のようだ。
どちらにも次のように記載されている。
《喜多八師の出演について》お問い合わせを頂いておりますが、
変更なく出演、開催いたしますので、ご来場お待ちしております。
「いがぐみ」HP 12月15日「睦会」のページ
「いがぐみ」HP 1月6日「博品館」(銀座の噺小屋)のページ
「いがぐみ」さんのツィッターを斜め読みすると、年内に入院はするらしいが、この二つの会への影響はないらしい。
入院そのものは、ちょっと心配である。
東京音協で喜多八の独演会や睦会など落語会を担当していた方が独立されたのが「いがぐみ」だと、どこかで読んだ。
東京音協で開催してきた落語や古典芸能の興行は、今は「いがぐみ」が行っているらしい。
これまで何度か行っている博品館での独演会は、柳家喜多八という一人の噺家にとって、重要な会になったと思う。
また、以前は小満んと喬太郎の会、という粋な企画もあった。
国立の睦会も、固定客が多いと思う。
そういった企画の中心人物が「いがぐみ」をつくったようだ。
実は、東京音協については、あまり良い印象がない。
あの3.11直後、3月17日に、睦会と志らくの会の両方を開催したことで小言を書いたことがある。
2011年3月16日のブログ
まだ大地震と津波、原発事故による不安の続く状況での強硬開催に、その神経を疑った。
あの時、現在「いがぐみ」の方が開催を主張したのか、東京音協の幹部の意思だったのかなどは、知らない。
東京音協への悪印象は、このことだけが原因ではない。
たとえば近い時期に開催する異なる落語会のチケットをせっかく一緒に依頼しても、一枚づつしか事務対応できず、それぞれに送料を要求し、一枚づつ送ってくる。実に無駄なことをしていたし、送料も高かった。
早い話が、やることが“お役所しごと”なのである。
少なくとも、落語会に特化した「いがぐみ」による主催の方がいろいろと改善されるだろう、と期待している。
それにしても、落語協会HPのぶっきらぼうな休席告知のせいで、「いがぐみ」さんは問い合わせ対応などで結構大変だったのではなかろうか。
協会員である喜多八本人への配慮、そして、サイトを見る落語愛好家への気配りがあれば、落語協会HPの告知は、あんな内容にはならなかったと思う。
「こう書いたら、読む人は、どう思うだろうか?」ということを普通は想像するだろうし、その内容について内部で吟味し校正する仕組みがあれば、もっと違った内容になるだろう。
あるいは、掲載しない、という選択肢もありえる。
私が責任者なら、そうする。
鈴本初席の顔見世興行的な持ち時間の少ない出演について、今から休演の案内をする必然性があるのか。
それよりも、「体調不良」という情報が与えるマイナス面の方が大きいのではないか、と考えないのだろうか。
初席は、出演予定の噺家さんが前夜の酒で二日酔いになり休演になる可能性だって高いはず(^^)
落語協会HPの管理者(組織?)には、読む者の立場で考えるという姿勢や、掲載前に内容を吟味する仕組みが存在しない、ということかと察する。
ただ、「事実を書きました」というスタンスなら、掲載すべきなのにスルーしてる「事実」は、たんまりあるぞ!
たとえば、かつて存在した(?)役員一覧のページがなくなっている。
あえて、以前のサイトにあった来年6月までを任期とする顔ぶれを掲載する。
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当期役員 (任期:平成26年6月25日より2年間)
会長 柳亭市馬
副会長 林家正蔵
常任理事 柳家小さん・三遊亭圓丈・柳家さん喬
理事 古今亭志ん輔・入船亭扇遊・金原亭馬生・三遊亭歌る多・三遊亭吉窓
五明楼玉の輔・林家たい平・柳家喬太郎・鏡味仙三郎
監事 柳家さん八・柳家権太楼
外部監事 友原征夫(会計士)
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最高顧問 三遊亭圓歌・鈴々舎馬風
顧問 三遊亭金馬・柳家小三治
外部顧問 寺脇研(京都造形芸術大学 芸術学部教授)
相談役 橘家圓蔵・三遊亭圓窓・入船亭扇橋・林家こん平・桂文楽・林家木久扇
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相談役からお二人が、鬼籍の人となられた。
旧HPには、組織そのものの説明も存在したが、今はない。
こういう重要な「事実」を掲載していないのは、なぜ?
私は、会長以下幹部の皆さんには、たとえば、NHK新人落語大賞本選に一人も出場できなかったことなどを含め、協会の若手の育成、HPのあり方などを含め、もっと危機感を抱いてもらいたい。
組織として、落語芸術協会はかつての危機感をバネに、今や落語協会より数段活性化されているように見受ける。
何度か書いているが、ホームページは、ネット時代における、組織の「顔」である。
その「顔」がどこを向いているのか。
そもそも、どんな表情をしているのか、は実に重要なことだ。
現在の落語協会のHP、やっていることはほとんど“お役所しごと”のように思えてならない。
サイト来場者への気配りがなく、お客様へのサービス精神に欠けているのだ。
p.s.
役員一覧を含む「協会概要」のページは、拙記事にいただいたコメントでご指摘いただいたように、現在のHPにも残っており、私が見逃しておりました。申し訳ありません。
ただし、トップページの最下段に小さなバナーしかないので、見逃しやすいことは否めません。
なお、「沿革」は平成24年までしか記載されていないまま、改訂されていないのが、なんともだらしないですねぇ。
落語協会HPの「協会組織」のページ
心配だなあ。
そうなんです、心配です。
1月6日には退院している、ということなのか、それとも入院中でもその日の外出と高座を医者が認めた、ということなのでしょうか・・・・・・。
私は行けませんので、明日の佐平次さんの記事を注目しています。
喜多八師の休席告知にはいささかの違和感を感じておりました。理由は省略します。
協会役員一覧は現在のHPではトップ頁の協会概要から表示掲載されています。不親切な構成ですが。
貴重なコメントありがとうございます。
そうでしたか、なかなか探すのが難しいサイトなもので、気がつきませんでした。
いろいろ書き散らかしているブログで、お恥ずかしい限りですが、今後も気軽のお立ち寄りください。
詳しいお話を拝読しとても参考になりました。
先日、BSの喬太郎さんの番組に出られた喜多八さんの様子があまりに具合悪そうだったので、それ以来心配していたのです。
博品館はぜひとも行きたいと思います。
独演会でもこちらのものは大切な会だとも知りませんでしたし。
平成教育委員会など先々の予定も沢山ありますが、早く良くなってもらいたいものです。
お立ち寄りいただき、コメントまで頂戴しありがとうございます。
たしかに、心配ですね。
数年前にも入院しているはずです。
睦会に行かれた方によると、緞帳を下ろし事前に高座についた状態(板つき)だったようで、以前よりずいぶんお痩せだったとのことです。
私は1月6日の博品館には行けませんので、いらっしゃったら、コメントで状況をお知らせいただけると幸甚です。
この件は【道楽亭】さんで行われるはずだった『喜多八六夜 II』の予約者に対しての休演のメールが事の発端です。
具体的な文脈は書きませんが、かなりセンセーショナルな内容になっていた為、各所に問い合わせが殺到し、協会やいがぐみさんが仕方なく対応したという経緯ではないかと思います。
休席、体調不良、入院等の言葉が踊ってますが、実際は【栄養補給】の入院のようですし、逼迫した内容ではないようです。
長文失礼致しました
コメントありがとうございます。
そうでしたか。
実際に「栄養補給」の入院であれば良いのですが。
実は、私がよく行く「ざま昼席落語会」正月恒例の鯉昇との二人会(1月9日)は、すでに円太郎の代演と案内されています。
あくまで自重しての休演であると考えたいですね。
道楽亭さんでの会は、新宿や深川の出張寄席しか行っていません。
そのうち、とは思っているのですが、らくごカフェと同様、あまりに少人数の会は、噺家さんとの距離感を取ることが難しくなりそうで、足が遠のいています。
とは言え、来年は挑戦しようかな、とも思っています。
今後も気軽にお立ち寄りください。