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プレミア12とWBCとの違い、など。

 昨夜の「プレミア12」準決勝の日本チームの敗戦に関し、メディアは、小久保監督の継投策失敗を批判、非難する記事で溢れている。

 たしかに、他の選択肢はあっただろう。

 しかし、結果だけを見て好き放題語るだけでは、素人の居酒屋談義の域を出ない。

 昨夜の失敗をあげつらうことは簡単だ。
 
 しかし、もし、則本が九回も抑えていたら、メディアは、監督の采配を褒めるのではないか・・・・・・。
 大谷を8回以降も引っ張って、もし打たれていたら、必ず批判する人がいるだろう。

 監督、コーチなどのスタッフの反省点もあるだろうし、実際に試合を戦っている選手たちには、大きな経験になった、と前向きにとらえるべきだろう。

 元来、スポーツは、ほんの些細なことが勝負の分かれ道となる。
 また、「勝利の女神」は、結構、気紛れだ。

 テニスにおいてマッチポイントからの逆転なども、そんな珍しいことではない。
 
 小久保の初の監督としての采配は、そんなに酷かったのか?

 私は、素人ながらテレビで見た限り、監督経験のない人としては、プエルトリコ戦までの小久保監督の采配は、結構評価できると思う。
 少なくとも山本浩二や田淵が監督をしている時より、安心して観ることができた(^^)


 オリンピック種目から外れた今、野球のワールドカップと言えるのは、WBCと言わざるを得ない。
 プレミア12のアメリカ選手は、MLBの3A以下(マイナー)が中心。

 昨夜の敗戦は、2017年のWBCを戦うための糧としなくてはならないと思う。

 そんなことを考えると、プレミア12とWBCとの違いや、今年初開催のプレミア12の目的や意義は何か、ということに思いが至った。

 勝ち負けのことで大騒ぎしているが、メディアは、大会そのものについての情報発信が不足しているように思う。

 プレミア12とWBCの違いについて、どれだけの野球ファンが知っているのだろうか疑問だ。

 おせっかいながらも、分かりやすい説明をしている記事を見つけたので紹介したい。
 日経BP「BizCOLLEGE」のサイトの青島健太 “オヤジ目線”の社会学の11月9日の記事、“「プレミア12」とWBCの違いを理解していますか?”から引用。

日経BP「BizCOLLEGE」の該当記事

 断片的に引用するが、プレミア12の背景やWBCとの違いなどが分かるはず。

元はアマチュアの世界一を決める大会だった

 先にはじまったWBC(2005年から)が、野球のおもしろさをアピールしプロモーション(宣伝・広告)に重きがある大会ならば、「プレミア12」は野球の普及と振興に軸足を置いた大会だと言えるだろう。

 WBCは、開催をメジャーリーグ開幕前の春に限定し、メジャーリーガーたちを各国代表に振り分けて、シーズン前のプレイベントのような形で開催される。
 その運営はメジャーリーガーの組織であり、収益の分配率なども詳細に決められていてビジネス的側面も強い大会となっている。準決勝、決勝がアメリカ国内で行われるのも、選手たちの負担を考慮し、直後にはじまるメジャーリーグのシーズンに配慮しているからだ。

 一方「プレミア12」は、野球シーズンの最後を飾る秋に行われることに、特徴と背景が表れている。元々この大会は、アマチュアの世界一を決める大会で、他のスポーツ同様、野球の「世界選手権」として行われてきた。

 プレミア12は、もともとアマチュア野球国別世界一決定戦だった、ということを知っておくことは重要。

 WBSC(World Baseball Softball Confederation)の前身は、IBAF(International Baseball Federation)で、IBAF主催の世界大会には、日本はアマチュア選手でチームを組んで出場していた。

 IBAFの大会が開催されている時期も、野球世界一決定戦は、やはりオリンピックと見られていた。
 かつて日本生命のエースだった杉浦正則は、「ミスターアマ野球」と言われ、オリンピックで5勝の最多勝利記録を持つ。何度もプロから誘われたが、結局プロの世界に入らなかった。そんな選手も、少なからずいたのが、アマチュア球界。

 オリンピックやIBAF世界大会では、キューバが強かったねぇ。
 では、なぜIBAFのアマチュア世界大会が、プレミア12と変貌を遂げたのか・・・・・・。

 最大の問題は、それまで五輪種目ということで支給されていたIOC(国際オリンピック委員会)からの助成金のカットである。WBCがはじまっても、その収益がアマチュアを統括するWBSCに回ってくることはない。

 ソフトボールと一緒になって五輪への復帰を目指すWBSCは、その財源に苦しむことになったのだ。そこではじまったのが「プレミア12」である。

 ただ、この大会の開催に関しては、WBCとの力関係を物語るストーリーがある。財政難に陥ったWBSCは、WBCを運営する機構から援助を仰ぎ、その代わりにWBCをWBSCが認める世界最高峰の大会と位置付けたのだ。つまり歴史を誇った世界選手権の権威をWBCに譲る形になったのだ。その結果、世界の野球界の位置付けで言えば、最高峰がWBC、その次に「プレミア12」という序列になっているのだ。
 IBAFの時は、MLBと一線を画してきた。
 しかし、野球、ソフトボールがオリンピックの種目から除外され財政的に厳しくなったことが、MLBへの歩み寄りとプレミア12の開催につながった、ということ。

 「プレミア12」には、世界の野球振興と普及に大きな使命がある。この大会への出場に、あらゆる世代(フル代表、U21、U18、U15、U12)の国際大会の成績が反映されているのもそのためだ。WBSCはこうした総合成績を「野球国力」と称し、これをランキング化して出場12カ国を選んでいる。つまり、「プレミア12」の盛り上がりと収益は、野球とソフトボールの普及振興、五輪への復帰活動に当てられることなるのだ。 

 その意味で、はじまったこの大会を頓挫させるわけにはいかない。サムライ・ジャパンでコーチを務める鹿取義隆氏(投手コーチ)や仁志敏久氏(内野守備・走塁コーチ)は、それぞれU15やU12の監督も務めている。そうした世代の成績も反映されて、日本はこの大会にランキング1位で出場している。

 プロもアマチュアも一体となって日本の野球力を高める。そして、その総力で日本の野球が世界に君臨する。そうした理想が、この「プレミア12」への取り組みに込められている。

 勝敗だけでなく、ゲームの内容や大会の盛り上がりにも注目する。
 また選手&指導者、大会関係者、メディア等においても国際交流を大いに図るべきである。

 青島健太が言うように、勝ち負けの結果のみならず、野球、ソフトボールの普及、オリンピック競技種目への復活などのために、関係者は交流を深めることも大事だろう。

 それも、近くて遠いアジアの国の人々をの交流を一層深めることも、重要ではなかろうか。

 王貞治を国の英雄と尊敬する台湾でも開催された。
 スタンドは大入りとは言えなかったが、多くの台湾の方が日本に声援を送ってくれた。

 そして、日本で開催される決勝に、韓国が進出するのだ。
 もう一つの準決勝は、アメリカがメキシコをリードしている。

 ぜひ、日本の野球ファンもお隣の韓国を応援して優勝してもらおうじゃないか。
 
 そういうアジア同胞との親睦を深めることも、プレミア12開催の副次的な効果ではないかと思う。

 自国の勝ち負けのみに拘泥していては、スポーツの楽しみ方は半減するだろう。

 ラグビーワールドカップで、あれだけ多くの海外のラグビーファンが、日本を応援し、讃えてくれたことを思い出したい。

 日頃の鍛錬がもたらす鮮やかなプレーや、真剣かつ真摯に試合に臨む態度や行動などは、スポーツを愛する誰もが楽しみ、賛美することができるはずだ。

 野球もサッカーも、そして五郎丸フィーバーが過剰なラグビーも含め、目の前の勝敗や監督、選手への短絡的な情報が溢れる中、本寸法のスポーツファンとは何か、を考えてしまうのだ。

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by kogotokoubei | 2015-11-20 21:21 | 幸兵衛の独り言 | Trackback | Comments(0)

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