大阪の「噺カフェ」のこと-朝日新聞の記事より。
2015年 07月 07日
今日は二十四節気の小暑。この日から大暑(新暦七月二十三日)を過ぎ立秋(同八月八日)までが‘暑中’なので、暑中見舞いを書く時期がきた、ということ。
ちなみに、暑中は、立秋までの土用十八日間とする説もある。
しかし、テレビや世の中は小暑のことよりも、五節句のうちの七夕(しちせき)を話題にする。
旧暦ではまだ五月二十一日だし、梅雨の真っ最中。織姫も彦星も、こんなに早い出番では登場するはずがない・・・・・・。
ちなみに、旧暦七月七日は、新暦八月二十日である。
五年前に書いたが、七夕(たなばた)は、秋の季語なのだよねぇ。
2010年7月7日のブログ
話題を替える。
落語を通じて、ご主人を亡くした悲しみから立ち直ろうとしている女性のことが朝日に載っていた。
朝日新聞の該当記事
悲しみ癒やした落語に恩返し 大阪に「噺カフェ」
篠塚健一 2015年7月5日19時23分
落語の「噺(はなし)」を冠する「噺カフェ」が大阪・天満にある。16年連れ添った夫を亡くした悲しみを落語で癒やしてきた佐藤範子さん(46)が営む。若手噺家を応援したいという気持ちを込めたカフェで、店主の思いにこたえる落語会が7月から始まることになった。
大阪市淀川区出身で、北浜の証券会社で24年働いた佐藤さん。建設会社に勤めていた夫の隼人さんの転勤で2013年に東京に引っ越した。
だが新生活が始まって2カ月余りの7月9日、マンションの部屋でうめき声がした。「どうしたん」と急いで見に行くと、隼人さんが倒れていた。救急車を呼んだが、翌日に心筋梗塞(こうそく)のため47歳の若さで帰らぬ人となった。
突然の別れに喪失感にうちひしがれ、行き場をなくした心を救ってくれたのは落語だったという。「落語を聴くと、一瞬で想像の世界にとべた。現実逃避できたんです」
寄席などに通い詰めるうち、やがて落語に恩返しをしたいと考えるように。故郷の大阪でカフェを切り盛りしつつ、落語会の会場にも使ってもらおうと思い立った。ビルの1階を借り、今年4月に開店にこぎ着けた。
一見普通のカフェだが、座布団や衝立(ついたて)、提灯(ちょうちん)なども用意。カウンターと厨房(ちゅうぼう)を使って高座が組める。「米朝落語全集」などの落語本や漫画を置き、「はなしか」にちなむ「鹿肉カレー」のメニューもある。
開店後、新たな発表の場を探していた上方落語家の桂咲之輔(さきのすけ)さん(31)と知り合い、意気投合。会場を無料で提供し、20~30代の噺家ら2人が出演する落語会「ハナキン」を、7月3日から毎週金曜の夜に開くことが決まった。
「会場費がタダなのがホンマにありがたい。ここから若手の新しいブームを起こしたい」と咲之輔さん。隼人さんの三回忌を控える佐藤さんは「私が生き生きとしていることが、なにより夫が喜ぶこと。落語は嫌なことを忘れさせてくれるし、知識欲も満たしてくれる。これからが楽しみな若手を応援していきたい」と話す。
「ハナキン」は午後7時半から。1ドリンク込みで1500円。噺カフェ(06・6351・0588、日曜定休)。(篠塚健一)
東京では神保町に「らくごカフェ」があり、今では、定席寄席に近い存在になっているようだ。
たしかに、落語を聴いている時は、‘現実逃避’の時間なのかもしれないが、その悲しみや悔しさが強い時は、落語を聴く気持ちにさえなれないのではなかろうか。
落語を聴く、という心の準備段階において、「くよくよしても、しょうがない」という気持ちの切り替えができることが、まず大事だし、落語の効用なのだと思う。
落語で旦那さんを失った深い悲しみから癒されたことへの恩返し、きっと天国からご主人も応援していると思う。
桂咲之輔は、春之輔門下で入門九年目の人のようだ。東京なら、二ツ目。もちろん、大師匠が三代目。
上方の若手が芸を磨くことができ、ご近所の方が気軽に落語を楽しむことのできる場が増えたことは、実に良いことだと思う。
先日、東京大空襲で家族を失いながらも、落語と出会って心の平穏を得て、素人落語家として反戦を訴え続けていらっしゃる寝床家道楽さんを紹介した。
どちらのニュースも、あらためて、落語という芸能の持つ素晴らしさを感じるニュースだ。
立ち直りつつあるときは妙薬となるなあ。
それと毎晩のことですが、夜中に目が覚めたときの就眠剤としてはバッハと双璧です。
落ち込みがひどい時って、本を読んでいても、集中できませんよね。
後悔先に立たず、ってことは百も承知二百も合点なのですが、あぁすれば良かった、こうもできた、と悔やむのが人間なのでしょう。
バッハと双璧は志ん生でしょうか、米朝でしょうか(^^)
