寅さん、やっぱり、いいんだよね!
2015年 05月 30日
落語会に行く予定だったのだが、野暮用で行けなくなった。
そういうこともあるのが、人生。ちょっと大袈裟(^^)
でも、最近の土曜は、BSジャパンの「男はつらいよ」があるのだ!
寅さんシリーズは、全部見ている。
映画館で見たこともあるが、テレビで観ている方が多いかな。
とにかく、このシリーズは、日本人にとって大事な映画だと思っている。
何度観ても、同じ場面で笑い、そして、目頭が熱くなる。
今夜は、第20作「寅次郎頑張れ!」だった。
松竹の公式サイトから、この作品の「かいせつ」と「ゲスト」などをご紹介。
松竹「男はつらいよ」公式サイトの第20作のページ
かいせつ
とらやに下宿中のワット君こと良介(中村雅俊)が、初対面の寅さんを“押し売り”と間違えたことから大騒動となる。結局、寅さんと意気投合した良介は、食堂「ふるさと亭」の幸子(大竹しのぶ)との恋愛を、寅さんの指南で成就させようとするが、振られたと勘違い。良介はガス自殺を計ろうとして、とらやの二階は大爆発! 責任を感じ、長崎県平戸に帰った良介を、励まそうと寅さんがやってくるが、良介の姉・藤子(藤村志保)に一目惚れをして、そのまま居着いてしまう…
テレビドラマで人気絶頂の中村雅俊と、若手実力派ナンバーワンの大竹しのぶをゲストに迎えた、シリーズ二十本記念作品。寅さんが“恋の指南”を買って出るパターンは、第14作『寅次郎子守唄』以来だが、本作を機に、寅さんの「恋のコーチ役」は定着していく。寅さんが、良介の美しき姉・藤子にぞっこん惚れてしまう後半、藤子と二人きりになってしまう状況を“寅さんのアリア”で語るシーンは、シリーズの白眉。平戸の船長を演じたベテラン・コメディアン、石井均の「惚れとるばい」の名台詞とともに、華やかな笑いに包まれた一編。
マドンナ 藤村志保
ゲスト 中村雅俊、大竹しのぶ
ロケ地 長崎県平戸
昭和52(1977)年の作品。だから、中村雅俊も大竹しのぶも、若いねぇ。
もちろん、渥美清も、藤村志保もだが(^^)
昭和52年、渥美清が49歳、藤村志保は38歳、中村雅俊が26歳で、大竹しのぶは、まだ20歳である。
ちなみに、私は22歳の大学4年生の頃で、たぶん、劇場でこの映画は観ている。
その頃は、体育会の部活動の費用を稼ぐ旅館でのアルバイトをする時は、中村雅俊演じる良介のようなジーパン姿だったなぁ。本人は、松田優作に似ている、と思っていたのだが(^^)

吉村英夫著「へたな人生論より『寅さん』のひと言」は、単行本が2006年発行されていたらしいが、2008年に同じ河出から文庫で発行されてから気づいて読んで、すぐにAmazonのレビューを書いた。
このブログを書き始めた頃だ。
この本の著者は、昭和15年生まれで早稲田で映画研究会に所属していたらしい。卒業後、高校教諭や大学の講師を勤め、この文庫発行時は、愛知淑徳大学文化創造学部教授、とのこと。『山田洋次X藤沢周平』(大月書店)という本も出しているようだ。
とにかく、著者は寅さんが好きで、映画を観るのみならず、全作品のシナリオをつぶさに読んでいる。
「第三章 たしかな絆に気づく『寅さん』のひと言」で、今日放送があった第20作から紹介されている寅さんの言葉があるので引用したい。
寅
「例えば、俺が旅をしている、秋の日はつるべおとしよ、遠くの寺で、ゴーンと鐘の音が聞こえる。そんなときにも、あーあ、今ごろとらやでは、みんな、どうしているんだろうな-。さくらや博は元気か、ヒヨッとしたら、おじちゃんは持病の喘息が出てるんじゃないか。おばちゃんは腰が冷えてるんじゃ、そう思うと、もう、矢も楯もたまらなくなってよ、とびおりして一目散に帰って来た帝釈天の参道だ。お寺の山門、みやげ屋の家並、ここだけは昔と一ツも変わってやしないよ」
いいよねぇ、こういう科白。
この作品は、松竹公式サイトでも紹介されている“寅さんのアリア”も聴きどころだが、他にもたくさん見どころがある。
脇役陣も石井均も良いし、神父役の桜井センリも、実に結構。
粗筋として主旋律は、良介と幸子の、今ではありえないであろう、淡く純な恋。
この若い二人は、初心なので、プロポーズもすんなり上手くはいかなかったことを、本書から引用する。
第20作は告白が拙速だった。ラーメン屋に勤める幸子(大竹しのぶ)に良介(中村雅俊)が告白するが、その直前、幸子は故郷の母親が倒れて緊急手術を受けるとの連絡が入っていた。
良介 「幸ちゃん」
幸子 「え?」
良介 「結、俺と結婚してくれ」
幸子、呆然としている。・・・泣き出しそうな困惑に耐えながら、
幸子が答える。
幸子 「・・・・・・・・こんなときに、なんてこと言うの、バカ・・・・・・・・」
この場面、ジーンときて、いいんだよねぇ。
この本から、放送と連動して、今後も紹介することがあると思う。
「寅さん」というカテゴリーもつくった。
Amazonの私のレビューをご紹介して、今回は、お開きとします。
寅さんファン必携の本。泣けるセリフに映像が蘇る!
著者は『男はつらいよ』や山田洋次監督に関する著作のある大学教授。私自身が大の寅さんファンであるので、割り引いて評価する必要があるが、やはりこの本はお奨め。2年前に単行本で発行されていたらしいが、まったく気づかなかったので文庫での発行に感謝。
タイトルは少し長いが、「その通り!」と共感。偉い先生たちの処世訓やら人生論などよりも、人生や家族、生きるために大切なことを教えてくれるのが『男はつらいよ』であり、寅さんをはじめとする登場人物の数々の“名言”なのだ。
“第一章 心がまっすぐになる「寅さん」のひと言”から“第六章 生きる勇気がわく「寅さん」のひと言”まで、もちろん「寅さん」の言葉のみならず、全48作のシナリオを読み抜いた著者に選ばれた、会話、モノローグ、手紙の文句などがぎっしり詰まっており、寅さんファンも、そうじゃない方も、日本人ならうれしくなる言葉の宝庫である。
山田洋次という、冷徹な目で日本人や家族の原風景に迫り続ける映画監督と、渥美清という稀代の名優によって初めて成し得た数々の傑作。そこには、多くの人生哲学が織り込まれている。山田洋次は、「笑い」があって初めて人が心を開くということを知っている。
巻末の全48作のリストもうれしい。読みながらリストを参照し、より一層懐かしく、そして感慨を新たにした。学生時代に見た名画座でのオールナイト3本立てなども思い出す。
そして、あらためて、その凄い出演者の顔ぶれに、「国民映画」と呼ばれただけの価値を再確認するのだ。いまだ、この映画に代わるものは出ていないし二度とありえないだろう。
目一杯笑わせながら、「日本人で良かった」と思わせるそれぞれの会話や寅さん一流のセリフに、まさに気持ちが“やわらかーく”なるのだ。
観ている途中の地震・・・・・・。
最終第48作、1995年の阪神淡路大震災の傷跡がまだ残る街に立つ、寅さんを思い出した。
寅さん、やっぱり、いいんだよねぇ!
それにしても、地震大国日本で原発を再稼動させようとしている人達に、寅さんだったら、なんと言うだろう。
「そりゃあないよ、おっさん!」かな。
八千草薫さんが美容室を経営しているマドンナになった作です。米倉斉加年さんの気弱な大学教授も良かったです。
この次は「男はつらいよ」でお話したいですね(^^)
十作目、というと「夢枕」ですね!
亀戸天神の、あの二人の会話、いいなぁ。
米倉斉加年扮する大学教授のお千代への思いを寅さんが代弁したつもりが、お千代ぼうが寅さんの告白と勘違いする・・・名場面ですね。
先日は、葛飾で歌だけで失礼したので、次回は、ぜひ語り明かしましょう(^^)
それでは、少しだけ寅さんの啖呵売を。
「さて! いいかねお客さん。角は一流デパート赤木屋、黒木屋、白木屋さんで 紅白粉(べにおしろい)つけたお姉ちゃんから下さい頂戴で頂きますと五千が六千、七千が八千、一万円はする品物だが今日はそれだけ下さいとは言わない!
いいかい? はいっ! 並んだ数字がまず一つ。物の始まりが一ならば国の始まりが大和の国、島の始まりが淡路島、泥棒の始まりが石川の五右衛門なら、助平の始まりがこのオジサンっての。笑っちゃいけないよ、助平ってわかるんだから、目つきみりゃ。
続いた数字が二だ。二冊こうやって負けちゃおう。兄さん寄ってらっしゃいは吉原のカブ仁吉(にきち)が通る東海道、日光結構東照宮、憎まれ小僧が出来ないように、教育資料の一端としてお負けしましょうもう一冊、どう? ・・・・・・」
本日は、ここまで(^^)
