第14回 さがみはら若手落語家選手権 第2回予選会 杜のホールはしもと 1月31日
2015年 02月 01日
よって、行くのを諦めていた「さがみはら若手落語家選手権」の二回目の予選に行くことにした。
会場の杜のホールはしもとに電話したら、12時から当日券発売とのこと。
相模原市民文化財団のサイトから、今年で第14回目となる同選手権の予選参加者を、写真入りポスターとともにご紹介。
相模原市民文化財団サイトの該当ページ


【予選会】 <第1回>古今亭志ん八、柳家小太郎、春風亭一蔵、入船亭小辰、三遊亭遊里
<第2回>立川らく次、柳家わさび、春風亭正太郎、春風亭昇也、三遊亭天歌
<第3回>春風亭朝也、柳亭こみち、柳亭市江、三遊亭楽大、春雨や風子
<第4回>昔昔亭桃之助、林家たこ平、立川平林、柳亭小痴楽、三遊亭めぐろ
【本選会】 予選会1位4名+2位で惜敗率が最も高い出場者の計5名
ゲスト真打 桂 歌春
第1回予選会 2015年1月17日(土)
第2回予選会 2015年1月31日(土)
第3回予選会 2015年2月14日(土)
第4回予選会 2015年2月28日(土)
本選会 2015年3月15日(日)
すでに終了した第一回予選会は、柳家小太郎が『お菊の皿』でトップ通過。二位に志ん八だったらしい。
12時少し前に横浜線橋本駅に着き、杜のホールがある駅前のビルの書店で少し時間をつぶした。正午を回ったあたりで会場である八階の多目的室の前で当日券を無事獲得。ちなみに木戸銭は1,100円なり。
駅近辺を少し散歩し、昼食をとって開場13;00の15分前に戻ったら、すでに三十名ほどの行列。自由席なのだ。開場は予定より5分ほど早まった。前から五列目当たりの中央の席を確保し、6階の喫煙室へ。プログラムにはすでにネタが掲載されている。プロフィールを眺めながら一服。
一時半の開演時で、パイプ椅子の200席は、ほぼ満席だった。
開演後、最初に桜美林大学落語研究会の女学生がルールを説明し、出演者五名が登場。抽選で出演順が決まった。
この女学生、なかなかの天然キャラで笑いを誘ったが、持ち時間が20分ということを説明しなかったような気がするぞ^^
また、「いちばん面白かった人」に投票してください、という表現、少し私にはひっかかる。上手く演じても、笑いの少ないネタもある。「もっとも良かったと思う人」とでも言って欲しいものだ。
さて予選第二回の出演者とネタを、出演順に開口一番を含めご紹介。
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(開口一番 瀧川鯉○『転失気』)
柳家わさび『幇間腹』
三遊亭天歌『Who』
春風亭正太郎『五目講釈』
(仲入り)
立川らく次『黄金の大黒』
春風亭昇也『時そば』
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瀧川鯉○『転失気』 (12分 *13;36~)
何度か聴いているが、今日の出演者の中でもっとも落ち着いていたかもしれない^^
花屋では「転失気」を「味噌汁に入れて食べた」と言っていたが、やはり「お付けの実にして食べた」と言って欲しい。
おみおつけは「御御御付け」と書く、実にありがたいものなのであるし、残して欲しい言葉なのだ。
柳家わさび『幇間腹』 (19分)
学校寄席での教頭先生のちょっとズレたヨイショのマクラから本編へ。華奢な体型なので、よくこのネタを選んだものだと思っていたが、そのハンデ(?)を芸の力ではねのけたような気がする。とにかく幇間の一八が楽しい。プログラムによると、この大会には四回目の参加で、過去二度本選出場は、正太郎と同じ最多タイ。二ツ目昇進が平成15年で、らく次につぐベテランだ。そういった経験と技を十分に発揮したように思う。トップでの出演でなければ、少なくとも二位には入った出来栄えではなかったかと、私は思っている。
プログラムに「将来の夢?」の答えが「ヘルニアの完治」とあった。ぜひ治していただこう。
三遊亭天歌『Who』 (19分)
歌之介の弟子で、前座名は、三遊亭ございます。
昨年二ツ目昇進したばかりで、初出場。
ネタは新作で、マクラで本人が自虐的に言っていたが、登場人物が多い。
父、母、兄、姉、本人、家庭教師、鮨屋、の七名。この家庭教師は兄の同級生なのだが、母が勤めるキャバクラで母の常連客であり、姉の恋人で、姉はすでに妊娠している。主人公とは部屋でゲームをして遊んでいるという始末で、父親が怒りまくるのだが、実は・・・・・・という内容は、なかなか笑える。しかし、この人のカミシモが良くない。たとえば、母と父との会話において、母親の視線があまりにも下向きになり、まるで一階と二階での会話のようになる。また、熱演のあまり、動作にもやや無駄が見受けられのが難点。しかし、創作力はありそうだし、師匠があの人である。今後もまた聴きたくなった。
春風亭正太郎『五目講釈』 (19分)
かつて予選トップの賞品である高座ブタのハム詰め合わせを前座(誰かは不明^^)に預けたら、そのままになり戻らなかったので、今回はぜひ賞品を持ち帰りたい、とのこと。
講釈師は高座に上がってもすぐには始めない、と咳払いをし、お湯を飲み、客席を睨んだり、という仕草で笑いをとって、若旦那が披露する講釈につないだ。
赤穂浪士の討入り→桜田門外の変→切られ与三郎→清水次郎長→那須与一→赤穂浪士と、言い立ても滑らかに五目を挟んだ。
このネタ、正太郎はこの大会での優勝を狙っての選択と察する。満員の会場は大いに沸いた。マクラで「仲入り後も、前半の三人を忘れないでください」と言っていたが、この内容なら忘れられることはないだろう。仲入りの喫煙室で、正太郎の高座を褒めている会話を耳にした。
立川らく次『黄金の大黒』 (19分)
年齢(38歳)、平成12年の入門、平成19年の(立川流)二ツ目昇進も含め、もっとも古株(?)の人だが、大会参加は二度目らしい。
高座がもっとも安定していたのはこの人だったと思う。声も良い。師匠ゆずりのクスグリなのかもしれないが、長屋の住人が使いまわす甚兵衛さんの羽織の紋が、かたばみと左三階松に鬼蔦、「それじゃ柳家小さんに立川談志、そして古今亭志ん朝じゃねぇか」は、私には楽しかった。とっちゃんと慕われている彦兵衛が見本を示した口上も渋いし、大家にふるまわれた鯛の塩焼きをセリ合う場面なども楽しい。結果二位にも入らなかったようだが、これは「もっとも面白かった」という冒頭のルール説明の言葉に影響されているような気がする。
春風亭昇也『時そば』 (19分 *~15:39)
神田連雀亭で初めて聴いて好印象だったので、期待していた人。マクラでは、自分の結婚披露宴に、師匠の昇太を友人代表で招待したなどで会場を笑わせる。この人は話芸の基礎ができている、という印象。
さて、本編なのだが、このネタなら師匠昇太のように、上方版『時うどん』の型で最初に兄貴分と弟分の二人が蕎麦を食べる筋書きかと思っていたが、違っていた。兄貴分が一人で蕎麦屋から一文かすめた後、その手柄話(?)を弟分にして、弟分が翌日に真似をして失敗、という内容。私は、この筋書きは支持できにくい。これでは、東京版の、近くで聞いていた“日陰で育った”男による可笑しさと、上方版の良さである、翌日も二人連れのつもりで存在しない相手との会話による可笑しさ、のどちらも存在しない。
蕎麦を食べる仕草は、本人が拍手を要求するほどは上手くない。それはよいとしても、ネタそのものの可笑しさと彼ならではの語り口で会場から笑いはとっていたが、私には中途半端と思える演出が残念だった。
さあ、全ての高座が終り、投票である。
正太郎の優位は変わらないだろうと思った。
らく次は笑いは少なかったが、しっかりした高座。こちらが二位かもしれない。しかし、記憶が新しい分だけ昇也の二位もあるかもしれない。
そんなことを思いながら、最初に登場したわさびの高座への思いも強く、わさびに一票を投じた。
まず、協賛者の表彰が4件あり、正太郎が3つ獲得することになる。
そして、集計結果が出た。
やはり正太郎だった。賞品のハム詰め合わせを前座の鯉○には渡さない^^
二位がドラムロールで発表され、昇也。惜敗率で志ん八とどっちが上か、再びドラムロール・・・しかし昇也、第一回予選の志ん八に及ばなかった。本人はズッコケル^^
昇也、「春風亭しょう」まで、正太郎と同じなので、何度も緊張し心臓を高鳴らせていたと言って、会場も沸く。
最後の最後まで、落研の女学生は天然ボケで笑わせていたが、それもご愛嬌か。
わさびと正太郎、こういう大会におけるネタ選びが大きく左右したようにも思うが、たしかに正太郎の高座は悪くはなかった。
まだ予選が二回あるが、正太郎が優勝候補の一人であるのは間違いないだろう。彼には、過去に師匠のことで降りかかった試練を乗り越えてきた経験もあるので、応援したい気持ちもないではない。
あと二回の予選に行けるかどうかは分からないが、この大会、お客さんの入りも良いし、反応が非常に暖かい。
NHKは予選を公開しないが、この大会のように公開して、客の投票も参考にするような内容にぜひ改訂して欲しいと思う。
神田連雀亭もそうだが、一所懸命の二ツ目さんの姿、なかなか見ごたえがあった。
そのころの前座が今有望な二つ目で活躍しているのは喜ばしいことです。
聴くたびに、たくましくなっているように思います。
まだ二回予選がありますし、第一回の通過者である小太郎(以前の小ぞう)もなかなかの実力者、日曜なので行けませんが、本選は接戦になるでしょうね。
