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元服・小正月・成人の日、そしてハッピーマンデーのことなど。

1月15日が「成人の日」ではなくなったのが平成12(2000)年なので、すでに15年前のことになる。

 かつての1月15日は、ラグビー日本選手権の決勝が行われ、国立競技場には、成人式を迎える晴れ着姿の女性も少なからず見かけられた。
 ちなみに、私は昭和60(1985)年1月15日、新日鉄釜石が七連覇を賭けた同志社大学との試合当日、国立競技場にいた。

 その国立競技場も、東京五輪に向けて、あいまいな計画により取り壊しされている。近隣の自然環境が破壊されるのが心配だ。

 さて、そもそも、なぜ1月15日が「成人の日」になったかというと、その昔、「元服の儀」が、小正月のこの日に行われていたからだ。

 もちろん、旧暦(太陰太陽暦)の時代の風習。

 小正月は、一年で最初の(ほぼ)満月の日で、その目出度い日に、一家の将来を担う子どもが、大人になる儀式を行っていたのである。

 ちなみに今日1月15日は、旧暦では11月25日。満月であるはずもない。
 付け加えると、旧暦元旦の旧正月は、今年は2月19日。

 昭和23(1948)年に、新暦1月15日を「成人の日」と制定した時点で、すでに、かつての元服->小正月==>満月、という旧暦時代の儀式とのギャップは生じている。
 それを、「ハッピーマンデー」という、国民の余暇拡大というたてまえはあるが、いわゆる‘経済効果’を求めた、文化、風習とは異質な理由で、1月第2月曜にしたことから、その起源との乖離が、いっそう大きくなった。

 他にもハッピーマンデーとやらは三日ある。海の日が7月20日から7月の第3月曜日に 2003年より変更。敬老の日が9月15日から9月の第3月曜日に、2003年から変更、そして、体育の日が10月10日から10月の第2月曜日に2000年より変更された。

 かつて、大人になるための通過儀礼であった元服の儀式が一年で最初の満月の日に行われていたことが、旧暦から新暦に替わり意味を薄め、その後、ある特定の日ではなくハッピーマンデーと変遷することで、その由来についての人々の思いも、ずいぶんと希薄になっていると思う。

 国民投票が18歳からになるから、そのうち「成人」も18歳からにしようという論議が盛んになるだろう。

 しかし、ハッピーマンデーに成人式があっても、もはや「通過儀礼」的な意味はないに等しい。連休だから特定の行楽地に人があふれ、着飾った若者が町に繰り出すだけだろう。そして、彼らは酒を飲み煙草を吸って叱られても「ウザーイ、ザッケンナヨゥ、18歳から大人なんだろ!」と言うに違いない。(あるいは、それまでに少年法などの改正があるかな)

 彼らの言葉をあえて借用して無理を承知でダジャレをひねるならば、通過儀礼としての意味はなくなるが、晴れ着姿の女性を見た同級生が、「ツーカー、キレイ!」と叫ぶかもしれない。(・・・・・・オソマツ)
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by kogotokoubei | 2015-01-15 11:41 | 幸兵衛の独り言 | Trackback | Comments(0)

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by 小言幸兵衛