神田連雀亭 きゃたぴら寄席 11月8日
2014年 11月 08日
平日は夜、土日は昼の開催の「きゃたぴら寄席」の土曜昼の部である。
少し余裕をもって出かけ、池波正太郎気取りで「まつや」で、もりと熱燗をおごった。
混雑はしていたが、一人なら相席で十分座ることができた。
食べ終わって連雀亭の場所を念のため店員さんにお聞きしたら、なんとも丁寧に教えていただき、途中まで案内していただいた。お忙しいのに、ありがとうございます。
その場所は、次のような行列のある、昨年の火事から先月再開した藪そばのすぐ手前。
ありましたよ連雀亭が。
出演する噺家さんたちが、表でちらしを配って丁寧に説明していた。
その四人は、連雀亭のサイトにあるように、次の二ツ目さんたち。
神田連雀亭のサイト
中に入って二階へ。テケツには歌太郎。千円払って会場へ。といっても、すぐ先である。
高座の下手には胡蝶蘭が。パイプ椅子が四列に35席。
最終的には20名を超えるお客さんの入りだった。
この高座で、次のような四人の二ツ目の奮闘ぶりを楽しませてもらった。
三遊亭歌太郎『権助提灯』 (22分 *13:02~)
テケツにいた際に声をかけたのだが、NHKの放送を見て風邪気味かと思っていたが、やや鼻声なのは地らしい。
楽しそうに地方での落語会の逸話などのまくらから本編へ。寄席ではこれだけの時間まくらをふることはできない。この寄席の良いところの一つだろう。
NHKでのネタ『たがや』について書いた記事の中で、女性が登場しない分、朝也や昇吉の色気のある噺と相対的に損をしたような気がする、と書いたが、この噺の女性役はなかなかに結構だった。権助も楽しい。この人、もっと聴きたくなった。
三遊亭好の助『壷算』 (19分)
円楽党からの参加。初めてである。とぼけた味のある噺家さんで、私は好感を持った。
筋書きは誰のものか知らないが、初めて聞くもので、「最初からやり直そう」ということで、一荷の水がめ代三円を返してもらった上に、二荷の水がめを六円で下に取らせ、その六円で二荷を買うという、なんともすごい詐欺(^^)
師匠好楽譲りだとすると、円楽党の伝統か?
今後化けそうな気がする人だ。
台所鬼〆『狸の鯉』 (17分)
落語会や寄席では聴いたことがあるが、これだけ近くで拝見し、「こんな顔だったっけ」と思わせる個性的な表情。
しかし、それだけ狸の演技にも迫力が出る。噺家らしい人で、印象は良い方に一変した。
昔昔亭桃之助『干物箱』 (20分 *14:28)
桃太郎のお弟子さん。初である。師匠からは想像できない(?)、非常に真っ直ぐな古典を聴かせた。
香盤からは、来年か再来年での真打昇進だろうか。まさか、あの師匠にこんなお弟子さんがいたとは。今後も期待したい。
四人とも、寄席ではできないまくらを交え、精一杯の高座を披露してくれたように思う。二ツ目さん達にとって、こういう場所は貴重である。
来て良かったと思いながら、昭和8年創業の老舗喫茶店ショパンでコーヒーを飲み、来る途中電車で読んでいた池波正太郎の『むかしの味』にあらためて目を通す。
池波も常連だった、甘味どころの竹むらや、あんこう鍋のいせ源さんを横目で見て、古き良き神田界隈散策を楽しんだ。
甘味どころ「竹むら」
あんこう鍋の「いせ源」
こういった老舗にも、ぜひ時間をつくって立ち寄りたいものだ。その佇まいを見ているだけでも楽しい。
実に良い場所に寄席をつくってもらった。志ん輔に、そしてビルのオーナーにも感謝したい。
その後、神保町まで歩きネットカフェでこの記事を書いた次第。
なぜ真っ直ぐ帰宅しないのかは・・・それは、明日の記事で明かされるのだ!
こうした専用館が出来たことは喜ばしいですね!
幸兵衛さんの記事を拝読し、歌太郎さんをまた聴きたくなりました。
私も早く風邪を治して、連雀亭へ行ってみます!
そんな風にはお見受けしませんでした。
鬼〆の風貌、先代の正蔵なら、「まことに噺家に相応しい顔」と評するのではないでしょうか^^
ぜひ、連雀亭とあの界隈にお訪ねください。
私も、また行きますよ。
落語関係でお世話になった豊田書店さんがなくなったのが寂しいですね。
土曜も、先に神保町で古書店を少しのぞいてから神田まで歩きましたが、ほどよい散策コースですね。
非常に良い場所に寄席ができたと思います。
連雀亭続くといいですね。私も是非行ってみたいと思います。
かつては目黒演芸場という定席もあったようですね。
連雀亭も、木戸銭から察するに、決して経営的に安定的とは思えません。
常連さんがどれだけできるかが勝負でしょうね。
何と言っても木戸銭が安いのが魅力。平日に昼は五百円、夜の部だって千円です。
驚くほど高い木戸銭の落語会が増えてきていることを考えると、将来期待できる二ツ目さんを応援する楽しみもできますし、非常に良い試みだと思います。
私も、できる限り顔を出したいと思っています。
あの周辺の老舗めぐりも楽しみなのです^^