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噺の話

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鈴本夏まつり さん喬・権太楼特選集 鈴本演芸場 8月20日(千秋楽)

昨年は二日目だったが、今年は楽日に鈴本の夏祭りへ。あの二人に新治、他の顔ぶれもなかなか結構だから、午後から休みをとって、オマケの夏休み(?)として駆けつけた。
 また、落語愛好家仲間の皆さんにお声をかけたところ六名集合となり、都合でお越しいただけない我らがリーダー佐平次さんに代わって、居残り会に良さそうなお店をネットで探し、場所を確認してから会場へ。

 ぴあでの前売りは、15日だけはしばらく売れ残っていたが、最終的には全日完売。しかし、お盆休み明けということもあるのだろう、千秋楽とはいえ当日券は残っていたようだ。

 演者とネタ、所要時間、そして短い感想を記したい。良い印象の高座や色物をピンクにする。

柳家喬志郎『つる』 (15分 *17:20~)
 鈴本は寄席なのに、開演前のブザー、あまり感心しないなぁ。
 終演後の居残り会でM女史から聴いた情報から察して、このネタは兄弟子喬太郎の指定と察する^^
 構成で疑問が一つ。隠居から「なぜ、首長鳥がつると言うようになったか教えてやろうか」と八五郎にふる、というのは、この噺としては不自然ではなかろうか。八五郎に聞かれて、知らないとは言えないので無理矢理こじつけた、という流れでこそ、筋が通るように思うがなぁ。
 それにしても、着物も袴も、少しブカブカだったぞ^^

ストレート松浦 ジャグリング (10分)
 この日唯一の代演。紋之助には申し訳ないが、楽しみにしていた。落語協会の若手色物として、この人の存在は大きい。語りも洗練されてきたし、踊る傘や“踊る黒と黄色と赤の棒”(工事用のコーンバー)の芸は、何度見ても素晴らしい。

橘家円太郎『親子酒』 (16分)
 この席では、さん喬、権太楼がネタ出しでトリネタを披露するので、他の噺家さんの演目選びは苦労されるだろうが、結果として芸達者が軽いネタを楽しく演じてくれる効用がある。円太郎のこの噺なども、その好例で、子供時代の夢のことから劣性遺伝につないだマクラの後、実に心地良く親子の酔っ払いを演じてくれた。

入船亭扇遊『狸の賽』 (14分)
 円太郎に続く、巧者による小ネタの好高座。居残り会でI女史は、“この日一番”とおっしゃったが、同感。なかなか、扇遊の狸ネタなんか聴けませんやね^^

柳家三三『開帳の雪隠』 (15分)
 映画アナ雪のマクラが10分。お客さんに映画を観た方は、と挙手をさせて少ないため、「きっと、今後も見ないでしょ!」と粗筋をかいつまんで、アナという女性が、明るい我がまま女で、「もっとも苦手なタイプ」とのこと。
 私も観ていないし、観るつもりもないが、時間調整とは言え、本人は楽しそうだったが、こっちには興味のないた題材。5分で本編をこなす力量には感心しないでもないが、『加賀の千代』でもいいから、15分のネタを聴きたかったなぁ。

江戸家小猫 ものまね (13分)
 もう親や祖父の七光りの域を超えたように思う。最近は父猫八の声があまり出なくなっているので、芸としては超えたと言っても良いだろう。初めてと思しきお客さんも少なくなかったようだが、皆さん大いに感心されたように思う。

柳家喬太郎『極道のつる』 (15分)
 喬志郎に古典版を仕込ませておいたに違いない^^
 このネタがあるということは知っていたが、聴くのは初。近い席の若い女性客が大笑いしていた。こういうネタで女性客を掴んでいるんだなぁ、この人。結果として、この日は「つる」が他の演者もクスグリに使う“基調ギャグ”(?)になった。
 私は、あれだけ大きな声で登場人物が怒鳴る内容は、好きとは言えない。喬太郎が“キラーコンテンツ”の一つで客席をドッカンドッカンさせたのは、仲トリの新治への対抗心もあるのかもしれない。(23日の三田が楽しみだ)

露の新治『蔵丁稚』 (20分)
 仲トリも三年目。志ん輔の日記風ブログ「日々是凡日」で、台湾で食中毒になり痩せた、とあったので少し心配だったが、見た目はそんなに感じなかった。連夜の打ち上げで体重が回復したか^^
 このネタは好きだ。上方が元で東京では演題が『四段目』。八代目柳枝の音源は携帯音楽プレーヤーの定番だ。
 判官切腹の場面での科白が、少しリズムに乗りきれない面もあったが、持ち味の明るく楽しく巧みな高座。結構だった。

ホームラン 漫才 (10分)
 結婚式ネタで、神父役の勘太郎が、ネタとして間違う演出と、本当に言い間違えた部分が適度に融合(?)、会場も大爆笑。この大事な席でのクイツキとして短時間ながら十分に役割を果たした。

柳家さん喬『水屋の富』
(33分)
 居残り会でも、このネタ自身への好悪の話が出たのだが、確かに“損なネタ”の部類に入るかもしれない。私はさん喬では、ブログを書きはじめる前、2007年6月30日前進座での喬太郎との親子会以来。さん喬は、この噺、嫌いじゃないのだろう。ちなみに、その日のさん喬のもう一席が『唐茄子屋政談』だった。この二席の取り合わせが良い、ということなのか。
 古典でも、何らかの新解釈、新演出をする人だが、『宿屋の富』ばりに湯島での富興行場面を挟むのは、私には良い工夫には思えなかった。志ん朝の大須での音源などでもそうなのだが、水屋が悪夢にうなされる場面を、もう少し印象づけることで、サゲが生きるように思う。悪夢を三晩見る演出だが、回数ではなく、その怖さが欲しい。これは好みの問題にもなるが、私はそう思うなぁ。

林家正楽 紙切り (12分)
 ご挨拶代りの「線香花火」に始まり「水屋の富」「権太楼」「風神雷神」と続いた。居残り会で話題になったが、その日のネタや噺家のお題、さていかがなものか・・・・・・。ご祝儀を渡した人はいなかったような気がする。これも好みの問題か^^

柳家権太楼『唐茄子屋政談』 (48分+三本締めで50分 *~21:24)
 叔父さんが主役、と言える構成。志ん生版がベースにあるような印象。 しかし、小さん、かもしれない。
 あえて、“くさい”演出なのだろう、徳が誓願寺店での出来事を叔父さんに話す場面などで、結構、徳が泣く。叔父さんは怖くもあるが、徳への思い遣りもある。なかなかいい男だ。
 唐茄子売りになるのを「みっともない」と嫌がる徳に、「唐茄子が口をきけたら、お前みたいなもんに売られるのが、みっともない、と言うぞ」のひと言、いいなぁ。
 吉原田圃で売り声の練習をしながら、花魁との楽しい日々を思い出す場面、花魁に催促されての唄は、志ん生のように「薄墨」ではなく、「鬢のほつれ」。「鬢のほつれは枕のとがよ それをお前にうたぐられ 勤めぢや苦界ぢやゆるしやんせ」を、アカベラで軽く聴かせたが、三下がりの三味線があっても良かったのではなかろうか。下座さんが申し出たが権太楼が断ったのかもしれない。
 途中から、居残り会のこともあり、やや長~く感じながらの一席だったが、数年前に体調を崩していたことを思うと、元気な権ちゃんの高座を確認できたことだけで、満足だ。


 終演後、湯島方面に少し歩いた場所にある「おばんざい」のお店へ。カウンターのみ七席に六名で貸切。
 落語のことを中心にいろんな話題で盛り上がり、ついつい純米酒のグラスが空になり、あれこれと違う銘柄をいただく。
 幹事役としては、想像よりは割り前が高くはなったが、皆さんも楽しまれたようなので許していただこう。 六人の頭文字を並べると「I MAY OK」となるので、ほぼOK!、,と考えることにしよう^^
 九時半始まりで十一時にお開きなのだから、電車の中で日付変更線越え。ちどり足でわが家に帰り、風呂に入って爆睡である。

 最近は、結構遅くまで飲んでも、早く起きてしまう。年か^^
 あらためて昨夜のこと。夏の風物詩になりつつある、鈴本夏祭りの千秋楽、主役のさん喬、権太楼のお二人には、本当にお疲れ様でした、と言いたい。お二人の本席のネタは次の通り。

        柳家さん喬      柳家権太楼
初日     ※お 直 し      疝 気 の 虫
二日       明   烏      ※井戸の茶碗
三日     ※船   徳       蛙 茶 番
四日       笠   碁     ※抜 け 雀
仲日     ※猫   定        短   命
六日      三 枚 起 請     ※一 人 酒 盛
七日     ※唐茄子屋政談     お化け長屋
八日      千 両 蜜 柑     ※鰍   沢
九日     ※百 年 目       代 書 屋
楽日      水 屋 の 富     ※唐茄子屋政談

 大変だよ、暑い中でのこの十日間は。 (※がトリ)

 楽日、個々の高座には小言がないではないが、全体として非常に結構だったと思う。また、久し振りの顔ぶれを含む大人数での居残り会も、頗る楽しかった。
Commented by 楠運平 at 2014-08-21 12:51 x
こんにちは。19日の当日券に並んで夜席を聴いて来ました。権太楼師匠は代書屋でしたので寄席バージョンの学習院で終わりかなと思ったら饅頭大食いまで。権師匠の代書屋で饅頭までは初めてでラッキーでした。さん喬師匠は百年目は良かったです。聴き込んでしまいました。帰りに音楽プレイヤーに入れてある。矢来町の師匠の百年目と米朝師匠百年目を聴きました。さん喬師匠のは同じ位良かったです。今回は上方から新治師匠も参加で良い中席でした。
最近、音楽プレイヤーが調子が悪くiPodクラッシクに替えようかと思っています。
音楽プレイヤーをお使いのようですが何席くらい入っておりますか?

Commented by 小言幸兵衛 at 2014-08-21 13:42 x
お久しぶりです。
九日目でしたか。
19日か20日か、どちらかに行くつもりで、結果として楽日になった次第です。
2009年に、権太楼『青菜』、さん喬『百年目』という組合わせで、両方とも結構な高座だったことを思い出します。
携帯音楽プレーヤーには、ざっと60席位です。
落語が半分強、残りをジャズと懐かしの海外と日本の音楽、という割合です。
『百年目』は、同じ二人の音源が定番で入っていますよ^^

Commented by ほめ・く at 2014-08-21 22:37 x
私は敢えて三三と喬太郎が揃って休演した18日を選びましたが正解でした。
やはり三三はアナ雪で時間稼ぎでしたか。こんな事やってちゃダメですね。
さん喬は近ごろハズレが多い。
18日も新治と権ちゃん二人が光ってました。

Commented by 介護労働者 at 2014-08-21 23:15 x
忘れたけど 中入り後から立ち見でしたが
トリさん橋「お直し」でした!
初めて聞く噺でしたから

まあ鈴本と国立劇場の歌舞伎公演は

似た雰囲気ですな

ブザー(笑)

Commented by 小言幸兵衛 at 2014-08-22 08:50 x
あえてその二人の休みを狙う、なんてぇのは、ほめ・くさんしかいらっしゃらないでしょう^^
お客さんの中には複数日行かれる方もいらっしゃるはずなので、その度にアナ雪を聞かされたのでは、たまりませんね。
三三は、扇遊など先輩の姿勢を見習って欲しいものです。
新治は、「初日に絶句した」、とブログで書いていましたが、しっかり十日間務めたようですね。
三本締めの際、権太楼の達成感と疲労感に満ちたような表情が忘れられません。楽日ならでは、でした。

Commented by 小言幸兵衛 at 2014-08-22 08:57 x
今年の初日も「お直し」だったようですが、さん喬では未見です。
ネタとの相性から察するに、ニンかもしれませんね。
今年は、喜多八と志ん輔で聴いていますが、池袋のリクエスト寄席での志ん輔は大変結構でした。

あのブザーは興醒めです^^
寄席や芝居小屋の開演案内で電子音は野暮でしょう!
そういう点も、末広亭に比べて鈴本が今一つ気に入らない理由です。

Commented by 佐平次 at 2014-08-22 10:57 x
うーむ、、様子がわかって有難いやらグヤジイやら。

Commented by 小言幸兵衛 at 2014-08-22 11:05 x
申し訳ありません。
その悔しさは、次の落語会で晴らしてください^^

Commented by 創塁パパ at 2014-08-23 07:54 x
ほんと、楽しかったです。与世山も毎晩聴いています((笑)

Commented by 小言幸兵衛 at 2014-08-23 08:11 x
楽しかったですね。
すぐに、次の楽しみも待っていますね^^

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by kogotokoubei | 2014-08-21 06:30 | 寄席・落語会 | Comments(10)

落語のことを中心に、ときたま小言や独り言。


by 小言幸兵衛