アジアの隣人との関係悪化は、旧暦を忘れたせいもあるか・・・・・・。
2014年 04月 04日
2013年4月4日のブログ
二十四節気で春分の次の清明は、「万物が発生、清く明らかになる時期」と考えられている。
中国では、日本のお彼岸やお盆のようにお墓参りをして墓石を綺麗に掃除し、その後で一族で宴会になるようだ。祝日であり春節の次に長期休暇をとる期間である。
会社の中国人社員は、先日まで家族と一緒に中国に帰郷し仕事の関係で戻ってきたのだが、親御さんはそのまま残って明日お墓参りをするらしい。
日本において、かろうじて旧暦の名残りを残す沖縄では、清明を「シーミー」と呼ぶ。
沖縄にある、臨済宗相国寺派の嶺南山通天寺というお寺のサイトを見つけた。暦と行事について、次のように書いてある。
通天寺のサイト
沖縄の暦・行事
沖縄では旧暦(陰暦)で祭りごとや行事を行う風習が 今でも息づいています。
旧暦はいにしえの人々の生活から生まれた暦であり、 太陽や月、星々の見え方の違いで 季節を感じ、日々の暮らしに活かしてきました。 特に「潮の満ち干」が人の生死に関係があると考えている沖縄では、 人は満ち潮のときに生まれ、引き潮のときに死ぬことが 多いと考えられています。
また、祭りごとの多くが旧暦の15日に集中しているのも、 満月の日には人は気分が高揚し、余りあるエネルギーを祭りごとで 発散させるという先人の知恵があったとも言われています。 どちらにしても、旧暦とともに暮らす沖縄においては、 旧暦や潮の満ち引きなどは行事を行う上で なくてはならない存在なのです。
最近は沖縄に旅行していないのだが、十年ほど前は、費用の高い盆暮れに(その時期しか長期休暇がとれなかった)、連れ合いと唯一共通の趣味であるスキューバダイビングに行ったものだ。だから「大潮」の意味するところは、それなりに分かる。
旧暦は、太陰太陽暦で、月の運行を基本に太陽の運行も要素として取り入れた、生活と密着した優れものの暦。
明治五年の改暦の背景について、昨年の雪の日に書いた。明治政府がグローバル化を図るため、というお題目はあったが、公務員の給料を減らすという目的も兼ねた拙速な改暦だった。
2013年1月14日のブログ
沖縄以外の日本は、ものの見事に旧暦を忘れてしまった。
そう思うと、アジアの隣人との関係にも、旧暦は影響しているかもしれないと思うのだ。
中国や韓国との関係が緊張しているのは、もちろん安倍晋三のせいでもある。
しかし、その深層には、旧暦を忘れた日本人と、明日の清明にお墓詣りをする中国や韓国の方との生活感のズレも影響しているのかもしれない。
会社の中国人の社員(美人の女性ですよ^^)は、今日会った時「明日はお墓参りだね」と言うと、「よく知ってますね!」とニッコリ笑ってくれた。どんな料理を食べるのかとか、いろいろ教えてくれた。こんな話をできるのは、私だけだ、とも言っていた。
日本のお盆のお墓参りは、どうしても8月15日と重複するために、国の首相や大臣が何らかの行動を示すと誤解を招く。だから、清明にお墓参りは、ちょうど花見の季節でもあり理にかなっているように思うなぁ。
私は、あくまで落語や江戸時代の庶民の生活が好きなので、旧暦のことに関心がある。誰もが旧暦を意識して生活すべきだ、とまで言おうとは思わない。しかし、アジアの隣人のことを知り良好な関係を築くためには、相手の習慣や文化を知っておくことは大事だと思う。
明日のテレビの天気予報では、「今日は二十四節気の清明」と、その意味も分からず言うことだろうが、お天気キャスターなる者が、その清明の日にお墓参りに行くことはないだろう。