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噺の話

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今年上半期を振り返る—マイベスト十席候補を中心に。

さて、今年も半分が過ぎたので、前半を振り返ってみたい。今日(30日、日曜)書くのは無理かと思っていたが、テニスの後の食事(飲み)会から帰宅し、少し寝て『八重の桜』を見ていたら目がパッチリ開いたので、書くことにした。

 一月から六月にかけて落語会および寄席に行った回数と、聴いた高座の数を数えてみたら、こんな数字だった。

 一月 5回 20高座
 二月 5回 28高座
 三月 5回 27高座
 四月 5回 31高座
 五月 6回 34高座
 六月 4回 24高座

 ということで、上半期合計で30回、164高座だった。開口一番も含んでいるし、寄席に行くと一挙に高座数も増える。ちなみに、寄席に行った回数は、二月、三月、四月が各一回、五月が二回、そして六月が昨日の一回だった。末広亭三回、池袋が三回。浅草は昨年行っているが、鈴本は久しく行っていないなぁ。


 落語会や寄席に積極的に行きはじめてから八年位になるが、上半期としては最多回数で最多高座数である。
 
 その164高座の中で、「今年のマイベスト十席」の候補としたのが、次の18席。

(1)五街道雲助『二番煎じ』
>五街道雲助独演会 横浜にぎわい座 1月9日

(2)瀧川鯉昇『芝浜』
>ざま昼席落語会 ハーモニーホール座間 1月12日

(3)春風亭一之輔『明烏』
>月例 三三独演 新春公演 イイノホール 1月18日

(4)春風亭小柳枝『時そば』
>新宿末広亭 2月中席 昼の部 2月11日

(5)古今亭寿輔『ラーメン屋』
>池袋演芸場 3月上席 昼の部 3月2日

(6)入船亭扇辰『さじ加減』
>通ごのみ 扇辰・白酒の会 日本橋社会教育会館 3月5日

(7)桂文我『菜刀息子』
>ざま昼席落語会 ハーモニーホール座間 3月9日

(8)五街道雲助『よかちょろ~山崎屋』
>雲助蔵出し 浅草見番 3月30日

(9)古今亭志ん輔『柳田格之進』
>志ん輔三昧 横浜にぎわい座 4月11日

(10)春風亭一之輔『大山まいり』
>ハマのすけえん 横浜にぎわい座のげシャーレ 4月30日

(11)五街道雲助『髪結新三』
>らくご街道 雲助五十三次之内~吉例~ 日本橋劇場 5月14日

(12)橘家文左衛門『天災』
(13)入船亭扇辰『団子坂奇談』
>橘家文左衛門・入船亭扇辰 日本橋社会教育会館 5月24日

(14)柳家喜多八『寝床』
(15)柳家喜多八『仏の遊び』
>柳家喜多八・柳家三三 中野ZERO小ホール 6月5日

(16)露の新治『狼講釈』
(17)露の新治『大丸屋騒動』
(18)柳家さん喬『包丁』
>第26回 三田落語会 夜席 6月22日


 特徴の一つは、寄席から二席入ったこと。それもどちらも芸協である。

 また、地域寄席のざま昼席落語会から二席入った。自宅近所で土曜の昼という好条件なのだが、いろいろと野暮用もあって毎回行けているわけではない。しかし、この会はあなどれない。昨年は今松の『子別れ-通し-』もあったからねぇ。

 そして、その座間の会の桂文我『菜刀息子』を含め、上方落語から三席入ったことも、例年と違う特徴だろう。


 同じ噺家さんで複数ノミネート(?)されたのは下記の通り。

五街道雲助
『二番煎じ』
 >五街道雲助独演会 横浜にぎわい座 1月9日
『よかちょろ~山崎屋』
 >雲助蔵出し 浅草見番 3月30日
『髪結新三』
 >らくご街道 雲助五十三次之内~吉例~ 日本橋劇場 5月14日

春風亭一之輔
『明烏』
 >月例 三三独演 新春公演 イイノホール 1月18日
『大山まいり』
 >ハマのすけえん 横浜にぎわい座のげシャーレ 4月30日

入船亭扇辰
『さじ加減』
 >通ごのみ 扇辰・白酒の会 日本橋社会教育会館 3月5日
『団子坂奇談』
 >橘家文左衛門・入船亭扇辰 日本橋社会教育会館 5月24日

柳家喜多八
『寝床』
『仏の遊び』
>柳家喜多八・柳家三三 中野ZERO小ホール 6月5日

露の新治
『狼講釈』
『大丸屋騒動』
 >第26回 三田落語会 夜席 6月22日


 全十八席のうち、この方々で十一席になる。

 直近の新治の印象が強いのは、致し方ない。凄い噺家さんが上方にいたものだ。米二、文我、そして雀々など、東京で落語会を開いていて好きな上方落語家さんは何人かいるが、この人の名は大きく太字で、私のリストに加わったように思う。

 他は東京落語界を背負って立つ人たちが並んだのではなかろうか。

 三席が候補となった雲助は、今もっとも乗っている噺家さんだと思う。“いたちや”さんや“オフィスM’s”さんといった良心的な席亭の努力もあって、好企画シリーズで発表の場があるという環境の良さも手伝っているが、そういう機会に期待通りの高座を披露する力量は並大抵ではない。三席の中では、やはり『髪結新三』が圧巻だった。しかし、『よかちょろ~山崎屋』も捨てがたいし、あの『二番煎じ』も良かったなぁ。年末までに雲助のノミネートされる高座は、きっと増えるだろう。選ぶ楽しみ(と悩み?)は、その時まで取っておこう。

 喜多八は、ここ数年聴いているが、最近の落語会で非常にレベルの高い高座が続いた。マクラも含めた“喜多八ワールド”の奥深さを感じている。

 扇辰の充実ぶりにも目を見張る。選んだ二席(『さじ加減』『団子坂奇談』)のような珍しい噺を、しっかり自分のものにしており、同期の喬太郎に良い刺激を与えているのではなかろうか。

 一之輔は、真打昇進後もマイペースで順調に成長しているように思う。ブログを見ても、何ら気負ったものを感じず、志ん輔のブログとは好対照^^

 その志ん輔の横浜にぎわい座の新企画での『柳田格之進』は、非常に結構だった。最近のブログ日記では、先日の怪我からまだ快復していないようなので、少し心配ではあるが、また古今亭の十八番を聴きたいものである。

 他の噺家さんと高座について、思い出しながら。

 鯉昇の『芝浜』は、ほぼ三木助の型で、結構驚きながら聴いていたなぁ。会場に追加のパイプ椅子が並べられ、喜多八が、史上(?)最多の入場者数と言っていたことも思い出す。

 同じ座間での文我『菜刀息子』は宗助との二人会での一席だった。珍しい上方落語の一つだったが、失踪した息子を思うお店の父と母の心理描写は見事だったし、時間の経過を“鍋ぁ~べ焼ぁ~き~うど~ん (この後に、カラスが)「カァ~」(文我は扇子で顔を隠して、「カァー」)” の声での演出で描く部分や、昔の上方の物売りの声も楽しかったなぁ。

 小柳枝の末広亭での『時そば』も良かった。芸協の重鎮として寄席を引き締めていた。鯉昇の“ベートーベン”とは趣の違った本寸法(この言葉を使うと怒る人がいるが、他に言葉が見つからない)の高座だった。年末には、ベストテンとは別に「寄席」分野として取り上げることになりそうだ。
 同じ寄席での名演が寿輔の『ラーメン屋』。子供のいないラーメン屋の老夫婦。お金がない孤児上りの若い男がラーメンを食べ、無銭飲食だから交番に突き出してくれ、という場面から、何とも言えない人情劇が進む。寿輔の抑えた語り口が、かえって老夫婦と若者の心の通い合いを際立たせていた。あの派手なテトロン着物で隠された寿輔の実力を思い知った高座だった。

 文左衛門の『天災』には驚いた。岩田のご隠居、そして紅羅坊名丸の家の戸など外してしまうほどの乱暴者で短気な江戸っ子八五郎に涙を流して笑った。扇辰との二人会は、なかなか良い企画だと思う。

 さん喬の新治をたてようと言う配慮からと察する滑稽噺二席のうちの『包丁』は、私が好きな“人情噺よりも、落とし噺のさん喬”の面目躍如。歌舞音曲の素養があるから、寅の都々逸や端唄もサマになっていた。
 
 ちなみに喬太郎は小満んとの二人会のみ行ったが、ややがっかりだった。今年後半は、何席か古典を聴いてみたいと思っている。
 立川流の三人、志の輔、談春、志らく、は聴いていない。下半期も、たぶん行かないだろうと思う。

 上方あり、芸術協会あり、そして、中堅のベテランありの上半期、昨日の池袋の柳家小のぶとの出会いも含め、贅沢な前半だったように思う。落語会や寄席に行ける幸せを、本当はもっと感謝しなくてはいけないのだろう。


後半は、回数は減るだろうと思うが、一期一会の楽しい高座を期待したい。
Commented by 佐平次 at 2013-07-01 10:44 x
いくつかご一緒したことを思いだして改めて月日の経つのが早いのにショックを受けています。
新治の9月、申し込んだのですが、取れてるのかどうなのか不安です。

Commented by 小言幸兵衛 at 2013-07-01 13:04 x
月日の過ぎるのは早いもので、ついこの前、マッカーサーが来たかと思ったら・・・・・・。

お互い、9月も行けるといいですね!

Commented by ほめ・く at 2013-07-02 17:41 x
いずれ菖蒲(あやめ)か杜若(かきつばた)、年末にはきっと迷うことになりそうですね。
下半期にはまた思いもかけぬ人の名前が挙がってくるのではないでしょうか。
後半戦も楽しみです。

Commented by 小言幸兵衛 at 2013-07-02 17:53 x
そうなんです。またうれしい悩みが待っていそうです。
思いがけぬ名前があがってくることも期待したいですね。
寄席にも前半と同じ位は行きたいと思っています。

鈴本の八月中席夜、あの権太楼とさん喬の夏祭りの仲入り前に、なんと露の新治が出るんですよねぇ。
全体としても豪華な顔づけですねぇ。お盆、連れ合いの実家越後への旅の日程との相談になりますが、さて行けるかどうか。
何とか行きたいなぁ・・・・・・。

Commented by 創塁パパ at 2013-07-03 05:34 x
座間はなかなか、あなどれませんな。いい会です。私は最近雲助聴いてません。

Commented by 小言幸兵衛 at 2013-07-03 08:56 x
座間は貴兄には遠いけど、また行きましょう!
今月、たぶん一緒に雲助を聴く予定でしたよね!

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by kogotokoubei | 2013-06-30 20:30 | 寄席・落語会 | Comments(6)

落語のことを中心に、ときたま小言や独り言。


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