アベノミクスを、“安倍のみ、クスッ”に終わらせるな!
2013年 04月 05日
日経サイトの該当記事
まず、円安だからといって、すぐに輸出が拡大するわけではない、という当たり前の指摘。
アベノミクス相場に小泉改革後型リスク 異次元緩和 市場好感、消費者は?
日経QUICKニュース 編集委員 永井洋一
2013/4/5 10:12
前日の日銀の「異次元緩和」を好感した株式市場。日経平均株価は5日、一時1万3000円台を回復した。だが、就任100日を超えた安倍晋三首相の内心は複雑かもしれない。「消費者のことを考えれば、株高に浮かれてはいられない」と極めて冷静に眺めているのではないだろうか。
先月下旬発表になった2月の貿易統計。輸出数量指数が前年同月に比べ16%低下した。財政・金融・産業の各政策を総動員し、日本をデフレ脱却へと導こうというアベノミクスにとって目下、最大の敵は輸出の減少だ。
【輸出減、アベノミクスに最大の敵】
1ドル=80円近辺から96円台へと、この5カ月近くで15円以上、下落した円の対ドル相場。円安が加速したのに輸出が減ったのはなぜか。中国や欧州を中心に海外景気が低迷しているためだ。
円安は輸出企業の手取り収入の増加をもたらすが、企業が販売計画を変更するのは、たやすくはないから、一般的には海外で日本製品が値下げされるまでには、半年から1年程度のタイムラグが必要とされる。
次に、電気・電子機器の市場のことや、いわゆる“ガラケー”の没落、スマホの成長で、携帯電話機メーカーに代わって表舞台に立っていたスマホ内部の主要デバイス開発企業も、スマホ市場成長カーブの鈍化と国際的な競争激化で、今では在庫が増えている実態、そして企業の設備投資の状況などが記されている。
電気・電子機器は14%値下がりし、価格効果が働く余地がある製品といえる。しかし、スマートフォン(スマホ)販売の伸び悩みにより日本では、「電子部品・デバイス工業」の在庫が2年ぶりの水準に積み上がっており、当面は生産の活発化は見込みにくい。電気・電子機器は05~07年には国内でも値下がりしており、世界的に競争環境の厳しさがうかがえる。
円安でも現地価格を下げなければ、企業のマージン(利幅)は増えるため、1株利益(EPS)を重視する株式市場の投資家にとっては好都合だろう。
だが、輸出数量が増えなければ、日本経済全体には円安の恩恵は及ばない。その兆しはすでに表れている。日銀が1日発表した企業短期経済観測調査(短観、3月調査)は、大企業も中堅企業も中小企業も、さらに製造業、非製造業問わず、13年度の設備投資計画が前年度比マイナスだった。異次元緩和は、企業の設備投資意欲を刺激するのが狙いの一つだが、それが成功しなければ、国内景気の回復を伴わない資産バブルのリスクが高まる。
「異次元緩和」で金が出回っても、設備投資縮小などで使わなければだぶつくのは当たり前。
昨日の記者会見での質問に対し、黒田総裁は資産バブルの恐れはないように言うが、可能性は十分にある。そして、市場関係者は、そのことを知っている。
【資産バブル到来見越す市場関係者】
電気料金、ガス料金、小麦粉、輸入家具、印刷用紙……。新年度に入り、値上げが予定されている品目を挙げれば切りがない。円安で輸入製品価格が上昇しているためだ。では05年1月~07年6月の輸入物価はどうだったのだろうか。
日銀の輸入物価指数(円ベース)は4割上昇。品目別では、貴金属や非鉄金属などの金属・同製品が2倍、石油・石炭・天然ガスが9割、食料品・飼料が4割それぞれ上昇した。同じ期間の国際商品相場(ロイター・ジェフリーズCRB指数)の上昇率1割を大きく上回る。アベノミクス効果が実体経済に広がるまで、消費者はいったん、厳しい季節を迎えるかもしれない。
「何が何でもという意味ではない」。2日の衆院予算委員会で、円安の弊害を軽視してでも、日銀に2%の物価上昇率目標の達成を求めるのかと問われた首相の、こんな発言が市場に一瞬動揺を誘った。そのせいもあってか、市場との対話に積極的な黒田日銀。だが、QUICKの調査によれば、債券市場関係者の約8割が資産バブルがありうるとみている。市場に配慮しすぎれば消費者の負担が増し、消費者重視だと市場の期待が低下する。
07年以降の株式相場は、世界景気の悪化で崩れた。今回も海外景気の低迷が続けば、アベノミクス効果は半減する。アベノミクス相場に小泉改革後型リスクが潜んでいるのを一番知っているのは、安倍首相本人かもしれない。
デフレ脱却のための日銀の決断は、基本的には評価してよいのだろう。しかし、手放しで、というわけにはいかないのも事実。あえて、ネガティブなことを書くが、円安にもよる物価上昇だけが存在し、その後に期待する輸出拡大による企業業績の改善や賃金の上昇、税収増大に伴う震災からの復興加速、というシナリオの後半がなければ、国民は、電力料金を含む物価上昇に苦労するだけに終わる。
そして、今や、ギリシャやキプロス問題が日本も含む世界経済を右往左往させるのは承知の通り。いくら、日本だけ「異次元の緩和だ!」「アベノミクスだ!」と言ったって、あくまで世界経済の関係性の中での日本なのである。中国も企業業績は悪化しつつあるし、環境汚染や鳥インフルエンザなど世界経済を停滞させかねない火種はいくらでもあるし、EUだって、いつ特定の国の経済危機が世界に波及するか分からない。アベノミクス効果などは、そういった世界の経済環境の悪化で、簡単に消し飛んでしまう恐れがあるのだ。
たしかに、デフレと経済の縮小傾向は、何とか食い止めなければならないだろう。企業も国民も元気になりたい。景気が良くなれば、元気も出てくるだろう。しかし、バブルのリスクのある施策を実態経済の好転につなげるには、まだまだやべきことがある。
その施策について、安倍自民党がやっていることには、まだ信頼を置くわけにはいかない。たとえば、あの竹中平蔵を政治の舞台に復帰させた産業競争力会議が進めようとしている「新自由主義」「競争至上主義」によって疲弊した日本企業が世界市場での競争力を強化することは難しいし、TPP参加は、少なくとも大震災で被災した地域の農業や漁業の状況を一層悪化させることはあっても好転させることにならない。
政府の施策の優先順位の第一は大震災とフクシマからの復興であると考えると、アベノミクスに浮かれていてはいけないと思う。今日の福島第一原発三号機の冷却停止事故だって、まだまだフクシマから復興の道を辿っていないことを物語っている。三号機はMOX燃料である。もし冷却停止が続いたならば・・・想像もしたくない。
3.11の事故原因の分析も大事だが、未だに「あってはならない事故」が続いていることを何とかしなくてはならない。フクシマは、未だに毎日、放射能を出し続けていることを肝に銘じて欲しいものだ。
安倍も日銀も、やみくもに「物価上昇2%」を唱えるのではなく、大震災とフクシマからの復興のメドをたてながら、できるだけ復興や再生エネルギー強化に密接した産業の支援と育成を行なった結果が、物価上昇につながるのなら、それは結構だろう。
発送電分離については安倍が自民党内のノイズを抑えたようにも見えるが、2016年をメドに新しい発電会社が家庭向けに電力を販売することを認め、発送電分離を含め2018年~2020年をメドに電力自由化実現を目指すというのは、少しスピードが遅すぎないか。この間にいくらでも原子力ムラの暗躍があり得る。自分の政権のうちに発送電分離を実現しようとするなら、もっと前倒しする必要があるだろう。
そういった経済や産業的な施策のことも大事だが、私が異次元的緩和などのアベノミクスで恐れるのは、国民の心の持ちようの変化である。アベノミクスは、国民のバブル感を煽るだろう。それは、大震災やフクシマを経て、せっかく取戻しつつあった日本人の節約の美徳や、「相互扶助」「自然との共存」といった精神を忘れさせる方向に向かうのではなかろうか。バブルに“もったいない”という言葉は似合わない。これから夏にかけて、原子力ムラはアベノミクスの流れを利用して、電力不足→原発再開、の大合唱をするはずだ。今年が、実は脱原発の正念場になるような気がする。
“小泉改革後型リスクが潜んでいるのを一番知っているのは、安倍首相本人かもしれない”という指摘が正しいとするなら、今の段階では、前回の短い首相時代の汚点を払拭し、なんとか歴史に名を残そうとする安倍首相が、「100日でここまでやったぞ!」とほくそえんでいるだけ、つまり、「安倍のみ、クスッ」なのかもしれない。あまり出来の良い地口ではないが、アベノミクスも異次元緩和も、あくまで手段であり、その目的は、政治家や特定企業のためではなく、被災地の方を含む国民が元気になり心から笑える日を一日でも早く到来させることだろう。
加えて消費税増税により特にワーキングプア、年金生活者、生活保護所帯、母子家庭などの生計を直撃します。
結果として、ますます経済格差は増大するわけで、なぜ安倍内閣の支持率がこれほど高いのか理解できません。
資産価値が上がって喜ぶのは、もちろん富裕層の方が多いですよね。
そして、物価や消費税が上がって困窮するのは、いわゆる生活弱者。被災地の方だって生活を立て直すには失った物を買う必要があります。
避難所に入居した方には支給された家電六点セットは、親戚や知り合いを頼って避難した方、自主的に家を建てようとする方などには支給されませんでした。そういった不公平な実態などは、ブログやミニコミ、地域情報メディア以外では、滅多に取り上げられません。
マスコミはこぞって安倍をおだてますが、相変わらず肝腎な問題には目を向けません。
困ったものですが、何とかして変わって欲しいし、ちっぽけなブログながらい書いていこうと思います。
