江戸の香りたっぷりの噺家は、「童心」を忘れない—「サライ」3月号より。
2013年 02月 23日

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その「江戸の粋と人情を語る」と題した対談から、まず引用。
越川 「古典落語にはおもしろい江戸言葉がいろいろと出てきますね。
戯(たわ)けを意味する“うんつく”とか。すごく勉強になります」
小満ん「稽古をしていて、意味がわからない江戸言葉が出てくると、上面を
よんどころなく調べるんですが、これが楽しくてね。つい夢中になって、
おかげで噺の稽古がほとんど進まないんです」(笑)
小満んと同じような経験は、落語愛好家の方なら、よく経験されているだろう。私なんか、しょっちゅう、「えっ、どういう意味?」とググル日々である。それにしても、検索エンジンで便利になったせいで、辞書を引かなくなって久しい。これは、ちょっとマズイことだろうなぁ。できるだけ辞書を引こう。
このあとに次のような言葉が続く。
小満ん「言葉は目じゃなくて耳で覚えないと、口から自然に出てくるように
ならない。先日、人形町のある店で食事をしたとき、追加でお新香を
頼んだら“お手盆でごめんなさい”って言って出してくれたの。お盆
にのせずに手で運んだ際、こういう言葉がごく自然に言えるのは、昔
ながらの心遣いが残っている土地柄だからなんです」
越川 「学校では、そういう振る舞いは教えてくれませんものね。家庭で子供
の頃から躾けないと、身につかないでしょう」
小満ん「いやいや、幾つになっても童心でいればいいの。いい言葉だなって
素直に思う心があれば、自然と使うようになりますよ」
越川 「知識じゃなくって感性が大事ってことですね。江戸には、商家の
跡取りの養成所として江戸寺子屋がありました。通常の寺子屋の
ように、読み書き算盤だけでなく、見る、聞く、話す、考えること
を学ばせていた。それで、感性を養っていたようです」
小満んの「童心」という言葉、なかなか出来るものではないが、なるほどと思う。そうか、そういった純な気持で毎日を過ごしているんだ、小満んは。
江戸っ子の“泣き笑い”について。
越川 「江戸の人たちは、いつも笑っていたようですね。幕末頃に来日した
外国人たちが、江戸に暮らす人々は人懐っこい笑顔が素晴らしい、
と手記などに記しています」
小満ん「笑う人はよく泣くからね、泣ける心を持っている。笑ったり泣いたり
するのは、人の気持ちがわかるから。古典落語の『らくだ』の噺のよう
に、どんな悪い野郎でも、あの世に行けば同じ長屋に住む連中が、
きちっと弔いを出しますしね」
この対談は、本誌の特集第一部「江戸庶民に倣う、『身の丈』に合った暮らし方」の中にあるのだが、第一部には他に石川英輔さんが「完全リサイクル社会に学ぶ“足るを知る”生活術」と題して、江戸庶民の知恵を語っている。
先日、小満んが『夢金』のマクラで語った「知足安分」という言葉を思い出す。
特集第二部は「江戸から東京へ 150年受け継がれる『匠の技』」として、漆器、和紙などの伝統工芸が紹介されている。こちらも、なかなか結構。
一時、落語特集を続けていた頃のこの雑誌は、結果としてほぼ全て買ったはず。今回の「江戸」特集も、久し振りに保存版に価する内容になっている。お奨め。
それにしても、対談からうかがえる小満んの「童心」、忘れないよう、ぜひあやかりたいものである。それでなくても、浮世のしがらみやら何やら、いろんなものが溜まっているこの身である。それに比べて、昭和17年生まれ、古希を過ぎた噺家は、なんと純で粋で、いろんなことを教えてくれるなぁ。
「巣林一枝」:
小さい家に満足すること。分相応の暮らしに満足すること。不必要に他の物まで求めようとせず、分相応を守るたとえ。鳥は木のたくさんある林に巣を作っても、自分で使うのは一本の枝だけであるという意から。▽「巣林」は林に巣を作ること。「一枝巣林いっしそうりん」ともいう。
とのことです。
小満ん師匠、僕の知る限りこの6年は上方に見えていません・・・今なら受け入れらそうな気がしますが。
ところで、記事に関係のない勧誘で申し訳ありませんが、
3月5日の18時30分より国立演芸場で、文我師と春團治一門有数の実力派・梅團治師の2人会があります。
三遊亭百生(勿論CDでしか知りませんが、大好きです)の前名を継がれている梅團治師は、一言で言えば「味」の塊のような方です。
文我師の会らしく前売三千円・当日四千円ですが、梅團治師(06-6606-5632)でも扱われているようです。
御都合が付くようでしたら、御検討をお願いします。
・・・黒門町と二代目春團治とは仲よしでしたね。
梅團治師は、御自分では「二代目春團治に似てるらしい」と言うてはります。
どうも、ここ数年文我の会の相性が悪いようで、3月5日も、残念ながらすでに別の落語会の予定が入っています。
しかし、3月9日のざま(宗助と二人会)には行こうと思っています。
“鉄ちゃん”の梅團治は、過去に聴いたことはありますよ。
せっかくお知らせいただいたのですが、申し訳ありません。
懲りずにお立ち寄りのほどを。
