芸協、8月の寄席の顔ぶれ。他派の力など借りずに頑張れ!
2012年 07月 24日
まず、浅草演芸ホールの8月上席の後半(8月6日~10日)は、なかなか豪華な番組だ。昼の部は主任を小遊三が務めた後、仲入り後に「にゅうおいらんず」の大喜利。昇太や色物の芸達者の名も並ぶ。そして、夜の部の主任は鯉昇。小柳枝、桃太郎も顔を出すし、膝がわりは、うめ吉だ。
落語芸術協会サイトの8月上席後半番組表
<浅草演芸ホール 8月上席後半>
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昼の部
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ぴろき
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ナイツ(交互)
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春風亭昇太
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三笑亭笑三
ボンボンブラザ−ス
主任 三遊亭小遊三
---仲入り---
大 喜 利
噺家バンド
にゅうおいらんず
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夜の部
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三遊亭遊雀(交互)
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春風亭小柳枝
-仲入り-
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桂平治
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昔昔亭桃太郎
檜山うめ吉
主任 瀧川鯉昇
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次に、末広亭の8月中席(8月11日~20日)は、昼の部は恒例の「アロハマンダラーズ」で締める。夜の部も、これまでも客を呼べるベテランが主任をとってきたように思うが、今年は春風亭昇太が務める。
末広亭サイトの8月中席番組表
<末広亭 8月中席>
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昼の部`
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主任 三笑亭可楽
大喜利
ハワイアン アロハマンダラーズ
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夜の部
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昔昔亭桃太郎
-仲入り-
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主任 春風亭昇太
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落語家の若手、中堅は確かに落語協会には質量的に劣っているかもしれない。しかし、決して落語協会に引けを取らない充実した色物の芸達者をはさんで、実力と人気を兼ね備えた顔ぶれで番組を組めば、当座の定席の観客動員という問題には、何とか対処できるはずだ。
特別な編成ではなく夏休みの恒例の編成なのか、それとも芸協の危機感の表れかは芸協の定席の知識に乏しく分からないが、とにかくこの顔づけなら魅力がないとは言えないだろう。末広亭の8月中席で昇太が主任というのは、自信はないが、滅多にないのではなかろうか。
定席の顔付けも大事だが、中長期的には、若手、そして一部中堅までもを含むスキルとモラルの向上が重要。「二ツ目勉強会」の今以上の開催や、真打昇進に関する厳しい基準の導入なども要検討だろうし、定席で客のアンケートをとって出演者に関する厳しい意見なども吸い上げるべきだろう。
志ん朝が『文七元結』のマクラで言っていたように“ぼんやりしていても”十四年か十五年たてば誰でも真打になって、「師匠」と呼ばれ何とか食べていける、という“ぬるま湯”のままでは、芸協から新たな実力者は生まれないだろう。その“ぬるま湯”状態を打破するための仕掛けも必要だ。
二ツ目には、積極的に他流試合や、落語の大会(コンペティション)への出場を奨励すべきだと思う。
たとえば、過去のNHK新人演芸大賞(落語部門)の大賞受賞者の顔ぶれを見ると、芸協の問題が明白になる。
<NHK新人演芸大賞-落語部門-大賞受賞者>
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西 東
1994年 桂平治
1995年 柳家三太楼(→三遊亭遊雀)
1996年 古今亭志ん次(→志ん馬)
1997年 桂宗助
1998年 柳家喬太郎
1999年 桂都んぼ(→米紫)
2000年 林家彦いち
2001年 桂三若
2002年 古今亭菊之丞
2003年 古今亭菊朗(菊志ん)
2004年 桂かい枝
2005年 立川志ら乃
2006年 笑福亭風喬
2007年 桂よね吉
2008年 三遊亭王楽
2009年 古今亭菊六
2010年 春風亭一之輔
2011年 桂まん我
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十八年前、今年七代目桂文治を継ぐ平治が受賞して以降、芸協からの受賞者は出ていない。遊雀はご承知のように落語協会に在席中の三太楼で受賞。
この大会がすべてを語るわけでは毛頭ないが、若手噺家と所属協会の実力を測る一つの目安にはなる。噺家の数が少ない立川流や円楽一門で受賞者が出ていることも含め、やはり、芸協の若手が活性化していない証であるに違いなかろう。受賞者のその後の活躍を考えると、やはりこの大会に出ること、そして受賞することは若手にとって大きな試金石となっているように思う。
今年からしばらくは、大勢の若手にこの大会を取るチャンスがある。なぜなら、図抜けた存在だった一之輔、菊六、そしてまん我が出場することはないのだから。私は、芸術協会を挙げて若手を特訓し、この大会での大賞受賞を目指す位の活動があっても良いように思う。すぐには実を結ばないかもしれないが、高校野球ではないが目標を高く持って修練するプロセスも大事だ。
さて、今後の芸術協会がどんな定席の企画をし、将来を見据えた改革のためにどんな手を打つか、しばらくはよく観察させてもらおうと思う。少なくとも、8月の定席に関しては、良い傾向が現れてきたのではなかろうか。
二つ目の話題がありましたが、末広の八月中席夜の食いつきに三笑亭夢吉(既に今月中席で食いつきに起用)と桂宮治(二つ目昇進から半年未満)が交互出演する事について触れていないのは何故ですか?
昇太師匠のトリよりも芸協的には大きなサプライズだと思いますが。
ご指摘の「サプライズ」、うっかり見逃していました。ご容赦のほどを。
二ツ目になって七年目の三笑亭夢吉、そして今春二ツ目になったばかりの桂宮治がクイツキですね。
これは間違いなく大抜擢ですね。
夢吉は、あいにく未見です。
宮治は結構聴いており、高く評価しています。この人は将来楽しみです。
この席を含め、今後芸協の定席に実際に足を運ぶよう努め、感想を含めて書いていきたいと思います。
いろいろ抜ける部分や間違いもあるかと思いますが、よろしくご指南ください。
芸協は、何と言っても歴史もありますし、過去に多くの名人を輩出した協会です。
危機感をバネに落語協会と張り合えるようになって欲しいと思います。
二大政党制は崩壊しましたが、二大協会制は継続して欲しい^^
下席では毎年「禁演落語の会」と称して仲入り後に「禁演落語」を演じます。
噺が付きますが、普段の寄席では聴けない噺も出てきます。
浅草は招待券もあるので、他の寄席よりお客は入っていると思います。
問題は有望な若手ですが、前の方のコメントにもありましたが、宮治さんはいいですよね。期待が持てます。
彼に続いて出て来て欲しいですね。
それと芸協は色物さんは落協より良いのだから、上手く組み合わせて欲しいですね。
番組にうめ吉さん、ボンボンブラザースさんと東京ボーイズさんが出ていたら少しくらい噺家が冴えなくても行きたくなります(^^)
宮治さんは桃太郎師匠も「期待の大器」と称してますし、実際、素人目で見ても物が違うとわかります(既に日本橋亭を札止めに)。
二人に共通して言えるのは稽古では身につかない生まれ持ってのフラが備わっている点。これは大きい。上記の二人以外では柳亭小痴楽さん(五代目痴楽の実子)も将来有望です。
この面々が天狗にならずに順調に育てば、芸協も心配はいらないはずです。
楽しみな若手もいるのですから、まだまだ他派の力に頼ることはない。
定席の顔付けを見て芸協の“やる気”が少し伝わってきました。
なんとかヤボ用をやりくりして寄席に駆けつけたいと思っていますが、どうなることやら。
ただ、土曜の深夜では私は難しいと思いますが、何とか意識して夢吉さんを近いうちに聴こうと思います。
宮治は、見た目も得していますし、語り口も結構。たしかにフラもある。伊達に年とってから入門していないと思います。
芸協、これから楽しみが増えました。
