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春風亭一之輔 真打昇進披露興行 五十日間五十一席。

 昨日で、3月21日に鈴本から始まった春風亭一之輔の一人真打昇進披露興行五十日が終了した。国立演芸場の八日目(5月18日)のみ昼夜二回口演のため、五十日間に一之輔は計五十一席を披露したことになる。
 彼のブログ「いちのすけえん」を元にすべての演目を並べてみる。「いちのすけえん」
春風亭一之輔 真打昇進披露興行 五十日間五十一席。_e0337777_11083998.jpg

<ネタの種類>   10    15(+5)    19(+4)    21(+2)    24(+3)

 ネタの種類にして二十四。高座数のほぼ半数に近いネタということになる。平均で同じネタを二度位しかかけていない、ということだ。多くのネタをかければいいというわけでもない。もちろん量に加えて質も求められる。二十一人抜き、一人昇進、ということでマスコミも取り上げ、連日の満員御礼で数多くの落語愛好家が注視するなかでの高座。二十四という数は、大変な数だと思う。

 私は、浅草までの三十日が終わった時点で途中経過を書いた時に、高座数の半数近くのネタを、高いレベルで高座にかけることができたら素晴らしいと書いた。私自身が行くことができたのは末広亭と国立演芸場で各一日の計二日のみ。しかし、他の日の出来映えを、落語愛好家の方のブログなどで確認するに、私やお客さんの期待に応える高いレベルの高座で五十日を駆け抜けたのだろうと思う。

 上の表でネタの横にある「*」の印は、そのネタがそれ以前に演じられた回数を示す。二十四のネタを演じられた回数別に整理すると次のようになる。

 5回(1):茶の湯
 4回(3):百川、子は鎹、粗忽の釘
 3回(4):欠伸指南、初天神、明烏、らくだ
 2回(6):短命(長命)、不動坊、長屋の花見、花見の仇討、青菜、藪入り
 1回(10):竹の水仙、雛鍔、くしゃみ講釈、鈴ケ森、蛙茶番、代脈、大山詣り、鰻の幇間、へっつい幽霊、五人廻し

 季節がら冬の噺はない。十八番中の十八番と言って良いだろう『粗忽の釘』で始まり、定席最後の池袋の楽日、そして昨日の国立演芸場の楽日も、同じ噺で締めくくられた。このへんは、予め計算していたような気がする。

 落語ブログ仲間の佐平次さんによると、昨日は家族を招待しての大千秋楽であったらしい。まさに、奥さんに捧げる一席であったのだろう。噺の中で隣家の主人に「このネタは今日で四度目だが、いちばん良かった!」と言わせたようだ^^
佐平次さんのブログ「梟通信」の該当記事

 末広亭の六日目、そして国立演芸場の九日目に参上できた私は、奇しくも一回のみの登場となったネタ『雛鍔』と『五人廻し』に出会うことができた。僥倖であった。
 しかし、複数かけられたネタだって、決して悪かろうはずはない。一之輔ファンの中には、この五十日の間に特定のネタが発展進化するのを肌で感じることのできた幸福な方もいらっしゃるだろう。

 ともかく、2003年の古今亭菊之丞以来の一人真打昇進披露興行は、無事終了したようだ。ちなみに、菊之丞の時は国立演芸場の興行はなかったので、五十日間を一人で行ったのは初である。

 そして、「寄席が大好き」のこの男、休む間もなく5月下席は花緑が主任の浅草演芸ホール昼の部でクイツキを務めている。今のところ番組表には休演予定は書かれていない。このへんが、当たり前のようでいてなかなか出来ないことなのだ。浅草演芸ホールの番組表

 「いちのすけえん」5月20日の内容から一部抜粋したい。実際は、それぞれの行間が結構空いているのだが、詰めさせていただく。皆さんには、その「行間」が「読める」はず。
声もあんまり出ず、正直出来もあんまり……、だったが記憶に残る高座になった。
かな。
最後だからと子供とかみさん、連れてきた。
次男がロビーを走り回るわ、長女がいい間で泣きやがるわ。
でも長男はジーッと聴いてたらしい。
終演後、幕が閉まる前にお客様から高座へ頂いたドンペリで出演者全員で乾杯。

とにもかくにも50日の御披露目はお開き。

気分だけは少し休もうー。


 円歌師匠の言葉をお借りして、一之輔と奥さんに、「手を取って 共に登らん花の山」を贈りたい。きっと彼は大輪の花を咲かせることができるだろう。

 なお、この場を借りて、非公開コメントも含め、数多くの方から一之輔の興行に関連して貴重な情報をいただきましたことに御礼を申し上げます。ありがとうございました。彼のブログからネタを一覧化しただけなのですが、少しでも落語愛好家の方のお役に立てたのなら、ブログ管理人としてうれしい限りです。

p.s.
秋の朝太(志ん陽)、菊六(文菊)の際にも、同じように書くかどうかは、未定です。菊六はブログをしっかり更新してますけど、朝太のホームページは二年前でピタっと止まっているのでねぇ・・・・・・。それを考えると、一之輔や古今亭志ん輔のブログは、噺家さんの日常や心理などを知る上で貴重ですね。
Commented by 佐平次 at 2012-05-21 18:55
こうしてみると「粗忽の釘」は最初と最後(池袋も)のネタ、きっと何か思いがあるようですね。
あんまりいい出来ではないようなことを言ってますが、、どうして素晴らしかったですよ。

Commented by 小言幸兵衛 at 2012-05-21 19:31
本人のブログでは、私が聞いた『五人廻し』もあまり納得はしていませんでした。
求めるものが高い、ということもあるかもしれませんが、結構、そんなものなのかもしれません。
志ん輔のブログでも、よくあるんですよね、本人の感覚と客の評価のギャップが。
それにしても、なかなか凄い男です。
今後も大いに楽しみですね。

Commented by hajime at 2012-05-22 00:50
昨日(月曜)は休みでしたので、浅草に行ってきました。
で、食いつきの一之輔さんを見てきました。夜トリの三三さんまでいましたがw

演目は「初天神」でした。
団子の下りまでしかやりませんでしたが、
肩の力が抜けたと言うか、自然な感じでとても良かったです。
話も二つ目の頃に聴いた時より格段の進歩で、親子の仲の良さが自然と感じられてとても良かったです。
披露で見た「蛙茶番」より出来は良かったです。
親子の描写に、一之輔さん親子の実際の感じも感じられ微笑ましい高座でもありました。
新しいくすぐりや別な新鮮な視点からのセリフ等この人はやはり違う!と言う感じを改めて感じました(^^)

それに比べ昼トリの花緑さんの酷さ!
なんであんなに駄目になってしまったのか・・・すいません話が違いましたね(^^)
でも一之輔さんは又一回り大きくなった様な感じがします。

Commented by 小言幸兵衛 at 2012-05-22 08:53
浅草で「居続け」ですね^^
披露興行が終わった翌日ですから、ある意味で新たな一之輔の初日に行かれたわけですね。
NHkで勝負をかけた「初天神」、一之輔のネタの中で、もっとも安心して聞ける演目の一つかと思います。

花緑は、自信過剰なのか、あるいは“焦り”のようなものがあるのか、ちょっと曲がり角でしょうか。
清々しいだけでは、そろそろ限界なのかなぁ。そういう意味でも、一之輔にはスケールの大きさを感じます。
三三や白酒に良い刺激を与えていることでしょう。

Commented by こしけん at 2012-06-15 16:45
 初めてお便り申し上げます。
 古今亭朝太さんのブログは以下のアドレスです(直接リンクですみません)。ちなみにアドレスの文字列に「chota」が使われていないので、真打昇進後も変更ないと思われます。

http://blogs.yahoo.co.jp/apple_fujio

Commented by 小言幸兵衛 at 2012-06-15 17:16
情報ありがとうございます。
fujioは名前なので、継続なのでしょうね。
問題は、彼がどの位の頻度で更新してくれるか、です^^

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by kogotokoubei | 2012-05-21 17:50 | 真打 | Trackback | Comments(6)

あっちに行ったりこっちに来たり、いろんなことを書きなぐっております。


by 小言幸兵衛
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